[名称] DVD-RAM(RAM2)
[種類] 光ディスク(650nm)
[記録方法] 相変化記録(書換型)
[サイズ] 120mm
[容量] 4.7GB
[登場年] 2006年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「DVD-RAM(RAM2)」は、DVDフォーラムによって策定されたDVD-RAM規格のひとつ。DVD-RAMは「DVD」という名前がついているとはいえ、DVD-ROM/R/RWと物理的な互換性のない、少々異端な存在です。具体的に違う部分をいくつか上げると、ランダムアクセス性向上のためヘッド位置把握用のサーボパターンが記録されている、2層メディアは裏返して使用する両面タイプ、信頼性を重視し書き込み時にベリファイも行なう、などがあります。

DVD-R/RWが比較的容易に高速化できたのに対し、DVD-RAMでは低速から高速まで対応できる記録素材の開発が難しく、高速化は遅れ気味。バージョン2.1でようやく最大5倍速を実現していたに過ぎません。なお、ベリファイが行われるため速度は半減し、実質でいえば2.5倍速。初期のDVD-R/RW程度の速度しかありませんでした。このあたりのお話は、File:30のDVD-RAMでも触れているので、そちらも参考にしてください。

この速度面の遅れを取り戻すため、バージョン2.2では低速書き込みに対応せず、6/8/12/16倍速の高速書き込みだけが可能な規格を追加しました。これが、「DVD-RAM(RAM2)」です(以下、DVD-RAM2とします)。DVD-RAM2は従来ドライブでは書き込めないため、「RAM2」のロゴマークの有無で対応が明確にわかるよう工夫されていました。

なお、従来ドライブでも読み取りはできるハズなのですが、一部のドライブでは誤動作を起こすといったトラブルがありました。最も危険なトラブルを起こしたのが、東芝の「SD-R2212」というドライブで、イジェクト時にディスクの回転が止まらず、高速回転したままトレーが出てくるというものです。

指が触れればケガをするだけでなく、最悪、ディスクが飛び出してくる危険まであったことから、発売されたメディアにこの注意事項が表記されるほどでした。

実際のディスクを見てみましょう。

数少ないDVD-RAM2メディア……というか、たぶん唯一の存在となる「DRM47D.1P」です。メディアはカートリッジなしの片面ディスクとなるので、分類としてはTYPE 3ですね。

注目はレーベル面の下部に印刷されている注意事項。パッケージやケースの表面にこういった注意事項があるだけでも珍しいのですが、まさかのレーベル面にまで印刷です。高回転ディスクがそのままイジェクトされることの危険性がよくわかります。

記録面を反射させて見ると、DVD-RAMの特徴でもあるサーボパターンが一定間隔ごとに記録されているのが分かります。

なお、高速記録に対応しているだけで、基本的なフォーマットはDVD-RAMもDVD-RAM2も同じなので、記録面だけで見分けるのはまず無理です。素直にレーベル面の「RAM2」ロゴを確認しましょう。

こちらがその「RAM2」のロゴです。ちなみにこのDRM47D.1Pはデータ用となり、CPRMには非対応。デジタル放送の録画用には使えませんでした。

DVD-RAMはランダムアクセスに強いことから、初期はPCのデータ用メディアとして活躍してくれましたが、USBメモリーが台頭してくると利用機会が減少。また、大容量データの保存であれば、高速でメディア単価の安いDVD-Rの方が使いやすいため、PCでの利用そのものが減ってしまいました。

DVD-RAM2が登場した2006年にはすでにこの状況となっており、さらにメディアの入手性が微妙だったことなどが重なり、いくら高速化したとはいえ、普及することなく消えていきました。

ちなみにDVD-RAMは簡単に上書きできるという手軽さと経済性から、高速性が必要とされないDVDドライブ搭載レコーダー用として、意外と長く使われていました。とはいえそんなDVD-RAMも、2019年5月でパナソニックが生産を終了しています。

連載:スイートメモリーズ


参考:

新規格 世界最速12倍速記録対応データ用DVD-RAMディスク 新発売, 日立マクセル, Wayback Machine
高速記録対応 データ用DVD-RAMディスクについて, 日立マクセル, Wayback Machine
120mm DVD-書換形ディスク(DVD-RAM), JISX6243, 日本産業標準調査会
120mm(4.7GB/面)及び80mm(1.46GB/面)DVD-書換形ディスク(DVD-RAM), JISX6246,日本産業標準調査会
DVD-RAMメディアについて知りたい, オンキヨー
DVDフォーラム、「Japan Conference 2004」を開催, Impress
DVD-RAM, ウィキペディア