V12 Detect Slim

ダイソンが5月26日に発表したコードレス掃除機「V12 Detect Slim」「V15 Detect」は、目視しづらい微細なホコリをグリーンレーザーで照らすことでゴミの取り逃しを防げる製品です。購入前にチェックすべきポイントを3つご紹介します。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect

1:LEDではなくグリーンレーザーを用いた理由

まず注目すべきはクリーナーヘッド。「V12 Detect Slim」と「V15 Detect」に搭載されたグリーンレーザーで、目視しづらい微細なホコリを照らすことで、吸い残しを防いでくれるといいます。レーザーダイオードは、床からの高さ7.3mmかつ1.5度の角度で取り付けられており、床に対してほぼ水平方向に照射します。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲ Laser Slim Fluffy クリーナーヘッド

じつはホコリを照らすという仕組みは、LEDを搭載した「Dyson V8 Slim」(2019年発売)など一部の製品で実現していました。

ではなぜLEDではなくグリーンレーザーを採用したのでしょうか。ダイソンのジェームス・シェール氏は「LEDは広範囲を照らすのに向くが、微細なホコリが見えにくい。グリーンレーザーでは最適なコントラストで照射でき、薄い刃のように照射できる」といいます。

Dyson James Shale
▲ダイソンのジェームス・シェール氏

ちなみにダイソンによると「グリーンレーザーが掃除機からどのくらいの距離まで届くのかは非公開」ですが、「光量を変えずに照射する向きを固定し、ワンストローク先までのホコリを目視できるようにした」とのことです。

そしてダイソンが開発時に苦労したというのが特殊レンズ。これはレーザー光が通過し、進行方向に拡散させるためのもの。同氏は「プロトタイプでは複数枚の既製レンズを重ねていたが、光学面が合わさることでズレが生じてしまう。1枚のレンズを自社で開発したことで、レーザー光をしっかりと拡散できるだけでなく、小型化にも成功した」といいます。

同氏は「完成までに500回の試作を繰り返すなど、開発に最も時間を費やした結果、わずか0.11gという小型軽量サイズを実現した」と開発時の苦労を振り返ります。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲手のひらにのせると特殊レンズの小ささがわかる
Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
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Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
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2:吸ったゴミの量やサイズを確認できる

新製品のポイントはただゴミを照らすだけではなく、吸ったゴミの量とサイズを手元の液晶ディスプレイで確認できる点。この機能に欠かせないのが「ピエゾセンサー」です。

ピエゾセンサーは、ゴミがクリーナー内部のパーツなどに接触したときの音響振動を1秒間に約1万5000回計測し、それを電気信号に変換してプロセッサーに送ります。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲写真中央の円形のパーツが「ピエゾセンサー」

また、ゴミの量とサイズを確認できるだけでなく、前述の計測結果を基に吸引力を自動で調整することも可能です。

具体的には、ユーザーが吸引モードをオートに設定すると、ゴミの量が多い箇所では吸引力を高め、相対的に少ない箇所では吸引力が下がる仕様。モードを切り替える手前が省けるだけでなく、電池持ち(運転可能時間)を延ばすことも期待できそうです。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲花粉などの微粒子は「10μm」、微細なホコリは「60μm」、ダニの死骸は「180μm」、砂糖粒は「500μm」というように、どのようなゴミをどれくらい吸ったのかが、大きく4つのサイズに分けて表示される
Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲各モードの切り替えは液晶ディスプレイの下にある赤色の物理ボタンで行う

ちなみに「V12 Detect Slim」と「V15 Detect」の Dyson Hyperdymium モーターは回転数が最大12万5000回転、遠心力は最大10万Gとなっていますが、サイクロンの数が異なり、「V12 Detect Slim」が11個、「V15 Detect」が14個です。

2シリーズの吸引力を「Dyson Digital Slim」と比べると、「V15 Detect」では約130%、「V12 Detect Slim」では約50%増えているそうです。このあたりは製品の価格に比例する部分でもあります。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect

3:毛がらみを防ぐクリーナーヘッド

注目すべきポイントの3つめは、毛がらみを防ぐクリーナーヘッドが用意されていることです。

ダイソンが日本の消費者を対象に掃除に関する調査を行ったところ、「クリーナーに髪の毛が絡まる」という回答が最も多かったそうです。

これを解決すべくダイソンが開発したのが、円すい形状のスクリューツールを採用したブラシ。人間の髪の毛やペットの毛などが、円すい形状の軸の太い方から細い方へと巻きつきながら移動し、クリアビンに吸収されます。

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲毛絡み防止スクリューツールの内部
Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
▲ハンディタイプのクリーナーヘッド「毛絡み防止スクリューツール」はアルキメデススクリューの原理からからヒントを得て開発されたのだとか。ダイソンは細い毛でも吸い取りやすいとアピールする

Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
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Dyson V12 Detect Slim V15 Detect
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同氏は「毛がらみ防止と集塵性能の両方を満たすために、ラボや住宅での試験を何度も行った」と述べ、「“アルキメデスのらせん”と同じ原理を採用したことで、ブラシバーに絡むことなくスムーズに吸い取れ、メンテナンスもしやすい部品が完成した」といいます。

クリアビンにたまったゴミに触れることなく捨てることができるのもダイソン製品ならでは。クリーナーヘッドのブラシバーやフィルターを取り外して水洗いすることも可能です。

どんな人におすすめ?

「V12 Detect Slim」「V15 Detect」が登場したことで、ダイソンのラインナップを見たときに「どれを選べばいいの?」という疑問が頭をよぎりました。

各製品をざっくり説明すると、左右だけでなく斜め方向にもクリーナーヘッドが動き、狭い場所でも小回りがきく製品なら「Dyson Omni-glide」(6万4900円〜)、とにかく軽さを求めるのなら「Dyson Micro 1.5kg」(5万3900円)、同製品とほぼ変わらない重さながらパワフルさを求めるのなら「Dyson Digital Slim」(6万4900円〜)といったところ。

「V12 Detect Slim」(8万6900円〜)と「V15 Detect」(10万8900円〜)は、小さなゴミや細長い毛を見逃さず、しっかり吸い取りたい人や、掃除モードの手動切替が面倒だと感じている人などにおすすめできそうな製品です。

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