ダイソンから最新のコードレススティック掃除機「Dyson Omni-Glide」が登場しました。スリムで軽い「Dyson Micro 1.5kg」の流れをくむモデルですが、大きな違いはそのスタイルです。ヘッドは前後に搭載するブラシが中央に向けて回転しながらゴミをかき集めるようになっており、延長パイプからサイクロン部、ハンドルまで一直線というフォルムになっています。

形だけで見ると、バルミューダが2020年11月に発売した「バルミューダ ザ・クリーナー」にも似ているように思えますので、いろいろと比較してみることにしました。

バルミューダ ザ・クリーナー(Amazon)

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左からバルミューダが2020年11月に発売した「バルミューダ ザ・クリーナー」、ダイソンが2021年4月に発売した「Dyson Omni-Glide」
Yasushi Anzo

・前後にブラシを配置

・ヘッドからハンドルまで一直線のフォルム

この2つは共通ですが、大きな違いが本体配置です。ダイソンはヘッドが新しくなったのと、ハンドルが従来のトリガースタイルから傘の柄のようなハンドルになったくらいで、ほぼDyson Micro 1.5kgと似たようなスタイルです。

一方のバルミューダ ザ・クリーナーはヘッドのすぐ上部に本体を配置する、昔ながらのスタンド型スティック掃除機のスタイルに近いフォルムで、その上に円柱型のハンドルが付いているのが特徴です。バルミューダの寺尾社長は発表会で「既存の掃除機を使うくらいならクイックルワイパーで掃除した方がいい」といったことを話していましたが、まさにフロアワイパー、もしくは学校の掃除用具にあった「自在ほうき」のようなフォルムになっています。

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バルミューダは下重心、ダイソンは上重心タイプで、フォルムは大きく異なります
Yasushi Anzo
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持ってみるとこのような感じになります。バルミューダは両手持ちも可能です
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持ってみると、さらに違いが感じられます。バルミューダは約9.5cmと細く、長さは約64cmとかなり長いです。ハンドルを指で軽くつまめるだけでなく、片手で持ったり両手で持ったり、持ち方のバリエーションも広がる感じです。

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バルミューダとダイソンのハンドルの違い。長さも太さもかなり違います
Yasushi Anzo
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バルミューダのハンドルを持ったところ。かなり細いので持ちやすいです
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ダイソンのハンドルはハンドルの周長が約14cmと太めで、長さは約20.5cmと短め。比較的手が大きめな筆者は難なく持てますが、手の小さい女性にはちょっと持ちづらいかもしれません。ハンドルが短いため、両手で持つようなスタイルは難しく、握手をするように持つスタイルが主になります。銃のように持つ従来のトリガー式とは見た目は違うものの、持ち方はあまり大きな変化はなさそうです。

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ダイソンのハンドルを持ったところ。周長が約14cmと太めなので、手の小さな女性にはちょっと持ちづらいかもしれません
Yasushi Anzo
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ダイソンのハンドルにはバッテリーを内蔵するようになっています。これがハンドルが太くなっている原因です
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■どちらもすいすいと動き回ります

電源ボタンはダイソンがハンドル下部にあってオン・オフをこまめに繰り返せるのに対し、バルミューダはハンドル最上部に配置しており、掃除前にオン、掃除後にオフにするといった感じの使い方になります。

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バルミューダの電源ボタン。モード切り替えスイッチ(ボタン長押し)も兼ねています
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ダイソンの電源ボタンとモード切り替えボタン
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ヘッドはダイソンが幅20.8×奥行き13.2cm、バルミューダが幅30×奥行き16.5cmと、ダイソンの方が一回りというか二回りほど小さい印象を受けます。

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バルミューダとダイソンのヘッド比較
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電源オフ状態でヘッドを動かしてみると、ダイソンはスイスイと動くのに対し、バルミューダは少し重めに感じます。しかしバルミューダの電源をオンにすると、途端にスイスイと動かせるようになります。バルミューダはこの浮いているかのような操作感を「ホバーテクノロジー」と呼んでおり、2つのブラシをそれぞれ内側に回転させることで、床面との摩擦を低減すると説明しています。

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バルミューダのヘッドには2つのキャスターを搭載しています
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ダイソンのヘッドには4つのキャスターを搭載しています
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一方のダイソンもブラシが同じように回転するものの、電源オフでもオンでも動きにほとんど違いは感じられません。そもそも重さが違う(標準質量はバルミューダが約3.1kg、ダイソンが約1.9kg)ことや、バルミューダが下重心タイプでダイソンが上重心タイプという違いなどが要因なのかもしれません。

コーヒー粉をまいて吸うという、簡易的な吸引力のテストを行ってみました。どちらも標準モードでゆっくりと動かしていったところ、ダイソンは完全に取り切れていたのに対し、バルミューダはわずかながら吸い残しがありました。ダイソンも抜群の吸引力という感じではありませんが、フローリングで使う分には不足のない実力という感じ。バルミューダは吸ったと思ったら充電台に置くときにゴミが少し落ちてくるなど、吸引力に若干の物足りなさを感じます。強モードにすればいいといえばそうですが、フローリングの場合、できれば標準モードでしっかりと吸いきってほしいところです。

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大さじ1杯分のコーヒー粉をまいてテストしてみました
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どちらもほとんど吸い取りました
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バルミューダの方はわずかながらコーヒー粉が残りました
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フロア上をすいすいと動かす分にはバルミューダの方が心地よさがあるものの、家具の周りや下などでの取り回しのしやすさはダイソンの方が勝りますし、狭い場所への入り込みやすさもダイソンの方が上です。

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バルミューダはすいすいと動くものの、下重心でヘッドのサイズが大きいので、狭い場所に入り込むのはそれほど得意ではありません
Yasushi Anzo

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ダイソンはヘッドが小さくて上重心なので、かなり狭いところや低い場所にも入り込めます
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■「似て非なるもの」という印象で、トータル的にはダイソンに軍配

ダイソンとバルミューダ、どちらもほうきにも思えるような新しいスタイルが印象的でしたが、使ってみるとかなり方向性が異なることがよく分かりました。デザインもメタリックグレーに赤や青、紫などビビッドなカラーをあしらったダイソンに対し、落ち着いたデザインとカラーリングのバルミューダは部屋に溶け込むような静謐な印象を受けます。

ダイソンは従来のガンタイプとは異なるバータイプのハンドルを採用し、360°自在に動かせるヘッドを搭載したものの、ハンドリング自体は従来タイプに近い印象でした。ただし「Dyson Micro 1.5kg」に近い吸引力で、フローリングなら何の不満もなくしっかりとゴミやホコリを吸い取ってくれました。

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360°自在に動かせるものの、ちょっと持ちにくさを感じました

その点、バルミューダの吸引力には少し物足りなさを感じました。モーターの吸引力に対して開口部(ヘッドのサイズ)が広すぎたのかもしれません。ただ、通常の掃除機のように持つだけでなく、ほうきのように両手で持つスタイルも可能で、床の上に浮いているような操作感は今までにないものでした。操作感と吸引力、バッテリー駆動時間のバランスが今ひとつではあったものの、掃除機の未来を感じさせるには十分なものでした。

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自在に動かせて持ち方も自由ですが、吸引力に物足りなさを感じました

ダイソンに物足りなさを感じたのは「より自由な操作感」で、バルミューダは「吸引力」。トータル的にはダイソンに軍配が上がる、そんな感じでした。

バルミューダ ザ・クリーナー(Amazon)