Ludovic Debono via Getty Images
Ludovic Debono via Getty Images

地球に落下した隕石の一部には、過去100万年以内に液体の水を含んでいた可能性があり、それが地球に水をもたらした可能性があります。以前の分析では、隕石の内部で液体の水を含む化学反応は何十億年も前に止まっていたことが示されています。しかし、それらがほんとうに大昔に水を失ったのかははっきりと解明されてはいませんでした。

オーストラリア・シドニーのマッコーリー大学の研究者らは、約45億年前に形成された小惑星をルーツとし、過去100年以内に地球に落下したとされる、炭素質コンドライトと呼ばれる隕石9個を分析、これらの隕石が、“ほんの”数十万年前まで液体の水を保持していたことを発見しました。もしかしたら、このような隕石が初期の地球に落下して「水まき」をしたのかもしれません。

隕石が内部に含む氷が溶けると、水や水溶性元素が岩石内のある部分から別の部分に流れます。たとえばウランは水溶性で、トリウムはそうではないため、研究者はそれぞれの同位体が岩石中にどう分布するかを見ることで、そこに水が存在した証拠を突き止めることができます。またウランとトリウムは半減期が短く、過去100万年以内に起きた出来事しか検出することはできません。そのためこれら元素が織りなすパターンは、100万年前までのあいだに、そこに液体の水を含む化学反応が起きていたことを示していると研究者は説明します。

研究で使われた隕石サンプルのうちいくつかに見られる液体の動きは新しく、数十万年前に液体の流れたあったことが示されています。そしてそれらの物質は化学的にはまだ活性を維持している可能性を示しています。もしかしたら、最近落下してきた新しい炭素質コンドライト隕石には、まだ内部に氷(水分)を持っているものもあるかもしれません。

水そのものは太陽系天体の中では珍しいものではありません。たとえば小惑星ベンヌは探査機OSIRIS-RExに搭載される観測機器によって土壌中にヒドロキシ基が発見されており、小惑星として形成される時点でそこに水が存在したと考えられることが分かりました。また太陽系を周回する彗星は、内部の氷が溶けて噴出し特徴的な尾を形成しています。

こうした研究結果や調査結果からは、これまで地球にやってきた多数の隕石が、地球に水や有機物を供給し続けてきた可能性が考えられます。

一方、裸で大気圏に突入してきたのではない、持ち帰られた小惑星の岩石は、そこにある氷がどのように溶けてなくなるを調べるのに重要な役割を果たす可能性があります。OSIRIS-RExはベンヌから採取したサンプルを地球に持ち帰る予定であり、またOSIRIS-RExと協力プロジェクトの関係にあるはやぶさ2は、一足先に小惑星リュウグウからサンプルを持ち帰ることに成功済み。今後、行われるそれらサンプルの分析から、小惑星由来の隕石に含まれる水や有機物が地球に供給されていることを裏付ける結果が出てくるかもしれません。

source:Science
viavia:New Scientist