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米食品医薬品局(FDA)が、Twitterで単刀直入かつぶっきらぼうに「あなたは馬でもなければ牛でもありません。冗談抜きでやめておきなさい」と投稿しました。これは、米国で牛馬用の寄生虫駆除薬を服用する例が急増していることへの指摘です。

FDAは、イベルメクチンの名で知られる薬が新型コロナウイルスの治療や予防に効くとの情報を得た人が、牛馬用の薬を自己投薬して病院に搬送される例が相次いでいると警告しています。FDAはこの薬を新型コロナ治療薬として承認していません。

イベルメクチン自体はヒトに対しても、寄生虫の治療用として錠剤が、シラミなどの治療薬として外用薬がFDAに承認されてはいます。しかしそれはそもそも抗ウイルス剤ではありません。まして牛や馬用の薬はヒトには過剰なうえ、処方も異なります。

一部の医師や研究者のあいだでは、たしかにイベルメクチンが新型コロナウイルスの治療または予防への効果を期待して研究が行われ、ポジティブな結果が論文として発表されてもいます。ただ、それらは研究室内での話であり、米国立衛生研究所(NIH)は「薬剤研究によると、ペトリ皿で見られたSARS-CoV-2破壊効果を再現するのに十分なイベルメクチンの血中濃度を得るには、ヒトへの使用が承認されている用量の100倍の投与が必要」と述べています。臨床のデータも数が少なく、有効性と安全性については不確かなままだと最近の論文でも述べられています。

にもかかわらず、イベルメクチンが新型コロナに効くとの誤報がインターネット上で拡がりつつあります。米疾病予防管理センター(CDC)は、週ごとのイベルメクチン処方数が7月以降急増し、8月中旬にはパンデミック前の24倍にまで増加したと報告しています。誤報の中には大量摂取を勧めるような酷い情報もあり、感染力の強いデルタ株が蔓延し始めたこともあって、人々が何らかの方法でイベルメクチンを入手し使用する例が憂慮すべきレベルにまで増加しているとFDAは警告しています。

新型コロナウイルスへの感染を予防する最も確実な方法は、これまで何度も言われてきたとおり、マスクをきちんと正しく着用し、同居人以外からは常に約2m以上の距離を保つこと、人混みを避け、ことあるごとに手を洗うことに変わりはありません。

Source:FDA