EIZO初の曲面ウルトラワイドモニタ、FlexScan EV3895発表。有線LANも搭載する多機能機

「同一仕様パネル縛り」で見ると実はお買い得度高し

橋本 新義(Shingi Hashimoto)
橋本 新義(Shingi Hashimoto)
2020年09月17日, 午後 03:00 in ultrawide
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高級ディスプレイで知られるEIZOが、同社初となるウルトラワイドディスプレイ『FlexScan EV3895』を発表しました。37.5インチ/アスペクト比24:10、3840×1600と高精細な曲面パネルを搭載する、現行FlexScanシリーズとしては最上位モデルとなります。

発売日は10月16日。価格はオープンですが、同社直販では20万9000円(税込)で購入できます。本来カラーは、おなじみホワイトとブラックの2色展開。実は曲面ウルトラワイドな製品でカラバリがあるというのは、非常にレアです。


▲正面からは3辺ナローベゼル設計が目立ちます。ウルトラワイドディスプレイならではの縦横比と、曲面仕様ならではの使い勝手がポイント

最大の特徴は、やはりEIZO初のウルトラワイドディスプレイ、そして曲面仕様である点。パネル解像度は3840×1600(ウルトラワイドQHD+)と、デスクトップ向けの24:10タイプとしては高解像度です。

そして隠れた特徴は、EIZO製品としてはよい意味で珍しいお買い得度。実はこの「ウルトラワイドで縦1600」タイプの液晶パネルは、パネル自体が非常に高価な仕様なため、最安価製品でも本機とあまり価格差がありません。

詳しい方に向けてストレートに話すと、ほぼ同仕様のパネルを搭載したLGエレクトロニクスやデルの製品でも、市場価格が16万円前後。「市場最安値のモデルに4万円ほど足すとEIZO」という、ピンと来る人には非常に魅力的な相場感です。

もう一つの特徴である曲面仕様ですが、曲率数値(R)こそ公開されていないものの、使用時の想定図などを見ると、やはり相応の曲率であることが見て取れます。

なお、物理的に画面サイズが大きいこともあり、本体サイズは893.9×411~603.7×240mm(幅×高さ×奥行)、重量は約13.2kgとさすがにヘビー級です。

曲面仕様を採用したのは、もちろん広い画面を両端まで見やすくするため。EIZO側は大画面ながら両端まで見やすく、没入感があり、作業に集中しやすい点をアピールします(ここは他社の曲面タイプでも打ち出されているポイントですが)。

ただし一方で、このクラスとしては意外な印象もありますが、HDR映像ソースなどには非対応。このあたりは留意が必要なポイントです。

製品としてのシリーズは(ゲーム向けモデルのFOLISではなく)スタンダードなビジネス向けのFlexScanに属することもあり、HDRのみならず、いわゆる動画の高画質系処理やレイテンシ(遅延)低減モードといった装備もありません。

その他の液晶パネル仕様を見ても、表面処理はアンチグレア、輝度は標準値で300nit、コントラスト比は標準値で1000:1と、ビジネス向けモデルとしての水準です。

またベゼル設計は、『3辺フレームレスデザイン』と同社が呼ぶ、3辺ナローベゼルタイプ。スピーカーの穴は底面側ベゼルの左右対称に配置し、聞きやすさにも配慮します。

さらに専用スタンドもシンプルな仕上げ。背面デザインも昨今のFlexScanシリーズに共通する、シンプルでありながらシャープさを感じさせる設計です。


▲複数PCからの入力を合成表示できるPbyPモード。ウルトラワイド画面との相性が良い表示モードでもあります

機能面での1つ目の特徴は、まず映像入力に関しては、最大3系統入力をサポートする『ピクチャ・バイ・ピクチャ』(PbyP)機能を搭載する点。これは、最大3台のPCからの入力をマルチウィンドウ的にハードウェア的に集約して表示できるもの。

ハードウェア的な実装のため、表示するホスト機器側に専用アプリなどの導入は必要ありません。

もちろん、大きく表示するメイン画面の切り替えはユーザーの設定でOK。切り替えスイッチも搭載します。

▲豊富な映像入力に加え、USBハブや有線LAN機能も備えるため端子は非常に多数

合わせて、キーボードとマウスをはじめとするUSB機器の切り替え機能もサポート。キーボードやマウスを本機側に接続することで、1組のキーボードとマウスで複数のホスト機器を操作できます。

もう1つの特徴は、豊富な入出力端子です。先ほど「最大3系統入力」と記載しましたが、実際の入力端子はUSB Type-C(内部DisplayPort)×1、フルサイズHDMI×2、フルサイズDisplayPort×1の4系統。

しかもType-C端子は、本機からホスト側機器へのUSB PD電源供給付き。給電能力も最大85Wと、高級機種だけあって高めです(個人的には「むしろそこまでならUSB PD上限の100Wを……」とも思いますが)。

加えてUSB端子も、上述したようにキーボード/マウス切り替え機能に加え、USBハブ機能も含まれるため豊富。ホスト接続用のアップストリームUSB端子は、Type-Cに加えてType-Bを2系統搭載。USB機器接続側のダウンストリームUSB端子としては、Type-A×4系統を装備します。

加えて、内部のUSBハブを経由し、USB接続コントローラーの1000BASE-T対応有線LAN端子(RJ-45)と、サウンド機能も搭載。これらの豊富な端子により、いわゆるドッキングステーション(多機能USBハブ)を不要とします。

なお、こうしたUSBハブ機能を備えたUSB Type-C機器において気になるのは、やはり互換性の問題。EIZOは従来より、同社で調査したUSB Type-C搭載PCとの互換性検証ページ(リンク先はEIZOサイトです)を公開していますが、本モデルでの検証結果もこちらのページに追記しています。

ただでさえGPU側の解像度でトラブルが起こる事例が多い高解像度パネル機だけに、こうした検証結果を公開してくれる点は有り難い話です。


▲背面は天面側に入った“エッジライン”が目立つ、シャープな仕上げ。スタンドは高さ調節範囲が192.7mmと広いため、複数のレールを合わせたような設計です

さて基本的な仕様は、

  • 本体サイズ……893.9×411~603.7×240mm(横長状態:幅×高さ×奥行)

  • 本体重量……約13.2kg

  • スタンド可動域……高さ調節範囲192.7mm、チルト:上35度/下5度、スイベル:左右70度

  • 液晶パネル……37.5型IPS、解像度3840×1600、アスペクト比24:10、アンチグレア

  • 視野角(標準値)……水平、垂直ともに178度

  • 輝度(標準値)……300nit

  • コントラスト比(標準値)……1000:1

  • 映像入力……USB Type-C(DisplayPort Alt Mode/HDCP 1.3)×1、フルサイズDisplayPort(HDCP 1.3)×1、HDMI(HDCP 2.2/1.4)×2

  • アップストリーム側USB端子……USB Type-C(映像入力兼用、3.1 Gen 1、最大85W給電のUSB PD対応)×1、USB Type-B(3.1 Gen 1)×2

  • ダウンストリーム側USB端子……USB Type-A(3.1 Gen 1)×4

  • LAN端子……RJ-45(1000BASE-T対応、コントローラーはUSB接続)

  • オーディオ端子……3.5mmヘッドホンジャック

  • 標準消費電力……28W

といったところ。

さらに、FlexScanシリーズに共通する明るさ自動調整機能『Auto EcoView』や約1nitと非常に低い(そしてその状態でもチラツキや輝度乱れのない)最低輝度、フリッカーフリー表示やブルーライトカット機能は一通りサポート。もちろん、出荷時の個体別色調整も施されています。


▲曲面ウルトラワイド+縦解像度1600ならではの余裕ある表示で「マルチディスプレイ的な使い方を1台で」的な使い方もこなせます

このように本モデルは、定評あるFlexScanシリーズのノウハウを盛り込んだ曲面ウルトラワイドディスプレイとして、初めてのモデルとは思えないほどの仕様が盛り込まれた贅沢機種。

価格帯を考えるとHDR映像ソースに対応しない点などは留意が必要ですが、現状のビジネス向けディスプレイとしてはHDR対応は重要度の低い機能である点も事実。

このあたりの割り切りも、良い意味でEIZO製品らしからぬコストパフォーマンスの高さの理由かもしれません(上述したように同じ解像度のパネルで縛ると、日本での最廉価モデルと実売4万円程度の差です)。

とかくゲーム用途が強調されがちだった曲面ウルトラワイドディスプレイにおいて珍しい“ほぼ純粋なビジネス向けモデル”という点でも、このジャンルにおいて大きな話題となりそうな一品でしょう。

Source:EIZO FlexScan EV3895 特設ページ

 
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