米EV(電気自動車)大手テスラのイーロン・マスクCEOはTwitterにて、かつてアップルにテスラ買収を打診したことを明かしています。
23日(米現地時間)のツイートによると、モデル3のプログラムが最悪だった頃、アップルのティム・クックCEOにアップルがテスラ(現在の10分の1の価値)を買収する可能性を話し合おうと連絡したとのこと。しかしクック氏は会ってもくれなかったと述べています。
During the darkest days of the Model 3 program, I reached out to Tim Cook to discuss the possibility of Apple acquiring Tesla (for 1/10 of our current value). He refused to take the meeting.
— Elon Musk (@elonmusk) December 22, 2020
なぜマスク氏が唐突にこんな思い出話を始めたのかといえば、アップルが独自開発中というアップルカー(仮)の噂が相次ぎ、テスラ株が急速に下落したためかもしれません。このツイートに先立ち、米Reutersがアップルカーがモノセル電池など「画期的なバッテリー技術」を採用して早ければ2024年に生産を開始するかもしれないと報じていました。
マスク氏は別のツイートで、こうしたアップルカーの噂は「本当なら奇妙」であり、モノセル設計は「電気化学的に不可能だ」とコメントしています。
Strange, if true.
— Elon Musk (@elonmusk) December 22, 2020
- Tesla already uses iron-phosphate for medium range cars made in our Shanghai factory.
- A monocell is electrochemically impossible, as max voltage is ~100X too low. Maybe they meant cells bonded together, like our structural battery pack?
アップルが自動運転技術プロジェクト「Project Titan」に取り組み始めて以来、テスラとは対立関係にあり、互いに技術者を引き抜き合っていることが知られています。2018年8月にはテスラの技術統括VPだったダグ・フィールド氏がアップルに迎え入れられていますが、かたやマスク氏はアップルを「元テスラ社員の墓場」(テスラでやっていけない場合にアップルに転職する)だと呼んでいました。
今回のアップルカー報道に関し、大手金融機関モルガン・スタンレーのアナリストは、アップルのようなハイテク大手はテスラにとって既存の自動車メーカーよりも「はるかに手強い」競争相手になると分析しています。これまで歯牙にもかけなかったアップルのEV技術が大きな脅威となる可能性を帯びてきたことを、マスク氏も意識し始めたのかもしれません。
Source:Elon Musk(Twitter)
Via:MacRumors