valve

EUの行政執行機関である欧州委員会(EC)は、PCゲーム配信サービスSteamを運営する米Valveおよびバンダイナムコホールディングス、カプコン、仏フォーカス・ホーム、英コチ・メディア、米ゼニマックス(ベセスダの親会社)ら大手ゲームパブリッシャーに対し、EUの競争法に違反したとして総額780万ユーロ(約9億8000万円)の罰金を科したと発表しました。


ECはValveとパブリッシャー間に、ユーザーの地理的位置に基づき国境を越えた販売を制限する、いわゆる「ジオブロッキング」慣行があったと説明しています。同委員会は約2年前にジオブロッキングの是正を求める反対意見書をこれらの企業に送っており、それを受けて執行された格好です。

ジオブロッキングとは、Steamでいえば同じEU諸国の別の国で買った安価なアクティベーションキーが使えない、あるいは制限が掛かってキーが購入できない地理的な販売制限のこと。いわゆるリージョンロックであり、日本のSteamユーザーならば「おま国」という言葉で知られている仕組みです。

今回の措置では、パブリッシャー5社の罰金(総額600万ユーロ超)は規制当局に協力したことで減額されたとのこと。その一方でValveは協力しない方針を選んだため、全額(160万ユーロ以上)を科されたと述べられています。

これに対してValveは米Engadgetなどに、7年間に及ぶ調査期間を通じてECに協力したものの法を犯したと認めることを拒否したとの声明を発表。

そして自社はアクティベーションキーを無料で提供しており利益を得ておらず、EU域内でリージョンロックの対象となっていたのは全ゲームのうちわずか3%にすぎず、しかも2015年からECの懸念に応えてブロックを解除したこと。ただしドイツのようにコンテンツへの規制が厳しい国ではその限りではなかったことや、リージョンロック撤廃により地域によってはパブリッシャーが値上げするかもしれないなど、従来の主張をそのまま繰り返しています

ECのマルグレーテ・ヴェスター執行副委員長は声明のなかで、今回の制裁金について「EU競争法のもとでは、企業が国境を越えた販売を契約上制限することを禁止していることを思い出させるものだ」と説明しています。


日本での「おま国」はそもそもストア上にタイトルが表示されないため、「アクティベーションキーが国により使えない」EUとは事情が少し異なりますが、地域ごとにゲームの販売条件に差が付けられている事態は共通しています。今回の措置が、日本でのゲーム販売状況にもいい影響を与えるよう期待したいところです。

Source:European Commission