Facebook AI、MRIスキャン時間を大幅短縮する技術を開発。必要データ量を1/4に削減

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Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年08月19日, 午後 05:50 in Facebook
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Bernadett Szabo / reuters
Bernadett Szabo / reuters

FacebookのAI研究部門Facebook AIとニューヨーク大学ランゴーン医療センターが、磁気共鳴画像法(MRI)を用いた体内画像の取得にかかる時間を、AIを使って大幅に短縮する技術を開発しました。fastMRIと名付けたこのニューラルネットワークは、従来の1/4のスキャンデータのみで画像を取得することができます。

一般的なMRIの機械は、局所的に非常に強い磁場を生成し、体内の水分を構成する水素原子の磁気共鳴を引き起こします。そしてこの磁気共鳴の際に水素原子が発する微弱な電波を取得して画像化することで体内の様子を視覚化しているわけですが、問題は一度に磁気共鳴を起こせる範囲が小さく、何度も磁場の範囲を変えて撮像していくため、すべてが終わるのに非常に時間がかかってしまいます。

fastMRIは過去のMRI画像をニューラルネットワークに学習させているため、新たな診断用のデータを1/4に減らしても、本来取得される画像とほぼ同等の結果が得られると説明されます。

実験では、半月板の裂傷、靭帯の異常、軟骨の欠損などを含む膝の患部を撮影したMRI画像と、それを生成するのに使われたデータを1/4の量に間引いたものから生成したfastMRIによる画像を各108人分用意し、それぞれ医師にどちらがより高品質なMRI画像かを問いまた両画像によって診断結果に相違があるかを確認しました。なんらかのバイアスが生じるのを避けるため、通常のMRIの診断とfastMRI画像の診断には1か月の間隔をあけて行われました。

その結果、放射線科医師の評価には有意な差は認められなかったとFacebookは報告しました。特に、6人の医師のうち5人まではどっちがAIによる画像かを見分けられなかったとのこと。むしろ残るひとりが明らかに画像を見分けていたことが驚くべきことかもしれませんが、そのことに関して今回の研究論文を執筆したひとりLarry Zitnick氏は、そのひとりが「ノイズの量と現れ方の傾向のわずかな差を感じ取った可能性がある」と述べています。

システムは既存のMRIマシンでも動作するものの、研究は現時点では膝の部位だけで行われているため、fastMRIがすぐに医療の現場で使われるようになることはありません。研究者らは今後はMRIによる脳やその他の重要な臓器のスキャンデータを用いてfastMRIのニューラルネットワークを鍛えていくことを計画しています。

fastMRIはオープンソースプロジェクトとして開発されており、コードやデータなどを公開しています。

source:Facebook AI

 
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