Facebook Novi
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Facebookは10月19日(現地時間)、暗号通貨ウォレットアプリNoviの小規模なパイロットプログラムを米国とグアテマラで開始したと発表しました。Noviの責任者であるDavid Marcus氏によると、コア機能や、カスタマーケア、コンプアライアンスの運用などを検証するのが目的です。

Facebookによると、世界には銀行口座を持てない成人が約17億人おり、そうした人々が海外の家族に送金したい場合には、安全でない方法であったり、高い手数料を支払う必要があるとのこと。Noviにより、こうした課題を解決したいとしています。

なお、Facebookのデジタルウォレット・暗号通貨と言えば、Diem(2019年にLibraとして発表されましたが、2020年12月に改名)がありますが、NoviのパイロットプログラムではDiemではなくPaxosおよびCoinbaseとのパートナーシップにより、USDP(Pax Dollar)を利用します。USDPは3年以上にわたって運用され、規制や消費者保護に関する特性を備えたステーブルコインとのことです。

ただ、Diemを諦めたわけではなく、今後、規制当局の承認を受けたらNoviをDiem決済ネットワークに移行する予定だとしています。

しかしながら、この規制当局の承認が最大の問題かもしれません。Libra発表当初も、米政府が資金洗浄などに使われる恐れがあるとして、非常に深刻な懸念を表明。米議会も、これまでのFacebookについて「ユーザーデータの保護をくり返し無視し、慎重に取扱うことの重要性を軽視してきた」と不信感を示していました

また、米民主党の上院議員5人のグループが、最近の内部告発により変わらずにユーザーを犠牲にし利益を追求していると指摘された内容を引用しつつ、Noviのパイロットをただちに中止し、Diemを市場に投入しないことを求める書簡を送っています

Noviの広報担当者は「この書簡に対応することを楽しみにしている」と米Engadgetに述べていますが、詳細については言及しませんでした。今のところ独自の暗号通貨を使っていないので問題ないとの認識かもしれませんが、昨今のFacebookを取り巻く情勢を考えると、しばらくは紛糾するのかもしれません。