A 3D-printed Facebook logo is seen placed on a keyboard in this illustration taken March 25, 2020. REUTERS/Dado Ruvic/Illustration - RC2HUF9MXI5L
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Bloombergは15日(米現地時間)、複数の米大手新聞にFacebookがアップルを批判する全面広告が掲載されたと報じています。

その焦点となっているのはiOS 14に導入が予定されるプライバシーポリシーの変更であり、掲載誌はNew York Times、Wall Street JournalおよびWashington Postとのことです。


本広告は、「私たちはどこでも、中小企業のためにアップルに立ち向かっています」と題されたもの。主にiOS 14のデータ収集とターゲット広告に関する変更が論点となっています。

アップルはiOS 14でアプリトラッキング制限、つまり「異なるWebサイトやアプリをまたいでユーザーを追跡できるデバイス番号(IFDA)にアクセスするには、ユーザーの明示的な許可を得なければならない」仕組みを実装すると告知しました。アップルは本機能を「App Tracking Transparency」(アプリトラッキング透明性)と呼んでいます。

このATT(略称)は、Facebookの広告追跡ツールAudience Networkの有効性を大きく減じる可能性を秘めています。同ツールはIFDAを用いて広告をより正確にターゲティングし、その効果の見積もりを立てることを可能にするもの。しかしiOS 14ではユーザーが明示的に同意しないかぎりIFDAを取得しての個人識別ができなくなるわけです。

そのためFacebookはアプリ開発者の広告収入が減る恐れを警告し、アップルも大手ゲーム会社や広告主と協議したとの噂もあり、いったん2021年初めまで実施が延期されました

その後、8つの市民団体がATTの実装が遅れることに失望を表明していました。これに対してアップルはATTを批判する企業は中小企業に負担をかけると主張するが、実際の「データ軍拡競争」が主にビッグデータを持つ大企業に利益をもたらすものであると回答する書簡を送りました。

その中でアップルはFacebookの幹部らが「ユーザーの詳細なプロファイルを作って収益化するために、自社とサードパーティ製品の両方でできる限り多くのデータを収集するよう意図しており、このユーザーのプライバシーを無視する態度は、より多くの製品に拡大し続けています」とも主張しています



さて今回のFacebookによる全面広告は、要約すれば「トラッキングを無効化されることで、中小企業の売上高は60%減少する」と言う趣旨です。つまり上記アップルの「ATTに反対するのは中小企業ではなく、Facebookの利益のため」との主張とは真っ向から対立しているかたちです。

さらにFacebookは自社サイトのブログ記事でも、ATTは中小企業が収益のためにサブスクリプションやその他アプリ内購入に目を向けることを余儀なくする、として「プライバシーよりも利益のため」との主張を展開しています。

興味深いことに、このブログ記事でFacebookはEpic Games訴訟(例のフォートナイトを巡るもの)に、アップルのポリシーがFacebookと自社サービスを利用する人々や企業にどのような悪影響を及ぼしてきたかに関する情報を提供することにコミットしている、とも言及しています。これはすなわち、この件に関してEpic側に加勢すると表明していることになります。こちらの展開も見守りたいところです。

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Source:Bloomberg