富士通クライアントコンピューティング(FCCL)から、3年ぶりとなる第2世代の電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」が7月8日に発売されました。実際の紙のような感覚で、書いたり読んだりすることを目指した本端末は、最新のE Inkディスプレイを採用。CPUがパワーアップしたほか、スタイラスペンもワコムのデジタイザを採用するなど、より自然に扱える端末に進化しています。

第2世代QUADERNOはA4サイズとA5サイズがありますが、今回A4サイズをお借りできたので、さっそくレビューしていきます。本体サイズは約222.8×301.1×5.7mm、重量は約368gと非常に薄くて軽く、片手でもずっと持っていられる感覚。ただ、剛性感は弱く、プラスチック製のバインダーを持っているような感じです。

▲USB Type-C端子部分がいちばん厚く、非常にスリムなボディ。

ディスプレイは13.3型のフレキシブル電子ペーパー「E Ink Carta 1250」を採用。従来モデルよりも高コントラストになり、見やすさがアップしています。

CPUもパワーアップし、反応速度が20%ほど向上したとのこと。メニューなどのUIも刷新したことで、ドキュメントを探しやすくする工夫もなされています。

▲ディスプレイの上部中央にあるボタンを押すと、メニューが表示される。
▲ドキュメント一覧もサムネイルで見られるようになり、中身がどんなものかがすぐに分かります。

スタイラスペンは、ワコムのデジタイザ(EMR方式)を採用。従来モデルよりもレイテンシーが約30%向上したことで、ペンの追従性がよくなり、ストレスなく描ける様になっています。

また、スタイラスペンはバッテリーレスのため、充電の心配が不要。サイドボタンとテールスイッチを搭載しているので、それぞれに機能を割り当てることもできます。

QUADERNO A4

そのほか、Wi-Fiを機能搭載しているため、Wi-Fi対応の「ScanSnap」シリーズでスキャンしたデータを直接本製品に取り込むことができます。パソコンを介さずに利用できるのは非常に便利です。

▲Wi-Fiの設定画面。5GHz帯に対応。キーボード入力は設定のときだけ現れ、ほかは手書き入力。

メモリーも従来の約2倍となる22GBに。USB 2.0 Type-Cコネクターを採用しソフトウェアのアップデートは本体で行なえるようになり、使い勝手も良くなっています。

電源オフ状態からの起動には25秒ほどかかるものの、電源を切らずにスリープ状態を活用するのが基本となる製品であり、その場合はすぐに復帰できるため、起動時間は気にならないでしょう。

画面はタッチ操作ができますが、スタイラスペンを使って描く際は、手が触れても反応しないパームリジェクションがきちんと働きます。画面表面は少しザラついたノングレアタイプで、スタイラスペンを走らせると、紙に鉛筆で描いているような感触です。

スタイラスペンで描いたときの追従性は気にならないほどの低遅延で、「反応が遅い!」とストレスを感じることはありませんでした。従来モデルを触っていないので、どれほど反応がよくなったのかはわかりませんが、筆者が電子ペーパーに対して抱いていたイメージからすると、非常に好印象です。

書き換えもそれほど遅くなく、スタイラスペンで消しゴム機能をつかっても、サクサクと消えてくれます。もちろん電子ペーパー特有の残像感はありますが、許容範囲内でしょう。

スタイラスペンには、赤と青の2色で描け、黒色よりは薄い色で表現されます。資料などに赤字を入れる際に設定して描けば、相手がパソコンなどで見たときに、赤色文字で表示されます。

▲設定で、スタイラスペンで描く色を「青色/赤色」と「黒色/赤色」のどちらかを選べます。色の切り替えは、ペンのメニューかスタイラスペンのボタンに割り当てられます。

従来モデルだと、斜めの線がガタガタになっていたようですが、本製品ではそんなこともなく、実に滑らかに表現されます。描く線はベクトルデータなので、拡大しても滑らかなまま表示されます。ちなみに、拡大・縮小は一般的なタブレットの操作と同様、2本の指で閉じたり開いたりで行えますが、さすがにタブレットの操作のようにはいかず、1秒ほどで書き換わります。

表示したいドキュメントは、先述のScanSnap経由で読み込めるほか、パソコンやスマホ用アプリから読み込んだり、取り出したりが可能です。

スマホの場合は「QUADERNO Mobile App」をインストールし、本製品をWi-Fi接続しておけば、見つけて登録すると、やり取りができるようになります。送れるのはPDFファイルのみで、別のアプリでPDFファイルを「共有」などすることで、本製品へコピーします。

パソコンの場合は、「QUADERNO PC App」をFCCLのサイトからダウンロードしてインストール。USBケーブルで本製品と接続してペアリングを完了させると、その後はケーブル接続せずともWi-Fi経由やBluetoothでペアリングによって利用できます。1つ注意点としては、従来モデルとアプリが違うこと。「FMVDP51 / FMVDP41」対応のアプリをインストールしましょう。

▲パソコンの場合は、USBに接続してペアリングを行なう必要があります
▲ファイルのやり取りを簡単に行なえ、自動同期の機能も用意されています。

パソコンの場合は、同期機能が用意されていて、一定時間ごとに指定したフォルダーと自動的に同期してくれます。本製品を使って資料の閲覧、書き込み、アイデア出しなどを行なうのであれば、自動同期設定しておくとほかの人とのやり取りが楽になるでしょう。

ディスプレイはモノトーンですが、写真も階調表現されて認識できるし、テンプレートとしてノートやスケジュール帳なども用意されているので、これまで紙ベースでやっていたことを本製品に置き換えることもできるはず。もちろん、iPadのようなタブレットならカラーでアプリも使えて便利かもしれませんが、超軽くて見やすい紙のような感覚で使える本製品は、タブレットで実現するより使い続けていける気がしました。

QUADERNO A4
▲写真もモノトーンで表現されるので、ちゃんと認識できます。

しいて要望を述べるなら、kindleアプリが入っていればこれで本や雑誌が読めるのになぁと。まぁ、それなら電子ペーパーの「Kindle Paperwhite」を買えって話ですが、PDF以外も読み込めるようになるとさらに便利だと思いました。なお、富士通公式のWEB MARTでの価格は、A4版が6万9800円(税込)、A5版が4万9800円(税込)です。

筆者は初期のころの電子ペーパーしか触ったことがなかったので、ここまで進化していたのかと今回使っていて感動しました。このくらいのレスポンスがあれば、十分使えるでしょうし、文字ベースの手書き入力デバイスとして活用したいですね。