Andrew Rich via Getty Images
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脳に電極を埋め込んでコンピューターと接続する脳制御インターフェースは、近年急速に発展している研究分野です。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者による査読付き論文では、脳の表面に貼り付けた付箋紙サイズの電極パッドを通じた電気的コルチコグラフィー(皮質脳波記録法:ECoG)と呼ばれる技術を利用して、被験者の意思をソフトウェア変換し、コンピューター画面状のマウスカーソルを操ることができたと報告されています。

脳の信号を読み取るためには、脳組織に鋭い針のような電極を刺して行う”ピンクッション(針山)”アレイ方式があります。一方で、ECoGは非侵襲型のパッドを使用し、その時々に応じて異なる信号をキャッチします。そのため、長時間安定した情報の収集が可能となり、効果の低い信号を排除しつつ得られたデータを機械学習することで被験者がカーソルを(または首や手足を)動かそうとする意識をコンピューターへの入力に変換するアルゴリズムを開発することができました。

論文共著者のKarunesh Ganguly博士は「脳が追跡する速度よりも速くアルゴリズムが動かないようにすることで、学習を効率化できることに気づいた」と述べ「この研究によって脳とコンピューターをつなぐインターフェースを構築しようとしており、最終的に被験者はそれが自分の手や腕の延長のように感じられるようになる」としました。

当初は、毎日位置から被験者の意識と画面上のカーソルの動きを合わせるべく学習させていたものの、これでは毎日数時間を浪費するため、研究者はアルゴリズムの学習の仕方を工夫(わかりやすくいえばセーブ機能を追加)し、毎日、前日の続きから学習を継続できるようにしました。これによってアルゴリズムは被験者が接続してすぐ、まるで”プラグアンドプレイ”デバイスのように利用可能となり、すぐに大きな効果を発揮できるようになったとのこと。

今回の論文はコンピューター画面上のカーソルの操作にフォーカスしたものですが、UCSFによると、この実験の参加者は「麻痺の患者が義手や腕を操作できるようにするために設計されたECoGアレイテストの臨床試験にも登録されている」とのこと。この技術が実用レベルに至れば、今まで以上に細かい操作が可能な筋電義手や義足、あらゆる電子機器が”プラグアンドプレイ”ですぐに使えるようになるのかも知れません。

source:UCSF

via:Sky News