大手PCメーカーの富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、モバイルPCのブランドである『FMV LOOX』(エフエムブイ・ルークス)を復活させます。2021年1月の同社設立1000日イベントで打たれた伏線から約1年、ついに正式公開となった形です。

ただし、意外なのが実際の製品の形状。というのも「LOOX復活」と聞いて(事情を知る人が)想像するUMPC(超小型PC)ではなく、13.3インチの有機EL(OLED)画面を採用したWindows 11タブレットであるため。

正直、この大胆な路線変更に関しては賛否の双方が噴出しそうなところです。しかし実はこの新LOOX、機能面などを詳細に見ていくと、昨今製品がジワジワと面白くなっているFCCLのPCにあってさえ、大きく注目できる仕様となっています。

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富士通パソコン40周年企画の第一弾がキーボード「LIFEBOOK UH Keyboard」だったワケ(本田雅一)(2021年9月)


▲専用のキーボード兼用カバーを装着した状態。いわゆる「Surfaceスタイル」になります

さてこのタブレット版LOOX、FCCL側から公開されている情報は、下記の通りです。

  • 画面は13.3型有機EL(OLED)。(横長状態での)左右などはかなりの狭額縁に

  • 重量は600g台(本体のみと思われるが、詳細は非公開)

  • 合体式の背面スタンド+キーボード兼用カバーを用意

  • ペン入力対応

  • OSはWindows 11

  • 正式リリースの予定は「2022年中」

ここまででも「有機EL画面で、重量的にもiPad Proと対抗できそうなWin 11タブレット」と、ヘビーユーザーからの注目度が相応に高い構成となっています。

▲本体写真を拡大すると、USB Type-C端子の片方にはThunderboltアイコンが。この写真上で左にあるSIMカードスロットらしき装備も気になるところです

しかし、実はこれだけではありません。今回FCCL側が公開した写真には、購入する際に気になる仕様のヒントがちりばめられているのです。それらの情報を拾うと、

  • 拡張端子はUSB Type-C×2。うち1基はThunderbolt(3または4)兼用、もう1基は10Gbps対応

  • ペン入力は『ワコムfeel IT technologies』ベース

  • スマートフォン的な「ピンでロック解除する蓋」が存在(SIMカードスロットか?)

  • 専用キーボードのキー配列は“UHKB”ことLIFEBOOK UH Keyboardに準拠(当然LIFEBOOK UHシリーズにも)

といった、使い勝手に関わる点に関して、かなり強力であろう点がわかります。

▲ペンを拡大してみると、丁寧に(?) ワコムの『Feel』ロゴが背の側に。ワコムコラボと聞いて俄然気になってきた方もおられるのでは

そしてThunderboltを搭載するモデルである、ということは、CPUなども相応に強力である(そして本体価格もそれなりの高級機である)点が類推できます。

こう考えると、本モデルの想定ライバル(と価格帯)は、iPad Proや高級Windowsタブレットの代表であるマイクロソフト『Surface Pro 8』といったあたりになるのではないでしょうか。

▲高速な(ファンによる冷却機構付きの)Windowsタブレットでは、多くが天面側排気。ですが本機の天面には、このように冷却孔らしきものは見当たりません

ただし一方で気になるのは、写真で確認する限り、(横長状態での)天面側や底面側といった、冷却孔が設置されていそうな箇所が塞がれているように見える点。そのためファンレス動作の可能性もありそうです。

さて、本機のもう一つの注目点は、外観デザイン。最新世代のタブレットらしく、画面周囲の額縁部はかなり狭く、また本体のデザインも非常にシンプルに。結果として「画面の周りにはほぼ黒枠のみ」となっています。


▲正面からのビジュアルは非常にシンプル。良い意味でWindowsタブレットらしくない、とも呼べそうです

このようにタブレット版のFMV LOOXは、良い意味でiPad Proに比肩できそうなシンプルな外観と、強力な中身を備えたモデル。

正直なところ、「LOOXでタブレット」という点に関しては違和感は残りますが、製品として見た場合、十二分に注目できるだけの存在でしょう。

▲Thunderbolt端子を備えるので、当然外部ディスプレイも接続OK。外付けGPUボックスなどの接続にも期待できそうです
▲本体のサイズ感が窺える写真も。さすがに13.3インチということでタブレットとしては大柄ですが、重量的には楽に持ち歩けそうです

なお今回のプレビューは、米国で開催する『CES 2022』において、とくに注目できる製品を表彰する『CES Innovation Awards 2022』受賞発表を兼ねた形で公開されたもの。

関連リンク:

CES 2022 INNOVATION AWARD PRODUCT LOOX

言わば、同賞の選考委員などから「注目に値する」とのお墨付きを得た、ということになります。このあたりも含めて、2021年のWindows PCにおいて、また高級タブレットにおいて注目の一品となることは間違いなさそうです。