お値段40万円。サファイアガラスを使った高級ケータイ「FORMA」登場(山根博士)

スマホ時代だからラグジュアリー路線のフィーチャーフォンが求められる

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2020年06月13日, 午前 06:15 in Android
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MobiadoFORMA

6月9日、Mobiadoブランドで高級スマートフォン・携帯電話を展開しているカナダ・バンクーバーのBonac Innovation Corp.は高級携帯電話「FORMA」を発表しました。

FORMAはLTEに対応したフィーチャーフォン。チップセットはUNISOCのSC9820Eデュアルコア1.4GHz、2.4インチのQVGAディスプレイを搭載します。カメラの解像度は現時点で不明、バッテリーは1500mAhで5.4Wの急速充電に対応します。

このスペックだけを見ると取るに足らないフィーチャーフォンでしょうが、本体や仕上げはプレミアム感のある高級素材を使用しています。

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FORMAのフロント面はディスプレイから10キー部分を含む前面全体を分割ではなく1枚仕上げのサファイアガラスで覆っています。本体のフレームは316Lステンレススチール、別名「サージカルスチール」とも呼ばれる素材を採用しています。

316Lステンレススチールはクロームの含有率が高いため強度が高く、表面は不動体皮膜で覆われているため金属アレルギーが少ないのも特徴。医療機器や高級時計、宝飾品などにも使われています。FORMAはこの素材のブロックをCNCで加工し、1台1台表面を手作業で仕上げ、さらに次世代コーティング(PVC)によるハードコーティングを施しています。つまり本体は非常に強固で傷にも強いのです。

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さらに本体の上部と下部はわに革で覆われています。数字キーはモデルによりステンレス鋼からの削り出しまたはサファイアガラスを採用した球形のものを配置。素材が高級なだけではなく丁寧な仕上げで作り出された、工芸品のような携帯電話です。

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ユーザーインターフェースは非常にシンプルで、青地の背景の上に白枠のアプリアイコンが配置されるのみ。チップセットのSC9820Eは中国で「Nokia 3310 4G」などに使われれており、KaiOSにも対応します。

KaiOSであればグーグルサービスやTwitterなどのSNSアプリも利用できるのですが、FORMAのOSはAndroidベースでMobiadoが自社開発したUIを搭載しているようです。もしかするとAndroid系のアプリを入れることができるかもしれません。

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通話に徹して高級感を追及するMobiadoの製品設計思想は、ラグジュアリー端末を展開するVERTU(ヴァーチュ)と相通じるものがあります。

とはいえ金や白金など高級素材を使ったVERTUとは路線が異なるため価格は思ったよりも安めです。ベトナムの報道によるとFORMAの一番下のモデルとなる「STEEL」は6500万ベトナムドン、日本円で約30万円。「STEALTH」が7700万ドン、約36万円。一番上の「GOLD」は9000万ドン、約42万円とのこと。なお発売時期については執筆時点ではまだ発表されていません。

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Mobiadoの歴史は古く、2004年に最初の携帯電話「Professional」を出しています。航空機素材のアルミをCNC加工で削り出したボディーは剛性が高く、重量感あふれる小型のボディーは高級感を漂わせてくれました。

ちなみにスマートフォンでCNC加工ボディーを本格的に採用した製品が出てくるのはこの10年後。2013年に発売されたHTC Oneが最初です。Professionalの内部はNokiaのフィーチャーフォンをそのまま使っていました。

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2005年には硬度の高い木材「黒檀(こくたん)」をボディーに採用した「Professional EM」を投入、2008年には本体下部にアナログ時計を埋め込んだワールドフォン「Professional 105 GMT」を出すなど、プレミアム・ラグジュアリーフォンとしての独自路線を突き進みます。

2009年にはノキアのSymbianスマートフォン「E71」を金属ボディーとサファイアガラスで覆った「Grand 350 PRL」を投入。Mobiadoの端末は一貫して丸い円形の数字キーを使っていますが、この製品ではQWERTYキーボードもすべて同じ丸いキーにしています。そしてその後も「木目金」を使った端末などを次々と発表していきます。

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2011年に発表したコンセプトフォン「The CPT002」は完全透明なボディーを採用。当時は夢の製品でしたが、今ならば数年で実現できそうな気がします。なおコンセプトのため実機は出ていません。

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フィーチャーフォンからスタートし、その後いくつかスマートフォンも展開したMobiadoですが、2017年にはiPhone 7/7 Plusをベースにした「THE GRAND7 COLLECTION」を投入。金などを使ったボディーの高級機でしたが、このころはiPhoneのカスタムボディーを出すメーカーがいくつか現れており、大きな差別化はできなかったように記憶しています。

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さてその後は目立った動きをしていなかったMobiadoですが、1年もたてば旧モデルとなってしまうスマートフォンの高級化からはいったん退くことを考えたようです。

今回発表されたFORMAは1年から数年で買い替えるスマートフォンとは別に、通話用そして「見せる」アクセサリとして長年持ちつづけることを考えて作られた端末といえるでしょう。

方向性は異なるものの、デザインプロダクトを輩出するスイスのPunkt.の4Gフィーチャーフォン「MP-02」のように、デザインや素材に価格の価値を見出せる端末はスマートフォン全盛時代の今だからこそ求められる製品かもしれません。ちなみにMP-02の日本での価格は4万円台、通話端末として考えるとかなり高価と感じるのが一般的な感覚でしょう。

Mobiadoは目立った広告展開も行っていませんし、販売国も多くありません。それどころかMobiadoの過去製品も実物を見かけることは非常に困難です。あらゆる情報がネットで入手できる現代においても、本物素材の製品として知る人ぞ知るブランドに留まる道を選んでいるのです。

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