Fabian Hamacher / Reuters
Fabian Hamacher / Reuters

Foxconnこと鴻海科技集団が10月18日、創業者テリー・ゴウ(郭台銘)氏の誕生日に合わせて開催されたイベント「Hon Hai Tech Day 2021」で、電気自動車のプロトタイプを発表しました。セダン、SUV、そしてバスの3タイプをラインナップし、セダンは数々の名車を手がけてきたピニンファリーナがデザインし、プロトタイプの製造は台湾の自動車メーカーYulon Motor(裕隆汽車)とFoxconnの合弁会社Foxtronが担当しました。

Foxtronの副会長ツォ・チーセン氏は、電気自動車は5年後にはFoxconnにとって1兆台湾ドル(約4兆円)の価値を持つだろうと述べています。

3つのプロトタイプのうち、セダンは海外の複数の自動車メーカーが販売を計画中で、SUVはYulon Motorが持つブランドのどれかから2023年に発売される予定です。バスについては、台湾南部の交通会社が提携して2022年からいくつかの都市で導入されることになっています。

Foxconnは発表したプロトタイプについて、セダンは「Model E」、SUVは「Model C」、バスは「Model T」と呼称しているものの、この呼び名については他の某EVメーカーやメジャーな自動車メーカーから何らかのクレームが来そうな気も。ただあくまでプロトタイプであり、量産を前提とした設計のリファレンスモデルということなので、正式に発売されるときにはおそらく違う名前になると考えられます。

これらのEVの開発は、Foxconnが主導するオープンソフトウェアとハードウェアのプラットフォーム、MIHコンソーシアムの設計に基づいて行われました。このコンソーシアムは、従来の自動車サプライチェーンを再構築することを目標として業界標準を設定し、EVメーカーが使用するハードウェアとソフトウェアを組み合わせた「キット」を開発することで、自動車開発の時間を短縮、低コスト化を推し進めようとしています。そのため、たとえばSUVタイプのModel Cを小売りする場合の価格は100万台湾ドル(約410万円)以下とされ、内燃エンジン搭載車とそれほど変わらない、電気自動車としては手頃な価格帯になるとのこと。

ちなみに、Foxtronの設立で関わっているYulon Motorは創業70年の老舗自動車メーカーで、自社ブランドの他、台湾現地における日産やGM車の製造も受け持つなどの実績を持っています。Foxconnは今月、米EVベンチャーLordstown Motorsからオハイオ州にある工場を取得し、2022年春からのLordstownの電気ピックアップトラック「Endurance」の生産を支援、さらに電気スポーツカーを手がけるFiskarもこの工場を使って2023年後半を目標に新型EVの製造を行うことを予定してます。そのほかタイの石油・ガス企業PTTとの協力によって、2023年までにタイ国内へのEV製造工場を建設することも伝えられています。

今回発表されたEV(や、もしかすると、と噂されるアップルのEV)がどの工場で製造されるようになるのかはまだわからないものの、Foxconnによる台湾、米国、東南アジア圏でのEVの生産および供給体制は着々と整備が進んでいます。

Source:Nikkei Asia, Reuters