Cindy Ord/Getty Images
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ボットと呼ばれるソフトウェアを使い、オンラインで大量購入したチケットを高額転売していたニューヨーク州グレートネックの3つのチケットブローカーが、それぞれ約160万ドル、約150万ドル、約50万ドルの罰金を支払うことで合意、連邦取引委員会(FTC)および米連邦検事局と和解に至ったと発表されています。これは2016年施行のチケット転売規正法”Better Online Ticket Sales (BOTS)”に基づく措置です。

Just In Time Tickets、Concert Specials、Cartisimと称する3つのブローカーはボットプログラムを用いてIPアドレスを偽装、数百枚のクレジットカードを用意するなどしてチケット販売サイトのアカウント制限やアクセス制御を回避していました。

これにより、3業者はイベントプロモーターのLive Nationが開催する、エルトン・ジョンなど人気アーティストのコンサートやイベントのチケット15万5000枚以上を購入し、本来の価格よりも高額で転売、2610万ドル以上の収益を得ていました。

セス・D・デュシャルム連邦検事代行は「BOTS法違反者はファンを欺いてコンサート、劇場公演、スポーツイベントに高額な料金を支払わせる。当局は消費者に損害を被らせる欺瞞的な行為を禁ずるための努力を惜しまない」と述べています。

和解の条件として、3業者には合計3160万ドルの罰金が科せられます、しかしそれほどの支払い能力が無いことから全額支払いは猶予され、冒頭に述べたとおり合計で約370万ドル(約38億円)を支払うことが命じられています。3業者はいくつかの条件を満たせばのこりの罰金は徴収されないとのこと。

現在はコロナ禍により観客をすし詰めにするような大規模なコンサートやイベントが開催できないため、今回のチケット転売の問題は発生しにくいとは考えられますが、今回の和解はプラチナチケットをさらに入手しにくくする悪質な転売業者に対する抑止力として機能することになりそうです。

日本では2019年6月14日からチケット不正転売禁止法が施行されており、特定興行入場券の不正転売が禁止されています。しかし、一方で新世代ゲーム機や一時期はマスクなど、需要が供給を上回る人気商品を買い占め、度を越した値段で販売する、いわゆる”転売ヤー”が問題にされることが多くなっています。物欲に負けて転売ヤーから購入した人は詐欺師らの間で取引きされる(簡単にお金を出してしまう)購入者名簿に名前が記されてしまうといったうわさもあり、チケット規制だけでなくこちらにももっと強力な法的対策が必要な気がしてなりません。

ちなみに米国では人気商品の買い占めに対しても”Stopping Grinch Bots Act”と称する、ボットで人気商品を買い占める行為を禁止する法案が議会に提出され、バイデン政権での可決が期待されています。

source:Reuters, Patch