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自分の愛用するカメラとの出会い、覚えていますか? たまたま知り合いが使っていたから、家にあったから、詳しい人に勧められたから、ネットで見て良さそうだったから……いろんなきっかけがあると思います。私は富士フイルムのカメラに、2020年の9月からどっぷりハマってしまったのですが、動機は少々不純でした。

X-Pro3(Amazon) X-S10(Amazon) X-T20(Amazon) Wtulens(Amazon)

2020年の9月といえば、そうです、ソニーから新しいフルサイズのカメラα7Cが発表になりました。私はソニーの入門者用一眼レフカメラを使っていた時期があり、レンズも標準、望遠、単焦点と一通り揃えていたのですが、持ち歩く時の重さに負けた過去があります。

とくに、海外旅行に行った時。となりで友人が、リーズナブルなコンデジをサッと取り出し、気楽にパシャパシャ撮っているのに対し、私は「ちょっと待って!レンズ変えるから」だの「めんどうだから、ここは撮らなくていいや」だの、いろいろザンネンな人間になり下がってしまいました。

挫折感を味わいながらも、ボディもレンズもすべて売っ払い、その後はいわゆる高級コンデジとされるRX100シリーズ(IIIとVIIを所有)を買い求め、それでもフルサイズセンサーに憧れてRX1R(これもコンデジ!)を買い、それとリコーのGRでカメラ生活を送っておりました。軽いし楽チン。もう私はこの体制で行く! そう固く思っていました。

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α7C

世界最小フルサイズ一眼、ソニーα7Cは21万円前後、10月23日発売

が、しかし…そこに登場したα7C……え、軽いの? 小さいの? なのにレンズ交換式フルサイズセンサーなの? えええ……と軽くショック。でも、その時点での私のお財布事情はそんなに潤沢ではなく、買えないなぁ〜といじけていました。かなりいじけていました。

そんな時、ネットでふと出会ってしまったのが、ふわ〜ぼわ〜っとした懐かしいテイストの写真。なんでも、あの「写ルンです」のレンズを再利用したWtulensというパンケーキみたいなレンズで撮影した写真だというではないですか。

フィルムっぽくて、柔らかくて、α7Cが買えない傷心を癒してくれるような、優しい写り。しかもレンズ自体6000円くらいじゃないですか(笑)。なにこれ、かわいい、ほしい。でも、富士フィルムのカメラないと使えない。(AmazonではXマウント以外のWtulensレンズも展開されています)

というわけで、ひとまずWtulensで遊びたいがために、比較的お安いボディでいいやと選んだのが、中古のX-T20でした。センサーは最新型ではなかったけれど、Wtulens遊びをするだけなら、ぜんぜん全問題なし。

でも……せっかくなら、何か富士フイルムのレンズも一つ持ってみよう、合わせて買ってもα7Cとレンズを買うよりは断然安い!という、変な計算(言い訳?)をして、大変評判のいい標準レンズ(XF18-55mm F2.8-4 R OIS)も合わせて購入しました。それでも8万円台だったかな。

届いて、ガツンとやられました。まずはX-T20の質感、見た目のクラシカルな雰囲気。めちゃくちゃに素敵。少し古めの入門機なのに、こんなにかっこいいんですか?!と衝撃でした。さっそくWtulensをつけて遊びます。原宿を通りがかった時に、なんとなく撮っただけでキュンとくる懐かしさ。「ああ、もう、なぜもっと早く出会わなかったんだ」レベルで恋に落ちました。すごい、富士フイルム!

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「写ルンです」のレンズを再利用したというWtulensを装着。完成された佇まい。「写ルンです」最盛期世代として嬉しいやら懐かしいやら。
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フレアもゴーストも味方にできるWtulens。気楽にシャッターを切れる楽しさを、コンパクトなX-T20が教えてくれました。

富士フイルムユーザーまっしぐらとなる、さらなる衝撃は、標準レンズでな〜んとなく写した一枚でした。朝の軽井沢のカフェ。ほんとになんとなく撮っただけ。たぶん、X-T20とXF18-55mm F2.8-4で写した2枚目かそのくらいの写真がこちら。

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人物の肌感、洋服の麻のザラッとした質感、影の雰囲気がもたらすそこはかとない柔さ……

衝撃でした。本当に適当に撮っただけなのに、ちょっと今まで自分では写せたことのない絵が出てきたのです。「こっ これは……」と思わず絶句。当然、フィルムシュミレーションやグレインエフェクトのもたらすフィルムライクな叙情性にもやられ、APS-Cセンサーもこんなに素晴らしいんだ、と驚きました。デジタルらしい高感度バリッバリな写りではないのに、これが妙に生々しい。

そこからはもう、一気にハマり、まだ1年と経たないですが、すっかり「わたし富士フイルムユーザーですが何か?」という自意識と共に過ごしています(笑)。

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X-S10

増えましたよ、レンズも、ボディも。ボディは機動性がやたらといいX-S10(発売日翌日にゲット!)を経て、前回胸アツで執筆させていただいたX-Pro3にたどり着くまで、そう長くはかかりませんでした。

思想と外観に惚れて「X-Pro3」を購入、4か月愛用コラム

X-T20にはなかった多様なフィルムシュミレーション、柔らかいテイストのみならず、カリッとしっかりした写りもできるセンサー、最高です。レンズはやっぱり望遠は必要ということでXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS、単焦点はXF35mmF2 R WR、そのほか非純正のマニュアルレンズも何本か(総額でとっくにα7Cの購入金額を超えているのは、もういいことにします)。

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望遠レンズで撮った白鷺さん。逆光で輪郭を美しく撮るのにハマっています。仕事の合間によく公園を散歩するのですが、その時間が格別なものとなりました。

そして最近は、ついにオールドレンズにも手を染めました。入門にぴったりとウワサのSuper Takkumar 50mm F1.4です。X-Pro3に装着すると、見た目も持った感じも最高にグッときます。写りは言うまでもなく、独特の味わい。フワッとユルッと優しく奥深く。撮って出しでここまで行けてしまうと、どんどん撮りたくなります。どんどん撮れば、きっといい写真も増えるはず! そう信じて、毎日シャッターを切り続けております。

高感度で精密な絵作りが大切な場面(お仕事でもたまに)もありますが、日々の暮らしを切り取ったり、自分の想いを乗せたりするには、富士フィルムのカメラは特別です。ともに過ごす時間そのものが、宝物になるのですから。

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X-Pro3は存在そのものがフォトジェニック! オールドレンズとの相性もバッチリです。
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F1.4の明るいオールドレンズでふんわりと撮影できました。

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富士フイルムのカメラで面白いのが、なんといってもフィルムシュミレーション。一度のシャッターで3種類のシュミレーションを同時に記録してくれる機能が楽しくて便利。左から「PRO Neg. STD」「Velvia」「クラシックネガ」。
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