Touch ID
AFP

今年のフラッグシップiPhone 12シリーズは先進のA14 Bionicプロセッサや高性能カメラの搭載が好評を呼んでいる一方で、新型コロナ禍のもとで「マスク着けたまま指紋認証」できるTouch IDがないことに対して一部に不満の声が上がっています。

そんななか、アップルがiPhoneに赤外線式の画面埋込み型Touch ID、すなわち物理ホームボタンを復活させずに「ディスプレイに指を触れれば、画面下にある赤外線センサーが指紋を検知して認証」を可能とする技術の特許を取得したことが明らかとなりました。

アップルが米特許商標庁(USPTO)に承認された特許は「電子機器のディスプレイを介した短波赤外線光学イメージング,」と題されたもの。本特許では、ディスプレイ周りに光学的な指紋認証手段を実装する方法が示されています。

特許文書では、光学イメージングシステムをディスプレイに隣り合わせて配置できるが、それではベゼルが厚くなる可能性があると指摘。その代わりに画面の保護層、タッチセンサー層およびディスプレイ素子の下に配置するというアプローチです。

Touch ID

より具体的には、まず光学イメージングシステムが短波赤外線を上方向に発信し、指が画面と接触している尾根部分に光を反射。その反射光を同じシステム内にある感光素子で受光し、指紋イメージを得るというものです。

赤外線を使うメリットは、人間の目にはまったく見えないため、気が散ったり眩しくならないこと。さらにディスプレイは赤外線ではない可視光を発しているため、受光センサーは誤検出や読み取り失敗の恐れもないということです。

また特許では「ディスプレイのピクセル間領域」、すなわち各ピクセルのすき間に光を通すアイディアも記載されています。これらのピクセル間領域を通じて赤外線を双方向に透過させ、システムをディスプレイの下に置いても動作できるというわけです。

Touch ID

アップルは毎週のように数多くの特許を出願していますが、そのうち実用化にこぎ着けるものはごく一部に過ぎません。本特許も「アップルが社内で研究開発している分野の1つ」がそうであることを示すのみで、将来のiPhoneに実装される保証するものではありません。

とはいえ、過去にアップルは画面埋込み型を含む「物理ホームボタンを使わないTouch ID」関連の特許をいくつも出願や取得しています。まず2019年2月にはディスプレイの下部(水平方向の下)に音響センサーを設けた画面どこでも指紋認証特許の出願、同年12月には光学式で画面埋込み型の特許取得が判明しました。

さらに今年10月には実績ある有名リーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)が「MESA uts for iPhone」、すなわち「画面下のTouch ID」を示唆するツイートをしたこともあり。大手メディアBloombergも、将来のiPhoneは顔認証と指紋認証がどちらも搭載されると予想を報じたこともあります。

一般に新型iPhoneの開発は発売の2年前から始まるため、2021年モデルは2019年秋頃、すなわち新型コロナ感染拡大の前に着手されている可能性が高いと思われます。かつ、新型コロナのワクチンもいよいよ実用化に近づいており、いつまで感染拡大が続くのか(終わるに越したことはありませんが)、それをどこまでアップルがiPhone開発に織り込むのか不明です。

が、第4世代iPadAirでは「電源ボタンにTouch ID統合」という新たなアプローチも示されており、何らかの形でフラッグシップiPhoneにもTouch IDが戻ってくる可能性はありそうです。

Source:USPTO

Via:AppleInsider