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サムスンのスマートフォン上位モデルは外部ディスプレイに接続すると専用のデスクトップモードが利用できる「DeX」機能を搭載しています。昨年春発売の「Galaxy S20」シリーズからは、Windows PCやMacにDeXソフトウェアをインストールし、スマートフォンをUSB接続することでPCのディスプレイやキーボード、マウスを使うことができるようになりました。

最新モデルの「Galaxy S21」シリーズではこのPC接続DeX機能がワイヤレスにも対応。つまりノートPCのそばにGalaxy S21を置いて、PCのディスプレイにGalaxyのデスクトップを表示し、PCのキーボードを使って文字入力ができるというわけです。PCがあればいつでもどこでもGalaxy S21を簡単に繋ぐことができるのです。

今回はWindows 10のノートPCと、Galaxy S21 Ultraの接続を試してみました。

まずPC側にはDeXソフトウェアをインストールしておきます。次にPCとGalaxy S21 Ultraで同じWi-Fiネットワークに接続します。

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Galaxy S21 Ultraのディスプレイ上部から下にスワイプしてクイック設定を開き「DeX」を選択します。すると「テレビ/モニターのDeX」「PCのDeX」2つのメニューが表示されます。「テレビ/モニターのDeX」は外部ディスプレイにHDMIケーブルまたはワイヤレスで接続するときに利用します。今回はPCを使うので「PCのDeX」を選択します。

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ちなみにGalaxy Note20 Ultraで「DeX」を選択するとモニターに接続する項目しか表示されません。Galaxy Note20 UltraはワイヤレスでのPC接続機能をサポートしていないわけです。

なおGalaxy Note20 UltraをPCにUSBケーブルで接続すると、(初期設定では)DeXモードを使うかどうかの選択肢が自動で表示されます。USBケーブル接続時は、クイック設定から「DeX」を選択する必要はありません。このUSBケーブル接続時の挙動はGalaxy S20、Galaxy S21シリーズでも同等です。

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(左)Galaxy S21 Ultraの「DeX」。(右)Galaxy Note20 Ultraの「DeX」

Galaxy S21 Ultraで「PCのDeX」を選択すると、次の画面で同じWi-Fiに接続されているPCが表示されます。なお最初の接続の時はPCが見つかるまで2〜3分かかりました。一度接続すれば、次回からはすぐ表示されるようです。そして接続したいPCをタップすれば、Galaxy S21 Ultra、ノートPCのどちらにも確認画面が出た後、ノートPCのディスプレイにGalaxy S21 Ultraのデスクトップ画面が表示されます。

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この状態でノートPCのキーボードはGalaxy S21 Ultraの文字入力に対応、タッチパッドはマウスとして使えます。ノートPCのディスプレイがタッチパネルであれば、デスクトップのアイコンをタップするなどタッチ操作も可能です。

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アプリはGalaxy S21 Ultraに入っているほぼすべてを利用可能。Chromeを起動するとまるでノートPCを使っているかのように、全画面で表示することもできます。なおChrome画面のスクロールはなぜかタッチパネルでは操作できず、マウスかタッチパッドを使う必要があります。

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このようにGalaxy S21 Ultraで簡単にノートPCと接続ができ、大きい画面とキーボードを使い快適な操作環境を利用できます。ワイヤレスで接続していますが、アプリの動作や画面スクロールなどに大きな遅延は見られません。

なお5GHzのWi-Fi接続時でも、たまに画面をスクロールしていくと表示が乱れることがあります。2.4GHz接続ではより乱れが多発したので、Wi-Fiの接続速度が画面表示に大きく影響するようです。1-2秒で通常表示に戻るものの、使い方によっては気になるかもしれません。ちなみにUSBケーブルでノートPCとGalaxy S21 Ultraを接続したときはこのような表示の乱れは生じません。

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このあたりは実際に接続してみて、乱れが気になるならUSBケーブル接続を使うほうがいいでしょう。ワイヤレス接続は手軽につなげることとができる利便性もあるため、有線・無線を使い分けるとよさそうです。

なおブラウザのURLウィンドウに文字入力しようとすると、日本語の変換候補はGalaxy S21 Ultraの画面側に現れます。英語と日本語の切り替えもノートPCのキーボードからは行えず、Galaxy S21 Ultraのソフトキーボードを出したままにして切り替えました。SNSなどに文字入力するときも同様で、これはDeXが登場した時から変わっていません。日本語入力環境の改善が望まれます。

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ノートPCのキーボードで日本語入力しても、変換候補はGalaxy S21 Ultraのソフトキーボード上に現れる

Twitterを起動してみました。大画面で写真を挿入しながら文字入力できるのもいいものです。ただしアプリによってはスマートフォンサイズの縦長表示になるものもあるなど、すべてのアプリがマルチウィンドウで快適に使えるわけではないようです。しかし複数のアプリを並べて利用できる利便性は大きなメリットといえます。

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さてYouTubeを起動してみました。動画の再生を行ってみます。

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こちらもWi-Fiの速度が遅いケースだと表示が乱れることがあります。動画部分の表示が乱れるのではなく、画面全体の表示が乱れます。

さてDeXはPCアプリケーションなので、ウィンドウサイズを小さくすればWindowsアプリの一つとして動きます。DeX内でGalaxy S21 Ultraに保存した画像を表示。これをマウス操作でPCのウィンドウへドラッグすれば、写真のコピーができます。

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写真の転送はワイヤレス接続だからといって時間がかかることはなく、一瞬でPC側にコピーできました。他のアプリもいろいろ試してみましたが、画面が乱れること以外は遅延はあまり感じられず操作できます。

試しにMac OSにも接続してみましたが、こちらも問題なく利用できました。

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文字入力はWindows 10同様です。

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ノートPCが手元にあるなら、Galaxy S21シリーズをわざわざ接続する必要は無いという声もあるでしょう。ですがGalaxy S21 Ultraで撮った写真や動画にちょっと長い文章を添えてSNSにアップしたいときなど、ケーブルレス、ワイヤレスで接続してノートPCのキーボードを手軽に使えるのはかなり便利と感じました。

筆者はDeXをドッキングステーションが必要な最初のバージョンの時から使っていますが、クレードルやケーブルを使ってPCにつなぐのは面倒でした。しかしワイヤレスなら画面操作だけで接続できるため、Galaxy S21 Ultraを買ってからはDeX操作をよく使うようになりました。

余ったノートPCがあれば、Galaxy S21の外部ディスプレイ+キーボードとして使うこともできるのです。1万円程度で買える中古のノートPCを入手して、Galaxy S21の周辺機器として使うのもいいかもしれません。個人的にはドンキ・ホーテで売っている格安ノートPCを使った接続も試してみたいです。スマートフォンとノートPCの接続をよりシームレスにしてくれるワイヤレスのDeX機能、他のメーカーもぜひ類似の機能を搭載してほしいものです。