S21UHK

2021年1月29日、世界各国でGalaxy S21シリーズの販売が始まりました。韓国など一部の国では特定ユーザー向けにフライング販売があったようですが、正式な発売日は1月29日。筆者の居住する香港でも実はサムスンストアで予約すると前日に受け取ることができました。そうとは知らずに筆者は自分の契約するキャリアの割引(約1万8000円引き)販売で購入しましたが、今回のS21シリーズは香港でもかなりの人気のようです。29日にキャリアに受け取りに行くと4組ほどの客がGalaxy S21の引き取りをしていました。

ちなみに香港でのGalaxy S21 Ultraの価格はRAM12GB/ROM256GB版が、9698香港ドル(約13万1000円)RAM16GB/ROM512GB版が1万698香港ドル(約14万5000円)。さらにGalaxy Buds Pro(1698香港ドル、約2万3000円)、Galaxy SmartTag(238香港ドル、約3000円)が無料でもらえます。日本でもGalaxyシリーズ販売時にはGalaxy Budsなどがもらえますが、各国でこの手のキャンペーンが行われています。

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筆者が購入したのは16/512GBモデル。Galaxy S21シリーズからはマイクロSDカードスロットが廃止されたため、なるべく大きいメモリ容量のモデルを買ったほうがいいのかもしれません。特に8Kビデオや1億800万画素カメラでの写真撮影、またより使いやすくなった動画撮影機能を使うとメモリはどんどん埋まってしまうでしょう。パッケージは充電器が無くなったためスリムになりました。

6.8インチの大きい画面は「Ultra」という名をつけたモデルならでは。サムスンといえば側面をカーブさせたエッジディスプレイを採用していますが、下位モデルはフラットディスプレイになり、このGalaxy S21 Ultraも以前もモデルほどカーブはきつくなく、わずかに丸めた程度になっています。横幅が広い(75.6mm)ため、フラットディスプレイよりエッジディスプレイのほうが握りやすくなります。なお背面側の側面のカーブはより角が取れた形状で手のひらによりフィットしやすい形状になっています。

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ディスプレイ解像度は3200x1440ピクセル。リフレッシュレートは10Hzから120Hzまでの可変式で、コンテンツに応じて自動調整させることもできます。電子書籍やコミックなどを読むときはより低いリフレッシュレートにして電池の持ちをよくしよう、ということでもあるのでしょう。バッテリー容量は5000mAhありますが、2日間使ってみた感じでは、4500mAhのGalaxy Note20 Ultraと変わらないか若干持ちが悪いかな、という気もします。このあたりはSnapdragon 888を採用していることも関係しているかもしれません。

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左は60Hz固定。右は10-120Hz自動可変でWEBブラウザの表示をスクロールさせてみた

ディスプレイ埋め込み型の指紋センサーはクアルコムの新しい3Dソニックセンサーを搭載。第一世代のモデルはGalaxy S20シリーズやGalaxy Noteシリーズに搭載されましたが、他社が採用する光学式と比べて若干反応が鈍い印象でした。しかし第二世代となる新しいクアルコムのセンサーは面積が36平方ミリメートルから64平方ミリメートルに広がり、処理速度が50%高速化されています。

Galaxy Note20 Ultraなどは「指を置いて、画面に1秒程度静止させる」といった感じでタッチさせる必要がありましたが、Galaxy S21 Ultraでは指先を触れるだけですぐにロック解除されます。使ってみた印象は、反応速度は光学式と変わらなくなりましたが、感度は光学式よりまだわずかに劣る感じ。指紋の当て方によっては1度で反応せず、とはいえ2度目にはしっかり反応するので、今までのGalaxy S20/Note20よりは格別によくなっています。

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Galaxy S21 Ultraにはファントムブラックとファントムシルバーの2色のカラバリがあります。どちらにするか悩みましたが、サムスン一押しでもあるブラックにしました。このブラックは他のスマートフォンにはないマットな仕上げが特徴。サムスンによると、この色を出すのにさまざまな素材の組み合わせを試したとのこと。一番の特徴は指紋の跡が残らないことでしょう。全く残らないわけではありませんが、気になるような跡が残ることはありません。

実は買ってから2日間、ケース無しで使っているのですが、ケースをつけようと思えないほど質感がいいと感じます。もちろん落下が怖いのでケースをつけようとは思いますが、背面の高級な仕上げをうまく見せてくれるケースはなかなか無さそうです。

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ところで海外のレビュワーによると、Galaxy S21シリーズが搭載するSnapdragon 888は熱を持ちやすいとのこと。実際に使ってみると、たしかに充電中や動画撮影中は従来のGalaxyシリーズより本体がやや温かくなるな、と感じます。とはいえ過熱するわけではありません。筆者はモバイルゲームをしませんが、スマートフォンで動画の編集をよく行うので、Snapdragon 888のハイパフォーマンスの恩恵を受けそうですが、高負荷なアプリの利用によっては本体の熱上昇は気にしたほうがいいのかもしれません。Galaxyシリーズは内部に温度センサーが入っているので急激な温度上昇時はシステムをシャットダウンしてくれますが、この辺りは今後長期間使い続けて状況を見ていこうと思います。

さて一番の進化点となるカメラは側面と一体化したデザイン。カメラの台座部分も側面が垂直ではなく台形的な形状になっているため手に当たった時にGalaxy Note20 Ultraほどの違和感は覚えません。またGalaxy Note 20 Ultraのようにカメラ表面全体をガラスで覆っていないため光りの映り込みなども無さそうです。

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カメラは1億800万画素の広角、1000万画素の10倍(ペリスコープカメラ)、1000万画素の3倍、1200万画素の超広角です。10倍望遠はデジタルで100倍に対応。このうちGalaxy S20 Ultraも10倍/デジタル100倍を搭載していましたが画素数は4800万でした。単純に比べるとGalaxy S21 Ultraのペリスコープカメラの画素数は落ちますが、AIを利用したズームロックに対応。手ブレ補正を効かせるように、100倍でもブレを抑えた撮影が可能です。実際に使ってみたところ、手持ちで100倍でも狙った被写体を写すことができました。ズームロックの無いGalaxy Note20 Ultraではデジタル50倍ですがわずかな手の動きで被写体がずれるため目的とする写真を撮るのが難しかったことを考えると大きな進化です。

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超広角撮影

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1倍撮影

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3倍撮影。光学3倍なので画質は十分きれい

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10倍撮影。こちらも光学10倍で撮影されるのでしっかり撮れる

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30倍。デジタルズーム

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100倍。手持ちでも文字の部分で手振れを抑えてくれるので撮りたいところを撮影できる。画質はさすがにそれなりだ

一方、レーザーフォーカスを搭載しており、マクロカメラは無いものの近距離撮影も得意とします。最大5cmまでのマクロ撮影が可能。Galaxy S20やGalaxy Note20シリーズは望遠側にフォーカスしたカメラを搭載していたことで、物撮りはやや苦手でした。しかしGalaxy S21 Ultraは光学3倍望遠カメラも搭載しているため中距離程度の望遠も得意としており、マクロから100倍まで隙間なくいい写真を撮ることができるわけです。

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5cmまで近寄って撮影
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こちらは10cm程度の近距離。マクロ・近距離がしっかり撮れる

動画撮影では新しくディレクターズビューが加わりました。これは画面内に3つのメインカメラ、1つのフロントカメラ、合計4つのウィンドウを表示し、それぞれを見ながらカメラを切り替えて動画を撮影できるというもの。複数のカメラを用意しなくとも、Galaxy S21 Ultraがあれば凝った動画が撮影できます。また普通の動画撮影時は、設定画面を開かなくとも解像度・フレームレートとサイズを画面上からワンタッチで切り替えできるようになりました。すべての解像度で60fps撮影が可能。写真撮影機能も高まっていますが、動画機能もさらに高まり、Vlog撮影なども捗ります。なおGalaxy S/Noteシリーズは動画撮影時にUSBマイクを利用できます。

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ディレクターズビューで4つのカメラをプレビューしながら切り替え可能

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動画の解像度の変更もワンタッチで可能だ

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プロ動画モードではBluetoothマイクと本体音声のミックス録音もできる

そしてGalaxy S21 Ultraのハードウェアの大きな進化はSペンへの対応です。Galaxy Noteシリーズ用やステッドラーなどが販売しているSペン互換のスタイラスペンがそのまま利用できます。なお最近のGalaxy NoteシリーズのSペンは充電に対応していますが、これはSペンを本体のリモコン操作に使うためのものであり、手書きする際は充電機能は必要ありません。手持ちのGalaxy Note10シリーズ用のSペンを使ってみたところ、ディスプレイにSペンを近づけると自動的に認識して即座に画面タップなどの操作ができます。Samsung Notes(日本版はGalaxy Notes)に手書きした日本語をワンタップでテキスト化する機能も使えます。

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購入時にはすでに設定画面でSペンの利用が「ON」になっており、Sペンを画面に近づけるだけでショートカットメニュー「エアコマンド」の丸い円が表示され、そこをタップするとSペンで使えるメニューのショートカットがすぐに表示されるのはGalaxy Noteシリーズと同じ。ペンの使い勝手はGalaxy Noteとほぼ変わりありません。

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Galaxy S21 Ultraは本体にSペンを内蔵できないため、別途Sペンが収納できるケースが販売されますが、今回は入手は間に合いませんでした。筆者は長年のGalaxy Noteシリーズユーザーなので、早く入手したいと思っています。

まだ入手してから2日ですが、筆者は早くもGalaxy Note20 Ultraからの乗り換えを決めました。Sペンが本体に内蔵できないとはいえ、Galaxy Note20 Ultraよりわずか0.1インチ小さいだけの画面なら手書きのメモもしっかり取れますし、なんといってもカメラ性能が格段に向上しているため、Galaxy S21 Ultraがあればこれ1台で何でもできてしまう、と思えるほどです。唯一気になったのは本体重量が227gと、Galaxy Note20 Ultraの208gより約20g重くたったこと。この差は左手で本体を持ってSペンで手書きをしているときに「あれ、ちょっと重くなったな」と気が付きました。

日本では昨年モデルのGalaxy S20 Ultraは後から追加発売となりました。今年のGalaxy S21 Ultraはカの大幅な進化、Snapdragon 888 / Exynos 2100によるパフォーマンスの向上、Sペン対応でビジネスやクリエイティブシーンにも使えることから、他のGalaxy S21シリーズと同時期に発売してくれることを期待したいものです。