W225G

サムスンは10月13日に中国で折りたたみスマートフォン「W22 5G」を発表しました。SoCはSnapdragon 888、開くと7.6インチ、閉じると6.2インチのフォルダブルディスプレイを搭載し、カメラは1200万画素x3個。基本スペックや外観はGalaxy Z Fold3 5Gにそっくりですが、それもそのはずでW22 5GはGalaxy Z Fold3 5Gをベースに、中国のキャリア「チャイナテレコム」と協業して開発されたスマートフォンなのです。両者がコラボしたこのシリーズは「心系天下(Xin-xi-tian-xia)」のブランド名で発売され、本体にもそのロゴマークが入っています。

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W22 5Gの本体サイズは開いた時が158.2 x 128.1 x 6.4mm。閉じると厚みが16.0-14.4mmとなります。これはGalaxy Z Fold3 5Gと同一です。一方重量は288gでGalaxy Z Fold3 5Gの271gよりやや重め。形状は同一のようですが、W22 5Gはヒンジ部分のデザインが異なりその分重くなっているようです。

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▲Galaxy Z Fold3 5G(左)と心系天下W22 5G(右)

心系天下はチャイナテレコムとの共同ブランド製品であり、W22 5Gは中国以外で販売されません。メモリ構成は16GB+512GBで価格は1万6999元(約30万20000円)となっています。ちなみに中国のGalaxy Z Fold3 5Gの価格は12GB+512GBの構成で1万4999元(約26万6000円)。W22 5Gは2000元(約3万6000円)高い価格になっています。とはいえW22 5Gはメモリ容量が大きいこと、またゴールドのラインが入った専用品のS Penが付属することを考えると、相応の価格だと言えるでしょう。

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サムスンとチャイナテレコムはW22 5G以前にも心系天下シリーズを毎年1機種出しており、いずれも形状は「2つ折り」です。折りたたみスマートフォンになったのは2019年の「W20 5G」からで、これは「Galaxy Fold 5G」がベースでした。2020年の「W21 5G」は「Galaxy Z Fold2 5G」がベースモデルです。なおこの2機種はベースモデルのボディーデザインをかなりいじっており、本体サイズが異なるほかデザインも若干異なります。

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▲W20 5G。フレームのエッジは角を出しており、ベースのGalaxy Fold(エッジは丸めている)と印象が異なる

心系天下シリーズにこれらの折りたたみスマートフォンが採用される前は、完全なオリジナルモデルとして「閉じればスマートフォンスタイル、縦に開けば10キーの使えるスマートフォン」という2つの形状で使える製品を出していました。

心系天下初代モデル、2008年の「W699」と2009年の「W799」はフィーチャーフォンでしたが、これらも閉じても開いても使える形状、いわゆるガラケースタイルを採用していたのです。

そして2010年の「W899」で初めてAndroid 2.2を搭載したスマートフォンとなり、2011年に「W999」が登場、翌年以降のモデル名がどうなるか気になりましたが、2012年には年号をモデル名とした「W2013」がリリースされ、それ以降、2013年「W2014」、2014年「W2015」と毎年続き、2018年の「W2019」までが二つ折りスマートフォンでした。

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▲W2019までは2つ折りスマートフォン。閉じても開いても使用できた

さて心系天下シリーズは最近では30万円前後の高価格モデルとして販売されています。これは富裕層やl企業の社長、役員などをターゲットとした高級モデルだからです。たとえば昨年のW21 5Gの価格は1万9999元(約35万5000円)。ベースのGalaxy Z Fold2 5Gが1万4999元(約26万6000円)でしたから、9万円近く高い価格でした。なお両者ともにメモリ構成は12GB+512GBで同一です。

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▲約35万円のW21 5G。ベースのGalaxy Z Fold2 5Gより約9万円高い

このように過去の心系天下シリーズはあえて高価格で販売されてきました。しかし今年のW22 5Gの価格を見ると、前述したようにGalaxy Z Fold3 5Gのメモリ容量をアップしてSペンを付属させた程度の価格であり、プレミア価格とはなっていません。

サムスンはライバルメーカーの折りたたみスマートフォンが足踏みしている間に、中国国内での折りたたみスマートフォンメーカーとしての認知度を一気に高めようとしているように思えます。ファーウェイは新機種を思うように出せず、シャオミは低価格な「Mi MIX Fold」を出して折りたたみスマートフォンの価格破壊を狙いましたが、市場での評判は今一つのようです。

そこでサムスンはGalaxy Z Fold3 5Gの上位モデルという位置づけでW22 5Gを展開し、折り畳みスマートフォンユーザーを増やそうと考えているのでしょう。中国向けの製品でありGMSも搭載していないものの、海外からみてもちょっと魅力的な製品ではないでしょうか?

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