サムスンが2021年秋冬向けフラッグシップモデル「Galaxy Z Fold3 5G」と「Galaxy Z Flip3 5G」を発表しました。この2機種のうち最も注目を集めるのはGalaxy Z Fold3 5Gでしょう。なぜなら、Galaxy Z Fold3 5Gはこれまで各社から出てきた折り畳みスマートフォンの弱点を大きく改善しただけではなく、9月の登場が予想される「iPhone 13」(仮称)を一歩も二歩もリードした次世代スマートフォンと呼べる製品に仕上がっているからです。

Galaxy Z Fold3 5Gのスペックを見ると、6.2インチのカバーディスプレイ、7.6インチのメインディスプレイのサイズは、前モデルのGalaxy Z Fold2と変わっていません。しかし、開いた時のサイズは158.2x128.1x6.4mmで、Galaxy Z Fold2の159.2 x 128.2 x 6.9mmより薄くなっています。また、重量も271gでGalaxy Z Fold2の282gより軽量化。ディスプレイを開いたときに小型化し、さらに重量ダウンとなれば片手でも持ちやすいと感じられそうです。

そして開いたときのメインディスプレイは大きく進化しました。まず注目すべきはスタイラスペン「Sペン」への対応です。ペンを使わない人には興味がないかもしれませんが、Sペンが使えるということはディスプレイ表面の強度が増し、傷がつきにくくなったということを意味します。まだ実物を触っていないので何とも言えませんが、Galaxy Z Fold3 5Gは保護フィルムを貼らずとも常用できるレベルのディスプレイ表面強度を備えているかもしれません。

ちなみにGalaxy Z Fold2からメインディスプレイの表面は薄型ガラスで覆われており、Galaxy Z Fold3 5Gではより硬度の高いガラスに変更されたのではと筆者は考えます。

折り畳み式のスマートフォンは縦折り型と横折り型の2種類に分かれますが、Galaxy Z Fold3 5Gのような横折り型は「タブレットを畳んで持ち運べる」製品であり、開けばタブレットのような大画面を使えるのが特徴です。最近のタブレットはほとんどがペン入力に対応しており、横折り型の折り畳みスマートフォンでもペンが使えればビジネスユースなど利用範囲も広がります。Galaxyシリーズは手書き文字をテキスト化する機能も備えているだけに、Galaxy Z Fold3 5Gがペン入力に対応したことは大きな進化と言えます。

ペン利用はマルチタスクでも活かされます。Galaxy Zシリーズは本体を途中まで畳んで表示できる「Flex Mode」機能を搭載しています。動画を観ながら、あるいは電子会議中にメモを取る、なんてこともGalaxy Z Fold3 5Gならできるわけです。

そしてメインディスプレイは100%表示可能な完全ノッチレスとなりました。最近のAndroidスマートフォンはフロントカメラを小型の円形にしたパンチホール式としているものが増え、フロントカメラの存在は以前ほど気にならなくなりました。しかし、ディスプレイの一部が欠けていることには変わりありません。

Galaxy Z Fold3 5Gではフロントカメラをディスプレイ下に埋め込んだ「アンダーディスプレイカメラ(UDC)」を搭載。これにより7.6インチのディスプレイ全面を表示エリアとして利用できるのです。

なお、UDCの画素数は400万画素。画質は未知数ですが、ビデオ通話やビデオ会議などには十分でしょう。より綺麗な仕上がりの自撮り写真を希望するのであれば、アウトディスプレイに内蔵された1000万画素のカメラが向くはずです。

ここまででも十分な進化ですが、折り畳みスマートフォンとしては初の防水対応も見逃せません。いまや防水は当たり前な機能だけに「ようやく?」と思うかもしれませんが、今後は他のメーカーが「ディスプレイが曲がるから防水にはできない」という言い訳ができなくなります。Galaxy Z Fold3 5Gは他社製品にもプレッシャーを与える製品になるでしょう。

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個人的には背面デザインがよりシンプルになった点に好感が持てました。主張の激しかった長方形の台座デザインのGalaxy Z Fold2よりもシンプルとなり、閉じたときの最厚部分のサイズがGalaxy Z Fold2の16.8mmから16mmへと薄くなったのはこの部分の変更によるものと思われます。

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最後に気になるのが価格です。Galaxy Z Fold3 5Gの価格は1799ドル(約19万9000円)。これはGalaxy Z Fold2の1999ドル(約22万1000円)より200ドル下がった格好です。サムスンとしてはこの完成度が高まったGalaxy Z Fold3 5Gの価格を引き下げることで、折り畳みスマートフォンの利用者をさらに広げようと考えているのでしょう。

たとえば、iPhone 12 Pro Maxは128GBモデルが1099ドル(約12万1000円)、256GBモデルが1199ドル(約13万2000円)、512GBモデルが1399ドル(約15万5000円)。Galaxy Z Fold3 5Gは価格差を前モデルよりも狭めています。もしかするとGalaxy Z Fold3 5Gの価格はiPhone 13シリーズの価格に影響を与えることになるかもしれません。

折り畳みスマートフォンはまだ高価な部類ですが、Galaxy Z Fold3 5Gの登場で購入の敷居は低くなったようにも思えます。

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実際の使用に際してなにかと制約が多かった折り畳みスマートフォンも、Galaxy Z Fold3 5Gでようやく実用的なレベルの製品に達したと言えそうです。もちろん折り畳みスマートフォンはまだ誰もが使う製品ではないかもしれません。しかし、5Gの普及が進めば動画視聴や複数アプリのマルチウィンドウ利用は当たり前になります。Galaxy Z Fold3 5Gは5G時代の次世代スマートフォンとして、未来を先取りできる製品であることは間違いありません。

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