au が約16万円の Galaxy S20 Ultra 5G を数か月で発売にこぎつけたワケ

存在感が増すサムスン、5G先進性を推すKDDI

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2020年07月1日, 午後 12:15 in Galaxy
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                               Galaxy S20 Junya Ishino

KDDIが、5Gスマホとして、サムスン電子のフラッグシップモデル「Galaxy S20 Ultra 5G」を取り扱うことを発表しました。発売日は7月3日。au Online Shopやau直営店、Galaxy Harajuku、一部家電量販店などが購入先として挙げられており、「Galaxy Fold」ほどではありませんが、店舗はやや限定されるようです。Galaxy S20シリーズとしてスペックは非常に魅力的ではあるものの、16万5980円と高額になるため、欲しい人に向けて販路を絞った格好です。

Galaxy S20 Junya Ishino

▲7月3日に発売になるGalaxy S20 Ultra 5G

Galaxy S20 Ultra 5Gは、2月に米サンフランシスコで発表されたS20シリーズの最上位モデル。グローバル版の名称は「Galaxy S20 Ultra」でしたが、日本は5Gがローンチされたばかりとあって、端末名で5Gをアピールしています。以下、Galaxy S20 UltraとGalaxy S20 Ultra 5Gで表記の揺れがありますが、それぞれグローバル版、国内版を指しているとご理解ください。

端末の中身の詳細は別の記事に譲りますが、最大100倍ズームが可能な望遠カメラ(かなり荒れますが……)や、1億800万画素で1/1.33インチの大型センサーを搭載しているのが特徴。センサーサイズがここまで大きい端末は、スマホだとファーウェイの「P40 Pro」やシャオミの「Mi Note 10」など、数えるほどしかありません。カメラでブイブイ言わせていた、ファーウェイに真っ向から対抗する端末というわけです。

Galaxy S20 Junya Ishino

▲100倍ズームや1億800万画素センサーなど、カメラはキャッチーな要素が満点

Galaxy S20 Junya Ishino
Galaxy S20 Junya Ishino

▲デジタルズームの荒れは目立つものの、100倍ズームだとここまで拡大できる

ただ、あまりのスペック番長ぶりに、価格も上記のように高額になっていました。これだけのカメラを搭載しているなら致し方なしと思われるかもしれませんが、電気通信事業法改正以降、ハイエンド端末の売れ行きにブレーキがかかっている現状を踏まえると、投入するにはなかなか勇気がいります。実際、ふたを開けてみると、ドコモやauが5Gのサービスインに合わせて導入を発表したのは、メインストリームのハイエンドとも言える「Galaxy S20 5G」と「Galaxy S20+ 5G」だけでした。

Galaxy S20 Junya Ishino

▲3月に発表されたのは、Galaxy S20 5GとS20+ 5Gの2機種のみだった

3月にGalaxy S20、S20+が発表された際も、Galaxy S20 Ultraが導入されるそぶりはなく、残念に思ったことを覚えています。2月の発表会では、「大は小を兼ねる」の発想のもと、限られた時間をGalaxy S20 Ultraのチェックに割り振っていただけに、何とも残念な気分になっていました。ところが、やはり100倍ズームや大型センサー搭載は話題性があり、日本での発売を求める声は多かったといいます。

KDDIのプロダクト担当者は、「グローバル発表以降、本機に対するご要望や市場動向を踏まえて導入を決めた」と語っています。通常の端末であれば、メーカーの発表前に水面下で導入を決め、仕様などをフィックスするのが一般的ですが、Galaxy S20 Ultra 5Gに関しては、導入を決めたのが2月の発表後だったというわけです。3月に開催された5Gの発表会にこの機種がなかったのはそのためで、反響の大きさを受け、急ピッチで導入決定から発売にこぎつけたことがうかがえます。

                               Galaxy S20 Junya Ishino

▲2月の発表時も、Galaxy S20 Ultraには高い注目が集まっていた。写真はグローバル版

そうした事情もあってか、Galaxy S20 Ultra 5Gは、他のGalaxy S20シリーズとは少々扱いが異なります。先に挙げたように販路が限られていることはその1つですが、端末の仕様についても、おサイフケータイなどの国内仕様に非対応。ミリ波対応が売りの1つですが、こちらも夏以降に予定されているソフトウェアアップデートが必要になります。

Galaxy S20 Junya Ishino

▲おサイフケータイ非対応のため、当然ながら背面にはFeliCaのロゴもない

昨年のGalaxy Fold導入以降、KDDIとサムスンの距離は急接近しています。Galaxy Fold、Galaxy Z Flipに続き、Galaxy S20 Ultra 5Gも国内キャリアではKDDIが独占。Galaxy S20 Ultra 5Gと同時に発表した「データMAX 5G ALLSTARパック」よろしく、端末は「Galaxy ALLSTARパック」になっている感すらあります。

KDDIの担当者によると、「積極的に革新的なモデルを5Gネットワークでお使いいただけるよう、提案してきたい」といい、ハイエンドのGalaxyが持つ先進性が、5Gとマッチしていたことがうかがえます。端末はユーザーが手に取って体感できるものだけに、5Gの先進性をアピールするにはうってつけだった、中でもサムスン電子は、その期待に応えるラインナップを取りそろえていたというわけです。

Galaxy S20 Junya Ishino
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▲Galaxy Fold、Galaxy Z Flipと、先進モデルを立て続けに扱い、サムスンとのパートナーシップを強化しているKDDI

サムスンにとっても、5Gが立ち上がった今こそがまさにシェアを拡大するチャンスと言えます。同社はインフラ事業も手がけており、5Gのエコシステムでは中心的な立場にいます。5G対応スマホの投入も昨年からと早く、1月に米ラスベガスで開催されたCESに合わせる形で、19年に販売した5Gスマホが670万台だったことを発表。特に米国での社は高く、調査会社Counterpoint Researchが3月に発表したデータによると、米国の5Gスマホは、およそ74%がサムスン製だったと言います。

5Gの先進性を端末ラインナップでアピールしたいKDDIと、インフラ転換期に先進的なイメージをつけたいサムスンの思惑が合致したとも言えます。販路が限定されていること、また価格が高額になるため、販売台数はミドルレンジモデルと比べるとどうしても少なくなりがちですが、フラッグシップモデルでイメージを作り、ミドルレンジで数を稼ぐのはメーカーの常とう手段。Galaxy S20 Ultra 5Gのような製品をきっちり市場に投入することでGalaxyのイメージが上がれば、その効果はミドルレンジのAシリーズにも波及するでしょう。

実際、19年度通期の国内スマートフォン出荷台数シェアでは、サムスンがソニーモバイルを抜く形で、アップル、シャープに次ぐ3位に躍り出るなど(MM総研調べ)、日本市場での存在感は徐々に増しています。Galaxy S20 Ultra 5Gの発売からは、インフラの転換期に合わせ、KDDIとサムスンの双方が、攻めの姿勢になっていることが分かります。


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