Galaxy Z Flip

2020年は本当に本当の「5G元年」だったはず……。ですが筆者の心を掴んだのは4Gスマホの「Galaxy Z Flip」でした。

■5G元年振るわず

スマホ好きにとっての2020年の開始時点では、待望の1年だったのではないでしょうか。モバイルが専門のテクノロジー記者であり、一介のスマホ好きでもある筆者にとって、2020年は大きな期待とともに始まりました。

国内では5Gサービスがいよいよスタート。東京オリンピックにあわせ、5Gスマホがヨーイドンで投入され、秋にはiPhoneも5Gに対応し、いよいよ活況を呈していく……はずでした。

蓋を開けてみると、5Gの発表は幻滅とともに始まりました。世界的な感染症の流行によって、発表イベントはオンライン開催となり、オリンピックは1年繰り越しに。携帯ショップは来店予約制となりました。そして何より、サービス開始当初のエリアがあまりにも限定的だったために、5Gの高速通信をほとんど享受できない、という残念な状況です。

5Gスマホ
5Gスマホは3台を購入。左からAQUOS R5G、HUAWEI P40 Pro 5G、iPhone 12 mini。「4キャリア各1台」は叶わず
TORU ISHII

筆者は当初「2020年は5Gスマホを4キャリアで買う」を目標にしていたのですが、外出する機会が少なく5Gを十分試せないと感じたため、今年は5Gスマホは3台しか買っていません。2021年こそ、5Gスマホとの良き出会いを期待したいところです。

その一方で、思わぬ出会いもありました。2月にグローバル発表され、auがいち早く投入した折りたたみスマホの「Galaxy Z Flip」です。

■折りたためるだけ、だがそれが良い

Galaxy Z Flipは、折りたためる画面・フォルダブル有機ELディスプレイを搭載した2機種目のGalaxyスマホ。先発のGalaxy Foldは「開くと大画面、折れば細長画面」という二刀流ができるスマホですが、Z Flipにはそういった機能性はありません。基本的には畳んでも小さくなるだけ。それでいて定価は約18万円というプレミアムなお値段です。

スペックはハイエンド相当ですが、防水やおサイフケータイに対応しないなど不便な点もあります。まさに「スマホを折りたためることに価値を感じるか」だけを問われる1台と言えます。

こう紹介するといかにも玄人向けのマニアックなスマホなように聞こえますが、筆者はそれよりも「ファッションアイテム」としての作り込みを色濃く感じます。スマホが当たり前になった社会において、スマホが個性を主張するためのアイテムになるのは自然なことでしょう。

Galaxy Z Flip

折りたたんだ時のコンパクトミラーのようなスタイルや、ボディのきらびやかな色彩も、独特の優雅さはGalaxy Z Flipの魅力です。もちろん、ギミック的な楽しさもあります。

2月発売のGalaxy Z Flipは5Gには対応しませんが、5G初期のスマホと比べると薄く、軽く仕上げられています。それでいて広げた時はXperia 1を超える縦長の画面で、SNSなどを見るのも快適です。

フォルダブルディスプレイは折り目部分に凹みがありますが、正面から見るとほとんど気にならないくらいに隠れるという配慮もされています。ヒンジ部はよく作り込まれていて、滑らかに回転して自由な角度で固定できます。

Galaxy Z Flipのモノとして完成度の良さは、他にはない魅力です。ポケットから取り出してサッと広げ、側面のボタンで指紋認証をする一連の所作を滑らかにこなすだけで満足感が得られます。1年弱使った今でも、ときおり、開いて閉じての動作を繰り返して、その感触を確かめるのは愉快です。

Galaxy Z Flip

やはり価格は気になりますが、そこさえ目をつぶればGalaxy Z Flipには実用面でもデザイン性でも不満はありません。筆者にとっては間違いなく今年のベストバイの1つとなりました。

一方、この“魔性のスマホ”は、完成度が手にしたことで、「2020年は5Gスマホを4キャリアで買う」という筆者の目標は大きく修正することになりました。

……と満足していたのですが誤算もありましたので軽くご紹介します。

■誤算1:補償が5Gへの移行のネックに

筆者はauのメイン回線で4G LTE版のGalaxy Z Flipを発売日に購入し、使っています。3月にau 5Gサービスが開始されたらとりあえず契約だけでも切り替えよう……と思ったのですが、このスマホを購入したこと自体が5G移行への足かせとなってしまいました。

ネックは、有料補償サービス「故障紛失サポート」です。auで4G LTEスマホから5G契約に切り替える際に、4Gスマホの故障紛失サポートを継続できないという制約にひっかかってしまいました。もともと高額なスマホだけに、安価に修理・交換ができる補償サービスはありがたい存在です。それを解約して5G契約に移行するのはさすがに気が引けます。

結局、auのもう1回線を5G契約に移行し、Galaxy Z Flipを購入した回線は段階制のピタットプランに切り替えて節約することにしました。

■誤算2:秋に5G版が出るとは

もう1つの誤算は、Galaxy Z Flip 5Gが11月に発売されたことでした。まさか半年で5G版が出るとは……。ボディは秋冬モデルらしいブロンズカラーを採用。天面の通知ディスプレイまで含め、磨りガラス調のエレガントな仕上げになっています。オマケにCPUはSnapdragon 865 Plusへのグレードアップで、ブラウザーを開くだけでも俊敏さが違います。

また一時の気の迷いで購入しそうになりましたが、さすがに4G LTE版から買い替えるわけにもいかず、思いとどまりました。

■これからのフォルダブルにも熱視線

と購入後に色々ありましたが、2020年のGalaxyスマホからはフォルダブルに対する真剣度の高さを感じました。それはGalaxy Z Flip/Z Flip 5Gだけでなく、Galaxy Z Fold2についても言えることです。初代Foldの弱点となっていたディスプレイのチープさや外画面の小ささといった部分をことごとくカバーし、改善を進めてきました。

フォルダブルスマホは今のところ、高価格帯のファッショナブルな製品で採用がされてますが、2021年以降はより幅広い製品が登場することになるでしょう。

もし、Galaxy Z Flip 5Gの次世代機があるとしたら、120Hz駆動のディスプレイや防水対応といったよりプレミアムな機能への対応はもちろんのこと、ファッション性をさらに突き詰めた路線も期待したいところです。

Galaxy Z Flip

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Galaxy Z Flip
あのゲーム機との時代を超えた共演

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Galaxy Z Flip 5Gの形状は4G版と全く同じ。ブロンズと磨りガラスで秋らしい装いになりました

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