「ほりあてくん」というタイトルを聞いてまず「ダビデとホリアテ」という駄洒落が脳裏をよぎるのは私だけではありますまい。……私だけ?

本作「ミスタープロスペクター ほりあてくん」が発売された1999年当時においても決して新しいとは言いがたいグラフィックスと、野暮ったい佇まいの主人公「ほりあてくん」(個人の感想です)。見た目に違わず中身も地味な感じで、ひたすら鉱山に潜り、お宝を探して掘り続けるという作品だ。

偶然だとは思うが、同じく地面を掘り続けるアクションゲーム「ミスタードリラー」のアーケード版が発表されたのが同時期だというのが興味深い。

本作は単純で地味な内容だが(あくまで個人の感想です)、中毒性が高いゲームだと思う。序盤の貧弱な装備では「おじゃまっこ」と呼ばれる生きもの(?)達に邪魔をされたり、闇雲に掘り進めた結果、落盤の危機に見舞われたりすることもあるだろう。そんな幾多のピンチをかいくぐり、見事に宝箱を地上まで持って帰ることができた時のうれしさよ。中身は明けてからのお楽しみだ。

鉱山の中で見つけたお宝はアイテム帳に登録されてゆき、解説を見られるようになる。この手のゲームお得意の集める楽しみがあるというわけ。アイテムの総数は全252種類、アイテム同士を合成することで入手できる物もあるので、全てを集めるのには時間と根気が必要だろう。

当時ゲームをマンガにする仕事をしていた私は、あと1種類でコンプリートという所までプレイしたのだが、他にも沢山のゲームをプレイしてネタを考えなくてはならず、やむなく本作を中断し、それっきり今も中断したままなのだ。

「ほりあてくん」はアイテムを装備することで、体力や肺活量のパラメーターを上げられ、より難度の高い鉱山に潜れるようになるという成長があるのが楽しい。

装備を身に付けた画像も確認できるのだが、ゲームに没頭している真っただ中においては、少しでもパラメーターが上がることが喜びなので、どんなに怪しいファッションが完成しようとお構いなしなのだが、冷静に考えると「ナースの白衣」に「バニーガールの耳」や「紋付はかま」を装備して鉱山に潜る姿はどうかしていると言わざるを得ないし、

鉱山に埋まる宝箱の中に「ナースの白衣」が入れられていた

という事実にも、色々な思いを巡らせざるを得ない。

これは私だけの特性なのか、あるいは他にも同じような嗜好の方がいるかは定かではないが、どうもダンジョンをチクチク地道に攻略するタイプのゲームには、止め時を見失い、ハマってしまう傾向にあるようだ。

昔から大好きなシリーズである「風来のシレン」や、最近プレイしている「ダンジョンエンカウンターズ」もドンピシャではまりまくり、仕事がある大人としての理性総動員で止め時を模索する毎日なのである。

そういえば「ダンジョンエンカウンターズ」も最新のゲームでありながら、美麗なムービーやイベント等を一切そぎ落とし、シンプルなシステムのみで突っ走る硬質なゲームなのだが、当時の「ほりあてくん」の有り様は、そこに通じる物があったのではないかと思う。

そして良いゲームという物はグラフィックス等に左右されずにシステムやシナリオさえ良ければ普遍的に楽しめる物なのだろう(個人の感想です)。


うえけんWiki

上野 顕太郎(うえの けんたろう、1963年4月18日 - )は、かなりアナログな漫画家である。デジタルなEngadgetとの接点は編集長が20年前、ゲーム誌編集者であったとき連載を担当したからと言われる。よく使うフレーズは「暇だからな!」......というわけで、かつてプレイした方もいるだろうマニアックなゲームを掘り起こし、あの当時を偲んでいただきます。


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