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中国のゲーム会社miHoYoが開発した「原神(Genshin Impact)」はPS4/Nintendo Switch/PC/iOS/Androidでプレイできる基本無料のオープンワールドRPGです。

本作はリリース前後に「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(BotW)」からの盗用疑惑や、スパイウェア疑惑といった騒動で、炎上傾向にありましたが(※)、リリースから約1か月経った現時点では人気を博しているようで、約100億円の制作費を僅か数週間で回収したことが話題になるなど、好調さが伺え知れます。

(※騒動に関しては、スパイウェア騒動に関しては公式が否定しています)。また、BotWの盗用疑惑に関しては、過度なリスペクトが批判に繋がったという側面が強く、プレイするほどBotWとは異なったゲームだと理解できます)

そんな本作ですが、本作はオープンワールドRPGということもあってボリューム満点。美麗なグラフィックと個性豊かなキャラクターが魅力的なのに加え、戦闘システムも操作はシンプルながら、属性のシステムが奥深く、普段あまりこの手のRPGを遊ばない筆者でも充分に楽しむことができました。因みに、今回筆者はPC版をプレイしました。

関連リンク:原神(Genshin Impact)

■広大なフィールドが魅力のオープンワールド

さて、本作では「テイワット」と呼ばれる世界を旅することになります。主人公(通称、旅人)は異世界からきた双子の兄妹の片割れ。オープニングでプレイヤーが選んだ性別のキャラクターを操作することになります。選ばなかった方は冒頭で行方不明となり、主人公はマスコット的なキャラクター「パイモン」と共に、彼(彼女)を探す旅にでることになる、というのがメインストーリーの大まかな筋書です。

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美麗なグラフィックで描かれる「テイワット」。フィールドはとにかく広く、アクションを駆使すれば大体のところには行けます。高所に行けば絶景が見れることも
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本作のマスコット的なキャラ、「パイモン」。ファンアートの多さからも人気が伺えるキャラです
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舞台となる「テイワット」はとにかく広大ですが、目に入る場所には、ほぼ行くことができます。崖の上なら壁を上り、湖のむこうなら泳ぎ、高所からは「風の翼」を用いて滑空し……といった風に、アクションを駆使してフィールドを自由に探索できるのが魅力です。

尚、ダッシュや滑空、クライミングといったアクションはスタミナを消費します。スタミナは切れたら回復するまで待つ必要がある他、空中で切れた場合は落下し、ダメージを受けることになるので注意が必要です。

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高所からゆっくりと滑空すれば、遠くまで行くことが可能です
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クライミングは崖や建物など様々な場所で利用することになります
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「テイワット」の各地方は元素(属性)を司る神が統治しており、その元素に準じたマップが各地方では広がっています。現在解放されているのはスタート地点である「モンド」は風元素の土地で、緑が広がり、穏やかな風が吹く中世ヨーロッパ風のマップ。次に訪れる「璃月」は岩元素の土地で、山脈や石林が目を引く中国風のマップとなっています。

尚、現在解禁されているマップはこの2つだけですが、今後のアップデートで新エリアも解放される予定とのことです。

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モンドは最初に訪れるマップ。ここで基本となるアクションやゲームの流れを把握することになります
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璃月はいかにもな昔の中国風マップとなっています
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■任務をこなしながらマッピング

この広大なマップを冒険するに当たって重要になるのが「七天神像」とワープポイント。「七天神像」は話しかけることでマップが解放される他、ファストトラベルに用いたり、マップに散らばる「失われた瞳」を奉納してスタミナを強化したり、体力の回復をしたりできるスポットで、探索には必須となる場所で、ストーリーを進めれば主人公の元素を変更することも可能です。

一方のワープポイントは各地に存在するファストトラベルに利用する拠点で、七天神像の機能はありませんが、広大なマップをストレスなく移動するには必須となる存在です。

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重要な拠点となる七天神像。周囲のマップを解禁する他、マップに散らばる「失われた瞳」を奉納してスタミナを強化することもできます。ファストトラベルにも使えるので真っ先に訪れたい場所です
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本作はメインストーリーやサブクエストをクリアしていくことで進行していき、クエスト達成でアイテムや経験値といった報酬を貰うことができるシステム。クエストをこなしながら、マップ上のワープポイントを周りファストトラベルの拠点を解禁しつつ、周囲を探索して食材や素材を得たりする、というのが大まかな流れになります。

本作は探索で得られるものも多く、道中にある雑魚敵ポジションの「ヒルチャール」の拠点を殲滅すれば宝箱が貰える他、的当て等のミニゲーム的なチャレンジや謎解き、「精鋭」と呼ばれる強敵の討伐など、できることが膨大に存在します。

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ヒルチャールの拠点を落とせば宝箱が開けられます
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マップは広大ですが、丁寧なナビ機能がついているので寄り道をしても迷うことなくプレイ可能です
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■冒険ランク・世界ランクが寄り道のモチベーションに

本作の重要な要素が「冒険ランク」の存在。メインストーリーや一部のサブクエストを進行するためには、この冒険ランクをあげる必要がある他、キャラクターのレベル上限突破などの解禁にも関わってきます。

冒険ランクの上昇に必要な「冒険経験」はクエストの達成の他、ダンジョンの攻略やワープポイントの解禁、宝箱を開けることでも入手可能です。また、ある程度冒険ランクを上げるとデイリー依頼を毎日受注できるようになり、これをこなすことで効率的に経験値を稼ぐことができます。

冒険ランクを上げなければメインストーリーを進めることができなくなるので、どこかでマップを探索する必要が生じることになりますが、これを「寄り道や探索のモチベーションになる」と捉えるか、「解禁されているストーリーを一気に進めていきたいので不要」と捉えるか、賛否両論あるシステムでしょう。

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冒険ランクはあげるだけでも報酬がもらえます
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冒険ランクを一定まで上げると、「世界ランク」が上昇します。世界ランクが上昇すると敵が強くなり、その分ドロップ報酬も豪華になっていきます。世界ランクの存在によって、デイリーミッション、収集要素のコンプリート目的等で探索済みエリアを再び訪れた際に、「敵が弱すぎて倒す意味がない……」といった風にならずに済みます。逆に言えば「雑魚的が固くなるのが嫌」という人には好ましくなく、こちらも意見が割れるシステムと言えるでしょう。

しかし、本作がオープンワールドということを踏まえると、寄り道や探索に重きを置いた冒険ランクや、世界ランクといったシステムは、本作のゲーム性とマッチしているように感じますし、今後新たなエリアや要素が解禁されていく中で、魅力的なシステムになっていくのではないかと思います。

■「元素」が重要となる戦闘システム

さて、気になる本作の戦闘システムですが操作自体はとてもシンプルです。ワンボタン(PC版では左クリック)で通常攻撃が出て、連打すればコンボが繋がります。また、ボタンを長押しすれば「重撃」と呼ばれる吹っ飛ばし攻撃を繰り出すことができます。

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ワンボタンで攻撃、連打でコンボ、長押しで重撃と基本操作は分かりやすいです
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また、各キャラクターは「元素スキル」と強力な必殺技である「元素爆発」というスキルをそれぞれ1つずつ保有しています。どちらもキャラクターによって様々な効果があり、攻撃や回復スキルは勿論、囮となる人形を投げたり、シールドを貼ったりするものも存在。どちらもワンボタンで出すことが可能です。

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主人公、風元素の元素スキル
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主人公、風元素の元素爆発。巨大な竜巻を巻き起こします
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「元素スキル」「元素爆発」は名前の通り、元素=本作の属性を用いたスキル。また、元素同士が組み合わさって発生する効果を本作では「元素反応」と呼んでおり、これを用いた攻防が本作の戦闘の肝であり、複雑な部分となっています。

元素は炎・水・風・雷・草・氷・岩の7種類が存在しており、互いに影響しあいます。例えば、「氷属性の敵には炎が有効」なのは間違いありませんが、本作では敵に元素を纏わせることが可能。例えば氷元素で攻撃すれば敵は氷元素を纏った状態になり、炎元素で攻撃して大ダメージを与えることができるようになります。

元素反応にはは大ダメージを与えるタイプのもの以外も存在。例えば炎元素に風元素のスキルをぶつければ拡散し、炎の範囲攻撃を繰り出せます。水に濡れた敵を雷元素で攻撃すれば感電しダメージが増えますし、氷元素で攻撃すれば「凍結」し、少しの間自由を奪うことが可能です。

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敵の持っている木製の盾は、炎を当てれば焼けこげます。また、敵の集団に対して元素反応が有効になる場面は多いです。画像では炎に風元素を打ち込み拡散させています
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元素反応は天候やフィールドに設置されたオブジェクト、自然環境でも有効となっています。例えば、雨が降っていれば自分も敵も濡れた状態になり、雷元素の攻撃を受けたら感電しますし、フィールドに設置された焚火に風元素を打ち込めば拡散します。

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他にも、フィールドにある湖や池といった水は、氷元素を打ち込めば凍り、歩いて渡れるようになるなど、戦闘以外でも役立つシーンも存在
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こんな風に、元素がどう反応するかは様々で、全てを把握するのには時間がかかりますが、ゲームの序盤から至るとことで元素を用いることになりますし、敵も元素関連の攻撃を繰り出してくるので、暫くプレイしていれば自然と覚えることが可能です。

■キャラクターを切り替えながら元素反応

また、仲間キャラクターが増えていけば最大4人のパーティを組んで冒険できます。キャラクターの切り替えはクールダウン中や被ダメージ中等を除けばいつでも可能。仲間はそれぞれ固有のスキルを有しているほか、武器や攻撃モーションを異なっており個性豊かです。

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最初に仲間になる「アンバー」は炎元素を扱う弓使い
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キャラクターにはスキルで繰り出せる元素が1つ設定されているので、戦闘中にキャラを切り替えながら戦うことで元素反応を能動的に起こすことが可能です。1人目の水元素キャラで水をばら撒き、2人目の氷元素キャラで凍結、3人目の風元素キャラで拡散させる、といったコンボも可能です。こういったコンボができると爽快感があり、かなり気持ちがいいです。

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キャラを切り替え元素反応でコンボを繋いでいくのが本作の戦闘で一番の楽しみ。画像では上述の、濡らして凍らして拡散、というながれを行なっています
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因みに、キャラクターにはパッシブスキルが存在し、戦闘に役立つも以外にも、スタミナ消費率を下げてくれるなど探索に便利なものもあります。また、同じ属性のキャラを2体パーティに組み込むか、全て違う属性で組むことで「元素共鳴」と呼ばれるボーナスも得ることができます。これらを考えながら、状況に合わせてパーティーを君変えていくのも本作の楽しみです。

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パッシブには様々な物が存在します。探索時はスタミナボーナスのキャラをいれたいところ
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元素共鳴というボーナスも存在。元素の組み合わせで効果が変わる
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■ガチャはやや厳しめだが、クリアできない難易度ではない

さて、本作はストーリーの進行で一部のキャラクターが手に入る他、祈祷(要するにガチャ)で手に入るのですが、正直に言ってしまえばガチャは「渋い」です(制作費の高さを考えれば仕方がないのかもしれません)。祈祷ではキャラクター以外にも武器を入手可能……というより、「武器の中にキャラクターがいればラッキー」レベルの渋さです。

もちろん、ガチャを引かなくてもクリアできる難易度のゲームではありますが、一部ギミックの攻略には特定の最高レアリティキャラがいると便利だったりすることもあり、筆者としては改善してほしい部分ではあります。

また、手に入れたキャラクターは経験値を得られるアイテムでいつでもレベルアップが可能。入手して直ぐにレベルを上げ、即戦力として使用することができます。また、同じキャラをガチャで引いた場合には重ねて強化することもできます。

他にも前述の武器に加え「聖遺物」と呼ばれる装備品の概念も存在。これらのアイテムは素材を使っての強化や合成が可能です。

■不満点もあるが、無料で遊べるRPGとしては充分

ガチャや装備の合成等の要素はソーシャルゲーム的ですが、他にもログインボーナスの存在や、期間限定イベントなどの要素も存在します。

また、本作にはオンライン機能も搭載されており、他のプレイヤーと遊ぶこともできますが、現状ではダンジョン攻略とデイリー任務ができるだけで、コンテンツ不足と言わざる負えません。友人と一緒にプレイするのは楽しかったので、今後の拡充に期待したいです。

とはいえ、記事内でいくつか挙げた不満点を吹き飛ばす程度には、本作はよくできたゲームです。リリース直後から充実したマップと探索要素が存在し、元素周りの戦闘システムは面白い。これほどのボリュームのゲームを無料で遊べることには正直驚きました。

ただ、注意点として、ソシャゲ的な要素を取り入れてはいますが、本作は暇つぶし感覚で遊ぶには少し重たい、メインゲームとして毎日がっつりとプレイするゲームという印象です。

本作はハード間でのクロスプレイが可能で、PCのデータをスマートフォンでも遊ぶことが可能となっていますが、スマホの電池の消費量や、熱が気になるところ。一応、デイリーミッション程度ならば外でもプレイ可能ですが、個人的にはあくまでメインはPCや据え置きハードでプレイ、サブで携帯端末で遊ぶのをオススメします。

長くなりましたが、「原神」は話題になっているだけあって、基本無料とは思えないクオリティのゲームになっています。今後のアップデートでストーリーも進行しますし、マップやキャラクターも追加されていく予定なので、そちらに期待したいところです。息の長いゲームになる可能性も十二分にあるので、未プレイの方は一度触ってみてはいかがでしょうか。少なくとも、普段RPGをあまりプレイしない筆者でも充分に楽しめるゲームでした。

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