ソニー「VLOGCAM ZV-1」をじっくり検証、やっぱりココが気になる

早くも次モデルが気になります

くんこく(Kunkoku)
くんこく(Kunkoku)
2020年07月18日, 午後 05:00 in VLOGCAM ZV-1
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VLOGCAM ZV-1

ビデオブロガー向けとして新たに登場したソニーのデジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」。

発表とともにYouTuberたちのレビューが一斉にアップされたのを知っている人たちも多いはず。

近年、同社のコンパクトデジタルカメラ「RX100VII」や「RX0II」、デジタル一眼カメラαシリーズなどでも、動画推しなプロモーションが多くなっているのはそれだけ動画需要が多くなってきたということでしょう。

スマホさえあれば写真にとどまらず、動画もカンタンに撮れてすぐにYouTubeやInstagramにアップできる一方で、クオリティを追求すると専用カメラで撮りたいという欲求も出てくるのも事実。

あえてVLOGCAMと称して出てきたこのカメラを、試してみました。

VLOGCAM ZV-1

「VLOGCAM ZV-1」の外観はRX100シリーズとそっくりというかほぼ同じ。

左が「RX100VII」で、右が「VLOGCAM ZV-1」。

遠目にみるには判別がつきにくいくらい変わらないスタイルです。

実際に手にしてみると、金属管マシマシでエッジとフラットな印象のRX100シリーズと違い、丸みを帯びたデザインになり樹脂素材になっていることに気づきます。

小さいながらもグリップがあり、軽さもあいまって持ちやすいという印象です。

VLOGCAM ZV-1

そして、大きく違うのは、カメラの上の面。

RX100シリーズでも動画は撮れましたが、あくまでもメインは静止画撮影。

ファインダーやフラッシュ、モードダイヤル、シャッターボタンが主役となっています。

それに対して、「VLOGCAM ZV-1」は、動画撮影に特化したということもあって、マイクとマルチインターフェースシューがドンと中央にあります。

モードダイヤルは押しボタン式になり、録画ボタン、カスタムボタン(C1)が大きく押しやすくなっています。

RX100シリーズに備わるコントロールリングもなくなっています。

VLOGCAM ZV-1

さて、「VLOGCAM ZV-1」は何が得意なのか。

その一つは、本体上面にかなりのスペースをとっているマイクです。

中に指向性をもった3つのカプセルマイクが入っていて、しっかりとカメラ前方の音声をひろってくれます。

イマドキのカメラに限らずスマホでも4K画質の動画が撮れるようになったものの、内蔵マイクについてはそこまで高性能なものはなかなか搭載されていません。

VLOGCAM ZV-1

オマケにウインドスクリーンを付けることも出来るので、風切り音を防ぐことまで考えられています。

動画を撮る際に音声はとても重要で、とくに風の吹く屋外撮影では、こだわる人たちは皆ウインドスクリーンのついた外付けマイクをわざわざ付けています。

「VLOGCAM ZV-1」は、最初からそなわった内蔵マイクで良質の音声が収録できるというのは非常に大きなアドバンテージ。

VLOGCAM ZV-1

そしてもうひとつが、横開きで回転機構を持つ可変式の「バリアングル液晶モニター」。

180度の回転可動域があるので、自撮りのしやすさはもちろん、ハイアングルでもローアングルでも撮りやすい体勢で撮影できます。

ちなみに、液晶モニターの開閉に連動して自動的に電源がオンオフになるので、ワンアクションで撮影に挑めるしバッテリーの消費を少しでも抑えることができます。

クルッと回して閉じれば、液晶ディスプレイを簡易に保護するなんてワザも使えます。

前面には、大きな録画ランプもあるので、録画していることがしっかりと判別でき、撮り忘れを防げるのも気が利いているポイント。

「VLOGCAM ZV-1」

動画撮りとしてとても優秀な機能として「リアルタイムトラッキング」と「リアルタイム瞳AF(人物)」というものがあります。

画面上でフォーカスしたい被写体にタッチすればそのまま捕捉し続け、人物であれば動画撮影中でも瞳にピントをあわせ続けてくれるので、あとは自分は映像表現に集中するだけ。

わずらわしさから開放されて、撮影を楽しめます。

動画撮りにはなくてはならない手ブレ補正も健在。

光学式と電子式を組み合わせた「アクティブモード」をオンにすると、手持ちで歩き撮りをしてもかなりブレを抑えた安定した映像を撮影できます。

とはいえ、さすがに激しく動くとブレを防ぎきれないので、アクティブな撮影をするときはジンバルに頼ったほうが良さそうです。

「VLOGCAM ZV-1」

さて、そういったスタンダードな動画機能とは別に、VLOG撮影に特化して、非常にわかりやすい機能があるのが「VLOGCAM ZV-1」のおもしろいところです

従来のカメラにありがちな”シチュエーションにあわせてカメラの知識を設定をいじる”というよりも、”やりたい事にあわせてボタンを押すだけ”のシンプルさを追求したという感覚。

わかちゃいてもめんどくさいだとか、うっかり忘れてたといったミスを減らせます。

「VLOGCAM ZV-1」

まずその一つが、「背景ぼけ切り替え」ボタン。

背景をぼかして撮りたいと思ってすぐに「絞り(F値)」、「焦点距離」、「撮影距離」、「背景との距離」を組み合わせてとわかる人は、正直カメラが好きもしくは趣味な人。

一般に意識して知ろうとしないと「「絞り(F値)」を開放で撮るか絞って撮るかでぼけ被写界深度を狭めたり広めたり、ということはなかなか理解が難しいかもしれません。

それじゃあワンボタン押すだけでボケを作れるよというのがこの「背景ぼけ切り換え」ボタンになります。

「VLOGCAM ZV-1」

ボタンを押すと、背景がふんわりとぼける「背景のボケ:ぼけ」、もう一度押すと自分と背景までしっかりくっきりと映る「背景のボケ:くっきり」に交互に入れ替わります。

実際に、カメラは何をしているかというと、絞り値を開放値(最大F1.8)、F5.6に固定といった具合に切り替えていますが、使っているユーザーは気にすることなく、ワンボタンで背景のボケを瞬時に変えられるのでとても楽です。

シンプルに考えても、絞りを変えるにはダイヤルをグルグルまわすという手間を省いて、ポンポンと変更できるだけでも撮影現場では直感的で役に立ちます。

「VLOGCAM ZV-1」

二つめが、自分の手元にあるアイテムを紹介するレビュー動画を撮る場合、よくあるのがアイテムに合わせたいのに顔のほうにピントがあってしまう現象。

アイテムの後ろに手のひらをかざして、顔を隠してアイテムにピントを合わせているという光景はYouTubeでもよくみます。

そんなときに便利な機能が、「商品レビュー用設定ボタン」です。

「VLOGCAM ZV-1」

「商品レビュー用設定ボタン」を押すと、「顔・瞳検出」がオフになって顔を追従しなくなり、アイテムを手前に強調してもスムーズにピントが切り替わり。

本来、カメラ機能として、撮影時に主役となる顔にピントをあわせる機能が優先されているだけなので、メニューを開くなりしてその機能をオフにすれば良い話なのですが、それがめんどくさい。もしくはよくわからないからそのまま。

それをワンボタンで解決してくれるという意味では、とても気が効いてます。

「VLOGCAM ZV-1」

他にも、撮り歩いていると、これはいい!と思った機能。

逆光時や、明るい場所から暗い場所に急に移動したときの明暗差が激しいときでも、「顔優先AE」が顔を認識して自動的に露出を調整。

周囲の明るさが変わるとカメラ側で変更してくれるため、撮リ続けて気づいたら自分の顔が真っ暗のまま録画されていたというアクシデントを回避できます。

そして、改めてありがたさを知ったのが、目元や口元のシワやしみを3段階選んで軽減してくれる「美肌効果」。

オッサンには美肌効果なんて関係ないでしょと思いがちですが、そんなことありません。

動画に自分の顔が晒されることを考えると、少しでも見栄えがよく映っていることが視聴者への配慮というもの。

静止画であれば後から補正できなくもありませんが、動画となるとほぼ不可能に近いことを思えば「美肌効果」は積極的に使ったほうが良いでしょう。

「VLOGCAM ZV-1」

活用幅として嬉しいのは、2020年7月に公開される予定のPCソフトウェアを利用して、“パソコンにUSBで接続してウェブカメラとして使うこともできる”こと。

テレワーク需要もあって、手持ちカメラをウェブカメラとして使うというのがトレンドになったので、それにやっとソニーものっかったかたち。

背景ぼけのある印象的な映像や、顔を明るくする「顔優先AE」といった機能をそのままウェブカメラとして利用できるのであればぜひやってみたいところです。

「VLOGCAM ZV-1」

ただし、手放しに素晴らしい!というわけではなくて「VLOGCAM ZV-1」を使っているといくつか不満点もでてきます。

背景をたっぷり入れて撮るには24mmの焦点距離だとちょっと狭く感じてしまい、がんばって全体が入るように手をのばすこともしばしば。

16mmもしくは20mmくらい、もうすこし広角だとよかったかなと。

「バリアングル液晶」は使いやすのですが、自撮りしてるとカメラの背面にあるボタンの操作がしずらい。

せっかくのタッチパネルなので、画面をタッチして機能を操作したい。

「VLOGCAM ZV-1」

それから、バッテリーの消費が異常に早いこと。

静止画撮影なら気にならなくても、動画撮りにもなると常時撮影し続けることもあってすぐにバッテリーがなくなる感が否めず。

本体サイズのコンパクトさからすると、大容量のバッテリーは内蔵できないのは仕方ないとして、予備バッテリーは1つか2つは欲しいところ。

モバイルバッテリーをつなげば給電も充電もできるので、長時間撮影する場合はこうした予備グッズも持っていったほうが安心できそうです。

「VLOGCAM ZV-1」

あと、インターフェイスがいまだにUSB Type-CではなくてMicroUSBだということ。

同社のカメラ系の周辺機器との接続端子がMicroUSBで残っているというのもあるとはいえ、今さらMicroUSBケーブルを持ち出さないといけないのは苦痛以外の何物でもなく。

最新モデルならUSB Type-Cにして欲しかった。

「VLOGCAM ZV-1」

確かにツッコミどころはいくつかありますが、VLOG撮影カメラとしてはとてもよく出来ています。

動画を撮るうえでとても重要な音声収録をしっかり重視していること。

また、撮りたい被写体を画面でタッチすれば、正確かつ高速にピントを追いかけてくれる優秀なAFのおかげで、撮る側としては構図だとかしゃべるネタに集中できること。

動画撮影は静止画と違い、ある程度の時間の経過を記録するもので、やり直しがきかないことが多く、撮った後に設定をしくじったことに気づいても後の祭り。

だからこそ、シンプルに気づきになる「背景ぼけ切り替え」や「商品レビュー用設定」の存在は大きいのではと思えます。

動画クオリティを上げる、失敗を防げるという、シンプルかつ大事なところをおさえている非常によく考えられたカメラだと思うこと然りで、「VLOGCAM ZV-1」はこれから動画撮りをはじめたいという人にとっては、強烈な武器になりそうです。


 
 

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関連キーワード: VLOGCAM ZV-1, RX100VII, sony, news, gear
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