4万円強でPixel 4相当のカメラは衝撃的、Pixel 4a実機レビュー

1色しかないのはちょっと残念

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2020年08月4日, 午前 06:20 in Google
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Pixel 4a

「Pixel 4」の廉価版にあたる「Pixel 4a」が、ついに正式発表されました。日本での価格は4万2900円。Pixel 4の半額以下で、ミドルレンジモデルの売れ筋に近い価格帯です。

とはいえ、安かろう悪かろうではなく、カメラの写りに関してはグーグル自身も上位モデルと「ほぼ同等」と語っています。スペックなどの詳細は速報記事に譲りますが、この値段でPixel 4相当のカメラ性能であれば、衝撃的と言えるでしょう。Pixel 4aは、本当にそんな実力があるのか。短期間ではありますが、実機に触れたインプレッションをお届けします。

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Pixel 4a
▲8月20日に発売されるPixel 4a

まずはカメラ。外見はPixel 4に近く、“台座”の中にレンズとフラッシュが埋め込まれていますが、Pixel 4aのそれはシングルカメラ。あくまでデザインテイストをPixel 4のそれと合わせただけで、デュアルカメラではありません。

Pixel 4a
▲カメラ回りのデザインはPixel 4風だが、Pixel 4aはシングルカメラ

画角は35mm判換算で27mm相当。普段、広角カメラ搭載のスマホを使っていると、「もう少し広い絵で撮れた方がいいなぁ」と思うシーンがないことはないですが、HDRもしっかり効いていて、写りは非常にシャープ。デュアル露出補正も利用でき、暗い場所だけをググっと持ち上げたり、逆に明るい場所を暗めにしてディテールを残したりといった操作が可能です。

Pixel 4a
▲デュアル露出補正に対応しており、明るい場所、暗い場所をそれぞれ露出補正できる

Pixel 4a
Pixel 4a
▲料理も花も、シャキッとした写りでキレイに撮れた

まるで暗視スコープのようと話題になった夜景モードも健在です。ある程度、明かりがある夜の建物を写してみましたが、暗い場所のノイズが少なく建物のディテールもしっかり写っています。ただし、HDRは少々弱めか、白飛びしているところも。同じ場所で「P40 lite 5G」で撮った写真と比べると、明暗差の大きさはカバーし切れていない印象も受けました。

Pixel 4a
Pixel 4a
▲夜景モードで撮った風景。空にもノイズがなく、全体的に明るめに仕上がっている

より暗いビルを撮った際にも、夜景モードの実力はいかんなく発揮されました。一般的なスマホだとノイズだらけで、ディテールも破綻してしまうようなシチュエーションですが、ビルの暗い部分までしっかり写っています。

さらにすごいのが、部屋の電気を消して外からのわずかな薄明りだけで撮った写真。フィギュアの色合いまでしっかり描写されており、肉眼で見るよりはるかにキレイで、かつはっきりと被写体を捉えています。もちろん、上記の写真はすべて手持ちで撮ったもの。夜景モードに定評のあった上位モデルのカメラ性能をしっかり受け継いでいることが分かります。

Pixel 4a
▲より光量が少ない場面でも、肉眼より明るく撮れた

Pixel 4a
▲夜景モードで撮影したミニカー

Pixel 4a
▲通常カメラモードで撮影したミニカー

Pixel 4a
▲夜景モードオフだと真っ暗になってしまう光のほぼない場所でも、ミニカーが写った

次に試したのが、超解像ズーム。Pixel 4aは望遠カメラを搭載していないものの、アルゴリズムの改善で超解像ズームを実現したと言います。ただし、倍率は微妙に異なり、Pixel 4が最大8倍ズームなのに対し、Pixel 4aは最大7倍ズームと、拡大率はやや落ちています。この辺が、望遠レンズの有無による差分といったところでしょうか。

以下の写真をご覧いただければ分かるとおり、単なるデジタルズームとは違って、拡大した看板の文字までクッキリと写っています。さすがに拡大してみると、やや写りが甘くなっている箇所はありますが、7倍ズームでこれならかなり実用的です。

Pixel 4a
Pixel 4a
▲標準と7倍、それぞれで撮った写真。7倍でも、切り出したときのようなジャギーの多い仕上がりではなく、画面サイズ程度であればキレイに見える

シングルカメラながら、ポートレートモードにも対応。機械学習を使って被写体を見分け、背景をボカすことができます。ポートレートモードで撮ると、ボカシの有無で写真が2枚残る仕様。ボケが強すぎて、レンズによる自然なボケに慣れていると少々不自然に見えることも事実ではありますが、髪の毛などの細かなところまでしっかり前景として認識されており、人物と背景がしっかり分離されていることが分かります。

Pixel 4a
▲ボケが強すぎるきらいもあるが(後編集は可能)、人物との境界はしっかり認識されている

Pixel 4aはチップセットがSnapdragon 730Gで、機械学習の処理に特化した「Pixel Neural Core」も非搭載。Snapdragon 855で、Pixel Neural Coreも内蔵しているPixel 4とは、処理能力に差があります。ただし、この差は画質ではなく、バックグラウンドでの処理速度に違いが出るようです。実際、Pixel 4aで写真を撮ってから、すぐに開くと、画面下部に「処理しています」という文字と、プログレスサークルが表示されることが多々ありました。

Pixel 4a
▲撮ってすぐに写真を開くと、処理が終わっていないことが多々あった

夜景モードだと分かりやすいですが、処理が進むに従い、徐々に全体的に写真が明るくなっていきます。つまり、写真は、撮り終えたあとにバックグラウンドで処理をしているというわけです。同様のことはPixel 4でも行っていますが、Pixel 4aの方がやや処理能力に劣るぶん、目にする機会が多かったのかもしれません。処理が遅くて非常に困るというほどではありませんが、撮ってすぐに仕上がりを見て、再撮するかどうかを判断できないのは難点と言えます。

カラバリがほしかった

カメラ写りはほぼ同じで、Pixel 4の半額以下とだけ聞くと、夢のような端末と思われるかもしれませんが、上記の処理能力以外にも、コストダウンが図られていると思われるところは少なくありません。代表例が、その筐体。Pixel 4は金属とガラスで剛性の高いボディでしたが、Pixel 4aはポリカーボネートでペラっとした質感です。Pixel 4もマット加工で正直、ガラスには見えない……という点は置いておいても、触ってみるとその違いははっきり分かります。

Pixel 4a
▲ポリカーボネートのユニボディで、硬質感はない

最近では、3万円前後のミドルレンジスマホでも、金属やガラスを採用していることが多いため、このチープな質感は少々残念。よく言えば、ソフトな手触りでかわいらしい印象もありますが、であれば、ブラック1色ではなく、せめてホワイトなどのカラーバリエーションも用意してほしかったところです。

インカメラが簡素化しているため、生体認証も背面に搭載された指紋認証のみ。マスク着用の機会が増えたコロナ禍の今は、こちらの方が外出時に使いやすいのも事実ですが、自宅で使用するようなケースでは、やはり顔認証があった方が、ロック解除もスムーズです。セキュリティの要件をクリアできなかったのかもしれませんが、他社端末のように、リスクを説明したうえで顔認証を搭載してもよかったのではないか……と感じています。

Pixel 4a
▲生体認証は指紋センサーのみで、顔認証には非対応だ

決め手はコスパの良さ

そんな不満はありつつも、カメラの写りは一般的なミドルレンジモデルを大きく上回っています。ハイエンドに迫るカメラ性能の端末が、税込み4万2900円というのはまさに破格。ミドルレンジモデルとしては珍しいeSIM対応モデルなのも、評価したいポイント。価格まで含めて考えると、Pixel 4より満足度は高いと感じました。MVNOやサブブランドで使う端末としても、いい選択肢と言えるでしょう。


 
 
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