GoogleによるFitbit買収が発表されたのは2019年11月のこと。それから1年以上が経過したものの、まだ買収は完了していませんが、EUの政策執行機関である欧州委員会は12月17日(現地時間)、買収を承認するとの発表を行いました。
もちろん、無条件で承認されたわけではありません。Googleはこれまで、EUによる承認を得るため、いくつかの譲歩案を提出していましたが、それらを踏まえた上での決定です。
GoogleはFitbitデバイスから得られたデータを広告には利用しません。これにはフィットネスデータだけではなく、FitbitデバイスのGPS情報なども含まれます。また、ユーザーによるFitbitが収集するデータへのWebAPIを通じた無料アクセスを維持します。
同様に。他のAndroid OEMメーカーに対してもFitbitデバイスの利用を制限せず、コア機能をカバーするためのAPIは無料でライセンス供与されます。Android Open Source Project(AOSP)の外部で機能改善を実施し、他メーカーが不利になるようなことも行えません。
これらの条件は10年間遵守される必要があり、EUは必要に応じて、さらに期間を更新できるとしています。
Fitbitの買収完了に向けて、大きなハードルの1つをようやくクリアしたことになります。ただし、米国での承認はまだ得られてはいません。Googleは現在、米司法省と38州から反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで起訴されており、規制当局に対してFitbit買収の必要性を納得させるのは、買収における最難関となる可能性もありそうです。
source: European Commission