Junya Ishino Google Pixel 6

すでにティザーとして製品名や搭載するチップセット、さらにはソフトバンクが一部モデルをキャリアとして独占提供することまで明らかになっていますが、ついにグーグルが同社のフラッグシップスマホとなる「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」を正式発表しました。

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日本での予約開始は本日10月20日から。発売は約1週間後の10月28日になります。グーグル自身が運営するGoogleストアでは両モデルを販売。キャリアはKDDIとソフトバンクがPixel 6を、ソフトバンクが予告通りPixel 6 Proを取り扱います。

Googleストアの価格はPixel 6が7万4800円から、Pixel 6 Proが11万6600円から。キャリアでの価格はまだアナウンスされていないため、今後の発表を追ってチェックしてください。

独自開発「Tensor」チップ搭載

2モデルには、同社が独自に開発、設計した「Tensor」が搭載されており、AIの処理能力を大きく高めているのが特徴です。グーグルがチップまで自身で手掛けている狙いもここにあります。

Junya Ishino Google Pixel 6
▲ついに正式発表されたPixel 6と6 Pro

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▲トリプルカメラを搭載したPixel 6 Pro

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▲こちらはやや小型なPixel 6

Tensorは統合型のMLエンジンを採用し、「マシンラーニング(機械学習)に最適化するようにデザインされている」(グーグル Pixelビジネス ヴァイスプレジデント ナンダ・ラマチャンドラン氏)チップセット。画像処理に必要なイメージシグナルプロセッサーにも、主要なアルゴリズムを直接組み込んだといいます。

ラマチャンドラン氏によると、「CPU、GPUの選定も、機械学習を補完できるものにした」とのこと。AIを前面に押し出すグーグルの強みを、スマホ上で実現できるようにデザインしたのがTensorというわけです。

Junya Ishino Google Pixel 6
▲2機種とも、機械学習の処理に最適化されたグーグル独自設計のTensorを内蔵する

これによってPixel 6、6 Proで実現できた機能は、大きく分けて2つあります。1つが音声認識です。Tensorが組み込まれたことで、消費電力を抑えつつ、デバイス上で完結した音声認識の性能が大きく向上しました。それを落とし込んだ実際の機能が、「アシスタント音声入力」です。従来の音声入力は句読点などを上手に反映することができませんでしたが、アシスタント音声入力では、音声認識と画面のタップを組み合わせることで、キーボードを打つ必要なくスムーズな入力が可能になります。

Junya Ishino Google Pixel 6
▲アシスタント音声入力に対応

音声認識の応用例としては、オンデバイスの翻訳機能もPixel 6、6 Proならではの注目機能です。Pixel 6、6 Proでは、翻訳機能がメッセージアプリに組み込まれ、デバイス上で翻訳を行えます。わざわざGoogle翻訳とメッセージアプリを行ったり来たりする必要がなくなるのがメリット。デモを見る限り翻訳はかなりリアルタイムに近く、あたかも他の言語を話す相手が自分と同じ言語で話しているかのように見えます。このアプリ内翻訳機能は、LINEやTwitter、Instagramといったサードパーティのアプリにも提供されるといいます。

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▲翻訳機能も強化。メッセージアプリ上で、簡単に翻訳が利用できるようになる

また、Pixel 6、6 Proからは、ボイスレコーダーの文字起こしが日本語でも可能になります。この機能を待っていた記者仲間は多いはず(笑)。精度のほどは実際に使ってみるまで分かりませんが、ざっくりとでも文字にしておいてもらえれば、後からテキスト検索も可能になるため、必要な音声データを探す手間が大きく省けます。機械学習の処理能力が向上したのを、音声認識に活用したのはグーグルらしいところ。グーグルのスマホとしての存在価値が上がったような印象を受けました。

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▲レコーダーの文字起こし機能が、ついに日本語に対応

Tensorを搭載したことで実現したもう1つの機能は、カメラです。と言っても、元々PixelはAIをフル活用したコンピュテーショナルフォトグラフィーを売りにしていたため、どちらかというとカメラは機能向上といった方が正確かもしれません。AIを生かした新機能の1つが、「リアルトーン」です。これは、人の肌の色をより忠実に再現するための機能。グーグルによると、写真の専門家、映像の専門家、色の専門家と連携を取りつつ、何千ものポートレートを学習させることで、すべての人種の肌色を平等な形でハイライトできるようになったといいます。

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▲人の肌色を忠実に再現するリアルトーン

また、「消しゴムマジック」もPixel 6、6 Proに搭載される新機能の1つです。これは、あたかも背景に写りこんだ人物などが、最初から存在していないかのように消去できる機能。何を消したいかをAIが推測して、自動で処理するのもこの消しゴムマジックの売りになります。

Junya Ishino Google Pixel 6

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▲消しゴムマジック適用前後の写真。背景に写り込んでいる人が、非常に自然に消えていることが分かる

流し撮りをしたような効果を簡単に得られる「モーションモード」にも対応します。例えば、以下の写真のように、車輪の動きをダイナミックに表現した写真を手持ちで撮ることが可能。機械学習で、被写体のどこが動いているかを認識して効果を加えているといいます。

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▲動いている被写体を分析して、流し撮りをしたような効果を加えるモーションモード

Tensorを搭載たことで手に入れたAIの処理能力を引き出すため、Pixel 6、6 Proではカメラのハードウェアも大幅に進化しています。

カメラの構成はPixel 6が5000万画素のメインカメラと1200万画素のウルトラワイドカメラのデュアルカメラ、Pixel 6 Proがこれ4800万画素の望遠カメラを加えたトリプルカメラになります。メインカメラのピクセルピッチは1.2μm、センサーサイズは1/1.31インチで、Pixel 5比で取り込める光の量が150%増えています。

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▲Pixel 6 Proはトリプルカメラ。メインカメラのセンサーを前モデルから大きくアップデートしたうえに、望遠カメラも搭載する

また、Pixel 6 Proの望遠カメラは、ペリスコープ型の光を屈曲させる仕組みで光学4倍ズームを実現。Pixelが得意としていた超解像ズームを組み合わせることで、望遠の最大倍率は20倍まで上がっています。

さすがに20倍まで拡大すれば、超解像ズームとは言え画質の劣化が分かる可能性は高そうですが、少なくとも光学4倍の望遠カメラを搭載したことで従来モデルよりズームは高倍率になりました。

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▲望遠カメラは光学4倍。超解像ズームを掛け合わせると、最大20倍までズームできる

Pixel 6とPixel 6 Proではディスプレイにも差があり、前者が6.4インチのフルHD+(1080×2400ドット)、後者が6.7インチのQHD+(1440×3120ドット)で、フレームレートも90Hzと120Hzという違いがあります。

肝となるTensorによる機械学習を使った機能は共通で搭載しつつ、カメラやディスプレイといったハードウェアで2機種の差別化を図っているというわけです。5Gにも違いがあり、ミリ波まで対応しているのはPixel 6 Proのみです。両機種とも最低5年間のアップデートが保証される点は、従来モデルとの大きな違い。グーグル自身が手掛けるスマホならではの手厚さと言えます。

その他、両モデルともおサイフケータイやeSIM、IP68防水防塵に対応。製品の主な仕様は下記スペックシートもご覧ください。


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