Google StadiaやマイクロソフトのProject xCloudなどゲームストリーミングサービスは、App Storeの審査ガイドラインによりiPhone/iPad向けに提供する道は開かれているとはいえ、著しく困難となっています。
そうした制約をかいくぐり、iPhone上でStadiaを起動して実行できるカスタムブラウザが配信開始されました。
Stadiaはクラウド上で動かしているゲームの映像を、ChromeなどWebブラウザを経由してプレイヤーの元に送って遊べるようにするもの。つまりStadiaとWebブラウザがやり取りできればプレイ可能となるわけですが、Stadia側で利用できるブラウザをユーザーエージェント(UA/使用しているブラウザやOSの情報)により判別し、“あえて”プレイ不可としている場合もあるもようです。実際Chromiumエンジンを使ったMicrosoft Edgeをブロックしたと推測されたこともありました。
Google’s blocking again. If you try and use Stadia with Microsoft’s Chromium Edge browser then Google blocks the UA string. Switch the string to Chrome Windows and it works just fine. 2020 needs to be the year this nonsense ends 🙄 pic.twitter.com/fAoxv9bNHQ
— Tom Warren (@tomwarren) January 1, 2020
逆にいえばUAを偽れば、Stadiaが公式サポートしていないブラウザでも遊べる可能性もあります。海外大手掲示板Redditでは「iOS 14でStadiaを動かす」スレッドが立てられ、Safariで動作させた報告もありました。が、それをユーザー個人でやるには時間と手間がかかります。
そこでRedditユーザーu/zmknox(開発者名はZachary Knox)氏は、簡単な設定をするだけでStadiaが実行できるカスタムブラウザ「Stadium Full Screen Browser」を作成。そればかりかApp Storeへの公開にこぎ着けており、記事執筆時点では日本でもダウンロード可能です。ただし日本国内ではまだStadiaが提供されていないため、事実上プレイできません。
本来Stadiaがプレイできる環境にいる方向けの、セットアップ手順は次の通りです。
プライマリURLを https://stadia.google.com/home に設定
ユーザーエージェントを Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_5) AppleWebKit/537.36 (Gecko のような KHTML) Chrome/85.0.4183.83 Safari/537.36 に設定
...メニューから認証を選択し、https://accounts.google.com/にアクセス
Googleアカウントにログインして「完了」をタップ(...メニューから「Go Home」を選択する必要がある可能性あり)
これでアプリを起動するたびに、Stadiaのランディングページに移動できるとのことです。
またXbox OneコントローラーやソニーのDualShock 4といった外付けコントローラーも使用可能です。米Engadgetは『Marvel's Avengers』のマルチプレイでも目立った入力遅延もなくスムーズにプレイできたと報告しています。
この回避策はいつまでも使えるとは限らず、近いうちにアップルがApp Storeから削除することもあり得ます。しかしMac版Safariのプレビュー版では、Stadiaコントローラー向けの「特別なHIDマッピングを追加」したとの変更ログもありました。つまりiOSでも同様の歩み寄りがあるかもしれないと希望が持てるわけです。
先日Amazonが発表した独自ゲームサービスLunaも、App Storeを通さずWebアプリのPWAとしてクライアントを提供することで実現していると発表していました。MSも最終的にはiOS向けxCLoudを提供できるとの見通しを述べていましたが、同様のアプローチを検討しているのかもしれません。
Source:Reddit
Via:9to5Google