Google Stadia

先日GoogleはクラウドゲームサービスStadia向けゲームを開発する自社スタジオの閉鎖を発表しました。そうした状況に繋がった可能性あるいくつかの事情について、噂話が伝えられています。

米Bloombergは、そもそも当初からGoogleのStadiaへのアプローチがGoogleらしくなかったと指摘しています。GoogleほかAlphabet傘下の各社はまず骨組みだけの製品から初めて、成長に合わせて慣らし運転していく傾向が見て取れます。たとえばGmailも、5年間ベータテストを行ってから正規版に移行していました。

そしてStadiaに携わった開発者の一部も、2019年秋に正式ローンチすればプレイヤーの期待に応えられるものは提供できないとして、初期はベータテストとして位置づけるべきだと主張したとのこと。現実はそうはならず、派手な記者会見や広告キャンペーンを打ち出し、革新的な機能を備えた高品質なゲームをAndroidスマートフォンやChromecast経由で遊べると約束してしまいました

なぜGoogle流の「志は大きく スタートは小さく」とならなかったのか。それはフィル・ハリソン氏らStadiaのリーダーシップを執った人々らが従来のゲーム専用機の業界から来ており、自分たちに馴染みのルートを辿りたかったためとのこと。つまりユーザーのフィードバックを受けて早い段階で間違った方針をただして徐々に改良していくGoogle流より、大々的に鳴り物入りで売り出す伝統的なゲームプラットフォームのやり方を選んだというわけです。

さらにハリソン氏のチームはプレイヤーを惹きつけるゲームライブラリを確保するため、UbisoftやTake-Twoのような大手ゲームパブリッシャーを口説き落とし、『Red Dead Redemption II』のような大作を移植するために数千万ドルを支払ったとのこと。しかしゲームプラットフォームの生死は独占コンテンツに掛かっているため、初期アサシンクリード等を手がけた Jade Raymond氏(2月初め時点で退社済み)を引き入れて社内開発部門の構築に手を付けたと伝えられています。

それだけ莫大なコストをかけたものの、2019年11月にStadiaが正式リリースされたときは、ゲームのライブラリはわずかで、独占タイトルは1つもなし。その上「State Share」(ゲームプレイの動画配信者がゲーム中の特定の状態をセーブして、他のプレイヤーが遊べるよう共有できる)など約束された機能はほとんど実装されていませんでした。

しかもXboxゲームパスのような定額遊び放題ではなく、Googleのサーバー上にしか存在しないゲームに60ドルもの支払いを求めるのは、一部の人にとっては無理があります。あらゆる誇大広告の結果ゲーマーは失望したとして、事情に精通している人物らはStadiaが専用コントローラーや毎月のアクティブユーザー両方で「数十万人」も逃したと述べているとのことです。

Googleの自社スタジオでは、クラウドプラットフォームでしか動作しないゲームのプロトタイプもあったそうです。「Googleアシスタントとたまごっちを掛け合わせたもの」であり、プレイヤーが様々な楽しい方法で賢い生き物と対話できるものと説明されています。そうした他のゲーム専用機では絶対に遊べない革新的なゲームがお蔵入りにならず、いつの日か正式発売されるよう祈りたいところです。

Source:Bloomberg

via:9to5Google