Atlanta interstate traffic headed North toward Downtown
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Googleの各種サービスの中でも、ユーザーからの人気が高いものの一つがGoogleマップ。現在では200以上の国と地域において、1日ごとに10億km以上のナビゲートに貢献しています。その中でも重要な位置を占めるのが、ルート上の交通量が多いか少ないかを予測して算出される到着予定時刻(ETA)です。

Googleはその舞台裏を解説するとともに、ETAの精度が機械学習により大幅に向上したことを発表しました。この精度向上は、同社も属するAlphabet傘下のAI開発企業、DeepMindとの提携によるものとのこと。

Googleマップは位置情報の収集が許可されたデバイスからの情報を集約し、世界中の道路状況を把握しています。しかし、この情報はあくまでリアルタイムのデータのみ。当然ながら10分後や20分後の状況は掴めません。今回導入した機械学習による技術は、こうした状況で威力を発揮できるというわけです。

これまでもGoogleは、過去の交通状況パターンと現在の状況を組み合わせてETAを割り出し、97%の精度を誇っていたと述べています。そして今回DeepMindと提携してグラフニューラルネットワークと呼ばれる機械学習アーキテクチャを導入することで、いっそう改善したとのこと。

その結果、ベルリンやジャカルタ、東京やワシントンD.Cといった一部の都市において、最大50%以上も改善されたとされています。時期や道路の品質、制限速度、事故や道路閉鎖といった様々な要因が織り込まれて複雑な予測モデルが構築されているもようです。

ETA

しかし過去のデータに大きく依存する機械学習の性質上、前例のない出来事を前にすると信頼性が揺らぎやすい傾向があります。実際、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い世界中の交通パターンは劇的に変化しており、今年初めにロックダウン(緊急事態による移動制限)が始まると交通量が最大50%も減ったとのこと。

現状では、その後の閉鎖解除も含めて急激な変化に対応するため、過去2~4 週間の履歴トラフィック パターンの優先順位を自動的に設定し、それ以前の優先順位を下げて対応していると説明されています。

Googleマップは自動車の運転ナビだけでなく、徒歩のとき周囲の建物をカメラで映すことで現在位置を特定できる「ARナビ」やテイクアウトおよびデリバリー対応の飲食店を探しやすくするフィルター追加など、かゆいところに手が届くように進化を続けています。

生活に密着した存在であると同時に、もっとも身近な機械学習応用例の1つと言えそうです。

Source:Google Blog,DeepMind