武田総務大臣は12月1日午前の会見で、政府主導による携帯3社(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)の値下げが、新規参入した楽天モバイルやMVNO(格安スマホ事業者)を競争上の不利に追いやり、携帯3社の寡占をむしろ後押しするのではないかとの懸念について『そんなわけない』と反論しました。

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総務大臣の発言は次の通りです。

「(国の政策によって)大手3社の寡占化を後押しするわけない。この異常な状況を正常化するために我々は努力しています。これをやったらMVNOのみなさんが犠牲になるなんじゃないか、という話はとんでもないですよ。すべての移行や乗り換えのハードルを取っ払うよう努力しています。それで一番恩恵を被るのはMVNOの皆さんです。それによってはじめて公正な市場競争が生まれます」

「私は政治や行政の力で値段を上げ下げすることは適切じゃないと思っています。我々はとにかく当たり前の競争原理が働く市場をつくる環境をいかにして作るかをずっと訴え続けていたわけでありまして、そのためには、乗り換えの目に見えない国民にわかりにくい障害と言うものを取っ払う。これが一番の近道と判断しているわけですから、MVNOの皆さんにとっては一番恩恵に預かる道です」

まとめると、政府はこれまで”国際的に見ても遜色のない料金水準”を携帯3社に求めていたにも関わらず『私は政治や行政の力で値段を上げ下げすることは適切じゃないと思っています』と述べたほか、MNP手数料など移行のハードルとなる制度を禁止することで、楽天やMVNOにむしろ恩恵がもたらされるとの認識を示した格好です。

携帯3社のMNP手数料撤廃については次のように述べ「まやかし」と一蹴しました。

「(キャリアによるMNP手数料撤廃は)それ自体がまやかしなんですね。9500円の中途解約金をやめるという電気通信事業法の改正が2019年にありましたが、この法改正以前の方は全部負担は軽減されていないんですよ。それ以降の新規契約の方にしか適用されないんです。それ以前に契約した方にはなんの特典もないんですよ。そんなのありえますか。それをどこの会社も全然言わないじゃないですか、本当の実態を隠して、表の綺麗事ばかりで国民を欺いているじゃないですか。そこのところをキチンとやってはじめて、制度改革に踏み切ったと言えます。ほとんどの方が恩恵に預かれない制度改革は、改革になっていないんですよ」

(追記)総務大臣は「新規契約」と表現していましたが、実際には法改正以前に契約していても、新プランに変更していれば中途解約金は0円ないしは1000円となります。

日本経済新聞などが報じたNTTドコモのメインブランドにおける値下げについては、次のようにコメントしました。

『それぞれの戦略に基づいた経営判断なので、個別のコメントは差し控えさせていただきます。いずれもコロナ禍において家計の負担がのしかかっている通信料、これをなんとも皆さんに対して引き下げて、国民が軽減されたという実感を味わっていただけるような環境づくりを切にお願いしたい』