リコーのコンパクトデジタルカメラ GR シリーズの在り方は称賛に値する。GR 独自の文化が確実にあって、それを創り手だけでなく、ユーザーが共に創り上げているところに長く愛される GR の真の強さを感じる。その GR に焦点距離40mmの派生モデル GR IIIx が追加された。新しい文化を築いていくであろう GR IIIx でスナップを撮影してきた。

定番高級デジカメに40mmレンズ版。リコーが「GR IIIx」発表

RICOH GR IIIx(Amazon)
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市場想定価格は13万円前後で、10月上旬発売予定

世の中で撮られている写真の殆どはスナップ写真と言えるだろう。冷静に考えるとスナップじゃないものを探す方が難しい。デジタルカメラ、スマートフォンカメラの登場で写真を楽しむ敷居がぐんと下がり、スナップのその傾向は更に高まっているのではないだろうか。そういった意味で GR のコンセプトは常に写真史の中心にある。

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よく「何を撮ったらいかわからない」と言う相談を受けることがある。スナップはどれを撮っても正解と言えるので兎に角自分がいいと思ったもの、気持ちが動いたものを撮ってみてくださいとスナップ撮影を勧める。

そういった意味では、写真を始めた人にも自分の写真を探すのにいいカメラだし、その後を愛機として写真を楽しみ続けるのにもいい相棒でい続けてくれる存在だと思う。だから、GR というのは自分写真史にずっと寄り添ってくれる息の長いカメラになっているのかもしれない。

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RICOH GR IIIx(Amazon)

GR といえばクロップ撮影機能が付いていることが特徴の一つだろう。今回の GR IIIx ではクロップ撮影機能を使用することで1倍の 40mm に加え、50mm、71mm での撮影が可能になっている。40mmから71mmの標準域の焦点距離がカバーされていることによって、テーブルフォトや人物撮影など使い勝手がいい焦点距離という感想を持った。

GR IIIでは被写体にフォーカスしつつも情景も捉えることができたのに対し、GR IIIx では被写体によりフォーカスして被写体自体を捉えるといった感覚を感じる。今回の撮影では特に自然を撮影する場面でその利点を感じた。装備も軽くしたいし、広い画も、寄った画も欲しい、そんな場面で GR IIIxのクロップ撮影機能は重宝する。

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陽が沈み、暗くなってからもGR IIIx の楽しみは続く。もちろん三脚に据えてじっくりと撮れば昼間と変わらない綺麗な画が撮れる。だけど、時間に合わせて ISO感度を上げて撮る GR IIIxの写真は味があって自分は好きだ。気持ちのいいノイズ。電子ノイズ感というよりフィルムの味わいを思い出す様な感覚を感じて思わず陽が沈んだ後も撮影が続く。

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GR には白黒写真の魅力がある。GR を手にした人なら共感をしてもらえる感情ではないだろうか。GRの使い手の中には白黒写真を主軸にしている人もいる。そこを突き詰めたい気持ちが共感できるほどに言い表せられない魅力がある。

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白黒写真の中でも「ハイコントラスト白黒」というイメージコントロールが GR IIIx には搭載されている。ハイコントラストに表現された白黒写真はより一層ドラマチックな写真表現になる。この魅力が GRIII で白黒写真に没頭する人たちが多い要因の一つではないだろうか。自分もその一人で、ぜひ手にした人は「ハイコントラスト白黒」に没頭してみてもらいたい。単純に写真が楽しい。

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28mm に眼が慣れている GRIII ユーザーからすると最初撮影した時の感覚としては「おぉ、狭い」という感覚に最初陥るかもしれないが、GR での新しい画角を使いこなしていく楽しみがまた新たに増えることだろう。

画角が代わるのは、写真の楽しみがまたリフレッシュする感覚で面白い。GR III/GR IIIx の2台を持ち、クロップズームを駆使することで 21mm から 71mm の焦点距離をカバーすることができる。それはそれでまた選択肢が増え、また写真が楽しくなるかもしれない。

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派生モデルのGR IIIxを試用したことでGR は文化と言っていいほどに成熟した存在になってきたと感じた。先に述べた通りそれはカメラスペック的な話ではなく、GR というブランドの在り方やそれを慕うユーザーに価値があるとだと思う。カメラとしての進化ももちろん期待するところだが、今後もGRの写真を楽しむ文化づくりもが楽しみだ。

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