HarmonyOS2`

ファーウェイは2021年6月2日、自社開発OSの最新バージョン「HarmonyOS 2」を発表しました。HarmonyOSは2019年8月に発表され、最初のバージョンはすでにファーウェイのスマートTVに搭載されています。その最新バージョンとなるHarmonyOS 2では対応デバイスをスマートフォンやスマートウォッチにも拡大。今後、ファーウェイの製品にはAndroid OSに代わり、HarmonyOSが搭載されます。

HarmonyOS2
HarmonyOS 2を発表するファーウェイ・コンシューマビジネスグループのリチャード・ユーCEO

HarmonyOS 2に対応するスマートフォンは6月3日以降、順次発売されます。中でも期待なのがライカカメラを搭載した「P50」です。例年3月または4月に発表されている「P」シリーズですが、今回のHarmonyOS 2の発表会で正式にアナウンスされました。ただしビデオによる外観の紹介にとどまり、詳細スペックは不明。発売日や価格も現時点では未定です。


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HarmonyOS2
P50は外観のみの紹介にとどまった。HarmonyOS2搭載で発売される

 

すでに発売されている既存の5Gスマートフォン「Mate 40 Pro」「Mate 40E」「Mate X2」「nova 8 Pro」のHarmonyOS 2搭載モデルもアナウンスされました。これら4モデルは米国の制裁の影響を受け、通信方式はいずれも4Gのみ対応となります。

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HarmonyOS 2搭載新モデルはすべて4G対応のみとなる

HarmonyOS 2搭載の新製品としては「Mate Pad Pro 12.6インチ」を発表。チップセットはKirin 9000で5G対応、1300万画素カメラに3Dセンサーカメラを搭載。キーボードや新しくなったスタイラスペン「M-Pencil 2(第2世代)」も用意。HarmonyOS 2の機能として英語や中国語など3つの言語、7つの方言による音声入力や、文字入力スペースに直接M-Pencilで手書き文字を書きテキスト変換する機能なども搭載しています。

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さらにHarmonyOS 2搭載スマートウォッチは第3世代となる「Huawei Watch 3」「Huawei Watch 3 Pro」が発表されました。


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一方、すでに発売中のファーウェイのスマートフォンやタブレットのHarmonyOS 2へのアップグレードスケジュールも発表されました。

アップグレードの第一弾として6月2日から「Mate 40」「P40」「Mate 30」「P30」シリーズなど、最新製品にHarmonyOS 2の提供が始まります。今年第3四半期には「Mate 20」(2018年発売)、「nova 6」(2019年発売)など古い製品にもHarmonyOS 2を提供予定。そして第4四半期にも追加でアップグレードが提供されます。対応モデルは100機種以上にも及びます。

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6月2日にHarmonyOS 2が提供される最新モデル

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第3四半期にはMate 20なども対象となる

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第4四半期までに100機種以上にHarmonyOS 2が提供される

HarmonyOS 2はAndroid OSに対してどのようなメリットがあるのでしょうか。HarmonyOS 2はスマートフォンのような高速CPU、大容量メモリを搭載した製品だけではなく、より低スペックなスマートウォッチや、さらにメモリ容量が限られるスマート家電など、あらゆる製品に搭載が可能です。OSをコンポーネント化することで、機器ごとに適した機能のみを搭載できます。

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各製品のベースOSが共通化されることで、デバイス間の連携がよりシームレスに行えるようになります。ファイル共有はもちろんのこと、スマートフォンのタスクをほかのデバイスでも簡単に利用できます。たとえばスマートフォンでSNSアプリを利用中に、その画面をタブレットに飛ばせば、タブレット側でアプリを起動せずにそのままそのSNSを使うことができます。

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スマートフォンで使っているアプリをそのままタブレットに転送、タブレット側で引き続き利用できる

発表会で驚かされたのは複数スマートフォンのカメラ映像の共有。自分のスマートフォンで動画を撮影中に、ほかのスマートフォンのカメラからの映像を取り込んで録画できるのです。例えば、自撮り棒を持つ付近の友人、あるいはドローンに取り付けたスマートフォンのカメラからの映像を、リモートカメラのように自分のスマートフォンから使えます。いずれドローンにHarmonyOS 2が搭載されれば、直接ドローンのカメラも制御できるようになるでしょう。

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左上のスマートフォンから、ドローン装着スマートフォン(左)や他人のスマートフォン(右)のカメラを操作できる

コミュニケーションスタイルもHarmonyOS 2のMeeTime機能で大きく変わるでしょう。複数のディスプレイをシームレスに切り替えでき、スマートフォンにかかってきたビデオ通話をスマートTVにそのまま映し出し、さらにスマートTVのカメラで相手に自分の姿を見せることが可能です。スマートウォッチ、スマートフォン、タブレット、スマートTV、さらに自動車の車内に搭載されたインフォテイメント用のディスプレイなど、HarmonyOS 2を搭載したデバイスのディスプレイを自在に切り替えることができるわけです。

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MeeTimeならあらゆるディスプレイをシームレスに切り替えできる

スマート家電も「レシピを送る」といった単純な機能だけではなく、スマートウォッチから収集した健康データをもとに、「低脂肪なドリンクを検索してお勧めのメニューを家電に送る」といったことができます。つまり家電の自動化ではなく「インテリジェントな操作」を可能にしてくれるのです。

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健康データからお勧めレシピを自動検索、家電に送信できる

HarmonyOS 2はユーザーインターフェースの使い勝手も高められています。具体的には、Smart Folder機能により類似のカテゴリのアプリを自動的にフォルダにまとめてくれます。2つのアプリアイコンを重ねるとフォルダが作成されると同時に、それと類似したアプリを同じフォルダに自動的に入れてくれるのです。

さらにフォルダはアプリアイコンの4コマ分のサイズがあり、フォルダに入れたアプリアイコンをサムネイルとして9個表示できます。インストールしたアプリや自動作成されたフォルダが多数あっても、目的のアプリを探す時に、アイコンを見ればすぐ見つけることができるでしょう。

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アプリフォルダー(右上)は9個のアプリのサムネイルを表示

簡単な情報をいくつか知りたいときに、複数のアプリを起動するのは面倒ですが、HarmonyOS 2ならホームスクリーンのアプリアイコンをスワイプするだけで、アプリ内の基本情報を表示してくれます。表示できるのは、時計アプリなら現在時刻や世界時計、ヘルスアプリなら現在の歩数、音楽アプリなら再生中のアルバムや曲情報。そして情報を開いた状態でホームスクリーン上に張り付けることも可能。つまりアプリがそのままウィジェットになるというわけです。

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アプリを開くことなく基本的な情報を閲覧できる

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左:通常のホームスクリーン。右:一部のアプリをウィジェットとして貼り付け

自分の良く使うアプリをホームスクリーンに配置するだけではなく、アプリをウィジェット化して張り付ければお気に入りのカスタムホームスクリーンも簡単に作れます。

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ビジネス、エンターテイメント、フィットネスなど、自分に最適なホームスクリーンをカスタマイズできる

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アプリウィジェットはHarmonyOS 2搭載製品すべてで利用できる

このように、HarmonyOSはスマートフォン向けだけではなく、あらゆるスマートデバイスに共通のOSを搭載でき、複数のデバイスをあたかも1つの製品としてシームレスに使用できるようになるそうです。また、Android OSよりも使いやすいUIを目指しているとのこと。今後、アプリの対応がどこまで増えるかが気になるものの、ファーウェイによる新しいエコシステムは、ほかのメーカーにも大きな影響を与えそうです。