FacebookとTwitterが香港当局へのユーザーデータ提供を一時停止。アップルは「国家安全維持法を精査」

アップルは苦しい立場かも

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年07月8日, 午前 10:10 in China
0シェア
FacebookTwitter
Thomas Trutschel via Getty Images

中国が香港に国家安全維持法を導入したことを受けて、米国のハイテク各社が相次いで声明を発表しています。

このうちFacebookやGoogle、Twitterといったインターネット企業大手は、香港当局に対するユーザーデータ提供を一時停止するとのこと。さらにアップルも、国家安全維持法について「精査する」と述べています。

Facebookの広報担当者は米Wall Street Journalに対して「表現の自由は基本的人権であると考えており、人々が安全を脅かされたり報復を恐れずに表現する権利を支持する」との声明を述べています。そして同社が人権デューデリジェンス(正式な調査)や人権専門家らと国家安全維法のさらなる精査を進めるまでは、香港当局へのユーザーデータ提供を一時停止するとのこと。これは同社傘下のメッセンジャーアプリ「WhatsApp」も対象になるとされています。

またTwitterおよびGoogleも、同法が施行された直後から、香港当局への全てのデータと情報提供を一時停止を発表しています。そのうちTwitterは米TecCrunchに「中国の国家安全維持法が可決されるにいたった急展開や、先週初めて内容が公表されたばかりであることや、急速なペースを考慮に入れ、我々のチームは、特に法律の条件の一部があいまいで明確な定義がないため、その適用範囲を見きわめるために法律を精査している」との声明を寄せています。

中国政府が6月30日に施行した国家安全維持法は、香港にてインターネット規制を強化し、当局には通信を傍受したり、裁判所の令状なしに捜査したり、外国企業に対してもデータを要求する権限を与えています。つまり上記のハイテク企業らは、ユーザーデータの提供を一時的にせよ拒むことで、かなりのリスクを冒しているといえます。

これに対してアップルは、同法に対して「精査する」とコメントするに留めています。かといって香港当局の要求を飲むというのではなく、国家安全維持法が施行されて以来、ユーザーデータの提供を求められておらず、政府からも要求されていないと強調しています。

Bloombergによると、同社は「わが社は常に現地の法執行機関からのデータ提出要求は、米国と香港の間にある刑事共助条約を通じて行うよう要請してきた」と述べ、 その手続き過程では「米司法省が、香港当局の要求が法的に適合しているかどうかを審査する」と述べたとのことです。

すなわちアップルは、これまで香港当局からのユーザーデータ要求は米司法省の審査を求めたという過去の慣行と、同法の施行後から声明の時点までは要求を受けていないため「停止」以前の問題だという事実問題を確認したに過ぎないことになります。

アップルにとって中国はiPhoneの巨大な市場であり、世界最大の工場であるため、他のハイテク企業ほど踏み込んだ姿勢は打ち出しにくいのかもしれません。とはいえ、実際に香港当局から令状なしにユーザーのiCloudデータなどの提出を求められた場合は、難しい決断が迫られそうです。

Source:The Wall Street Journal/TecCrunch(US)/Bloomberg

 
 

TechCrunch 注目記事新型コロナのソーシャルディスタンスを支援するビデオチャットアプリ8選

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]
関連キーワード: China, internet, Facebook, Google, Twitter, Hong Kong, Apple, news, gear
0シェア
FacebookTwitter

Sponsored Contents