ファーウェイが5G格安スマホ「P40 lite」にもHMSを搭載した狙い(石野純也)

これまでとは違ったアプローチが求められそうです

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2020年06月3日, 午前 11:15 in 4G LTE
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Huawei Junya Ishino

ファーウェイ・ジャパンは、P40シリーズの日本導入を発表しました。P40シリーズには、無印の「P40」に加え、「P40 Pro」やその上位版にあたる「P40 Pro+」、さらには廉価版の「P40 lite」などがありますが、日本市場では3機種を展開。「P40 Pro 5G」と「P40 lite 5G」「P40 lite E」を投入することが決まりました。残念ながら、昨今の情勢を反映してか、キャリアモデルはありませんが、逆にP40 Pro 5GがSIMフリーとして発売される格好です。

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▲P40シリーズ3機種。左からP40 lite E、P40 Pro 5G、P40 lite 5G

中でもインパクトがあったのは、ミドルレンジモデルのP40 lite 5G。価格帯は従来のliteを冠したPシリーズの端末とほぼ同じですが、サブ6の5Gに対応しており、背面にはクアッドカメラを搭載。メインのカメラは6400万画素と高画素で、広角カメラやマクロカメラ、深度測定用カメラまで盛り込まれています。チップセットもKirin 820と高性能で、もはや、どこがliteなのか分からないほどの充実したスペックといえるでしょう。

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▲P40 lite 5Gは、その名の通り5G対応のミドルレンジスマホ

市場想定価格は3万9800円で、1年前にP30 liteが発売された際には3万2880円だったため、値上げと言えば値上げですが、5Gに対応した端末としては破格の安さ。チップセットの処理能力やカメラの性能が大きく底上げされていることを考えると、妥当どころかお得感さえあるように思えます。5Gの対応バンドを見ると、日本のサブ6で一般的な「n77」「n78」「n79」が利用可能。先に発売された「Mate 30 Pro 5G」と同様、キャリアを選ばず使える可能性が高そうです。

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▲価格は3万9800円で、4万円を下回った

日本では5Gのサービスが3月に始まったばかりですが、先行する中国では、昨年11月ごろからスタートしており、契約者数も順調に伸ばしています。こうした市場に向け、ファーウェイはいち早くミドルレンジモデルの5G化を進めてきました。垂直統合的に、モデムまで自社で製造しているため、クアルコム製のチップを採用する他社より、低価格なミドルレンジモデルを出しやすかったという事情もありそうです。

とはいえ、1世代前のP30 liteと比べると価格が上がっているのも事実で、税込みだとSIMフリーのミドルレンジスマホのボリュームゾーンである3万円台は超えてしまいます。おそらくファーウェイ自身もそれは理解しているのでしょう。P40シリーズでは、上位モデルのP40にバリエーションを設けるのではなく、P40 liteを2モデル展開することになりました。そんなもう1つのP40 liteが、冒頭で挙げたP40 lite Eになります。

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▲より廉価なモデルとして登場したP40 lite E

P40 lite Eは、従来のP liteと同様の4Gモデルで、チップセットやカメラのスペックもP40 lite 5Gより抑えられています。チップセットはP40 lite 5Gが「Kirin 820」なのに対し、P40 lite Eは「Kirin 710F」。メインカメラもP40 lite Eは4800万画素で、カメラの数はP40 lite 5Gより1つ少ないトリプルカメラになります。メモリ(RAM)やストレージ(ROM)、Wi-Fiの対応方式などもP40 lite 5Gと比べると少なく、至るところでコストダウンが図られていることが見て取れます。

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▲チップセットだけでなく、カメラや指紋センサーなど、様々なところでコストダウンが図られている

そのぶん、価格にはかなり差が付けられており、P40 lite Eの市場想定価格は2万4800円。P30 liteのときより割安で、ボリュームゾーンど真ん中よりもむしろリーズナブルな価格設定になっています。今年のP liteは、バリエーションを増やし、上下にラインナップを広げた格好で、ミドルレンジモデルを得意とする、ファーウェイならではの戦略といえそうです。

ただし、昨年までとは大きな違いが1つあります。それは、どちらのモデルにもGMS(Google Mobile Service)が搭載されていない点。改めて説明する必要はないかもしれませんが、米国の制裁が続く中、ファーウェイはGMS搭載のAndroidを利用できず、自前でHMS(Huawei Mobile Services)と呼ばれるエコシステムを構築しました。2つの端末にも、このHMSが採用されており、アプリはファーウェイが運営するAppGalleryからダウンロードする形になります。

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▲いずれのモデルもHMS対応で、アプリはAppGalleryからダウンロードする

日本でのHMS搭載端末は、4月に発売されたMate 30 Pro 5Gが初めてで、これが第2弾という位置づけ。P40 lite 5G、P40 lite Eはもちろん、フラッグシップモデルのP40 Pro 5Gも、HMS搭載端末になります。ここで注目したいのは、ミドルレンジモデルにもHMSが広がったところ。販売台数が少なめのハイエンドモデルは、ある意味、“分かった人”をターゲットにしているため、HMSであることを承知したうえで購入することになりますが、ミドルレンジモデルだとそうはいきません。

ファーウェイのP liteシリーズは、そのコストパフォーマンスのよさから、老若男女問わず、幅広い層に受け入られてきました。このシリーズがHMS搭載になるインパクトは、非常に大きいといえるでしょう。販売台数が積み上がれば、それだけアプリの利用者も増えるため、HMSのエコシステムを強化するには、こうしたミドルレンジモデルが欠かせません。P40 lite 5GおよびP40 lite Eは、HMSの拡大を図るための両翼になるというわけです。

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▲ユーザーが増えれば、アプリの数がさらに充実する可能性も

一方で、鶏が先か卵が先かの問題に通じますが、GMSがないことを理由に、ユーザーが2機種を敬遠する可能性も大いにあります。実際、P40シリーズを取り扱うMVNOはIIJmio、イオンモバイル、exciteモバイルの3社で、大手キャリアやサブブランドまでこぞって手を挙げたP30シリーズのときのような広がりはありません。チャレンジャーなMVNOを除くと、各社とも、HMSへの対応には慎重になっており、ファーウェイにとってはいばらの道になることも予想されます。2台目需要の喚起や、あまりアプリを使わない層に対するアプローチなど、これまでとは違った拡販方法も求められそうです。

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▲P30シリーズと比べ、取り扱いMVNOは減少している

 
 

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