HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

「ウェアラブルデバイス」と言っても、その用途や使い道はさまざま。メガネ型ならARやディスプレイ機能を備えているものをまず思い浮かべるでしょう。アニメ好きな人なら犯人に装着した発信機を追跡する姿を想像するかもしれません。ファーウェイが日本で発売する「HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II」にはそうしたディスプレイ表示機能は一切ありません。これはメガネの形をしたスピーカーです。

韓国発のアイウェアブランドGENTLE MONSTERとコラボしたこの製品では、無骨なフレームが特徴の同ブランドのメガネそのままの見た目。透明レンズの「SMART KUBO」とサングラスタイプの「SMART LANG」の2種類をラインナップします。ファーウェイ直販価格は4万3780円(税込)で、本日7月13日に一般販売が開始されます。

このタイプの製品は「Bose Frames Alto」をはじめとしていくつか市場に出ていますが、「HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II」はメガネとしてのデザイン性や再生時間の長さなどに秀でた点があります。

HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

「HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II」はテンプル(つる)の太さがやや気になるものの、見た目はよく見かける太縁の眼鏡そのもの。重さは45g前後とやや重めではありますが、装着感も樹脂フレームのメガネのそれと同等です。普段からメガネを掛けなれている人ならすぐに慣れてしまうでしょう。

原理的には骨伝導スピーカーの一種といえるもので、テンプル部分に仕込まれたセミオープンタイプのスピーカーが、後頭部全体を振動板のように使って音を響かせます。体の周囲から音楽に包み込まれるような、ダイナミックな感覚で音楽を味わえます。

HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

このタイプのスピーカーの良いところは、耳穴をふさがずに音楽が聴けること。インイヤータイプのイヤホンと違い、長時間装着していても疲れにくいと感じました。また、周囲の音が聞こえるため、家族に話しかけられた時にすぐに気づけるのも便利。料理中のような不意の変化に気をつけなければならないシーンでも、音楽を聴きながら対応できるため重宝しました。

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■接続はBluetoothイヤホンと変わらない

オーディオの接続はBluetooth 5.2をサポートし、ファーウェイ製のスマホ・タブレット以外でも利用できます。

左右テンプルにはタッチセンサーも備えており、なぞったりダブルタップしたりして、音量の上下や再生・停止、曲送り、スマホの音声アシスタントの起動といった操作が可能です。なお、音声アシスタント機能は一般的なBluetoothイヤホンと同様に、OS標準のアシスタント(例えばiPhoneならSiri)が起動します。筆者はiPhone 12 miniやGalaxy Z Flip、それにWindows PCとも組み合わせてみましたが、いずれも問題なく利用できました。

HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

ただし、専用のアプリはAndroid版のみが提供されています。HUAWEI AppGalleryだけでなくGoogle Playでも配信されているため、Androidデバイスなら利用に困ることはないでしょう。

アプリでできることは装着した時の挨拶の言語(「Hello!」としゃべります)の設定や、メガネを外した時に再生を停止するかといった機能面の設定のみで、音質を調整するような機能はありません。ただしメガネのファームウェア更新はアプリ経由でないとできないため、例えば接続の安定性向上といった機能改善を適用するためには、Androidデバイス(もしくはHarmonyOS対応デバイス)が必要となります。

まとめると、無線接続はAndroid、iPhoneなど機種を問わず、Bluetoothに対応していればパソコンやゲーム機などでも利用できます。ただし細かい機能設定やメガネの更新はAndroidアプリのみで提供されるという恰好です。Androidアプリを持っていない人でも、アップデート時のみアプリに接続すれば使えるため、その時だけ誰かからAndroidスマホを借りて使うというのもアリかもしれません。

HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

ここまで読んで、「充電はどうするの?」という疑問が沸いた人もいることでしょう。同梱のメガネケースを通して充電します。合皮製のオシャレなメガネケースですが、背面にType-C端子があり、USB-ACアダプター経由で給電できます。また、給電中にTypc-C端子の下のボタンを押せば、ペアリングモードに入れます。

HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

ケーブルをつないだ状態であれば、メガネをケースに置くだけで給電が可能。メガネには85mAhのリチウムポリマー電池が内蔵されており、NFCワイヤレス給電で充電可能。つまりSuicaのような交通系ICカードを改札機にかざすと読み取り可能になるような仕組みを、メガネとメガネケースの間でやっているというわけです。

音楽の連続再生時間は公称で約5時間とされており、使って後にこまめにメガネケースに戻すという使い方をしてみたところ、電池持ちを気にせず使えました。

■音漏れはそれなり。図書館には向かない

このメガネの興味深いポイントは、音漏れを抑える技術が導入されていることにあります。ファーウェイの説明によると、指向性音響システムが逆音波を発信し、周囲の音漏れを最小限に抑えるという仕組みが取り入れられているとのこと。要するに、アクティブノイズキャンセリングイヤホンが周りの雑音を消す仕組みを、このメガネは逆向きに行っているということでしょう。

実際に、ある程度の音量まで抑えて再生すれば、盛大に音漏れすることはありません。スマホの音量ゲージで言うと50%くらいまでの設定なら、50㎝ほど離れた場所にいる人に音楽の内容を聴き取ることはできません。例えばショッピングモールや多くの人が働くオフィスなど、周囲がにぎやかな場所なら、音楽をかけていることすら気づかれないでしょう。

HUAWEI X GENTLE MONSTER Eyewear II

ただし、周囲が静かな環境では、音量を30%程度に設定してもシャリシャリと音漏れがするようです。図書館のように静かな場所で使うのは避けた方が良いかもしれません。音漏れに関して筆者の実感を述べるなら「オープンタイプのイヤホンと同じくらいの配慮でOK」という印象です。古いiPhoneに付属していたイヤホンのような音漏れしやすいタイプのイヤホンで気にならないくらいの音量ならば、問題となることはほぼないでしょう。

なお、耳穴をふさがない構造上、当然のことですがノイズキャンセリング機能は備えていません。耳栓をしても音楽は聞こえますが、それなら純粋にノイズキャンセリング対応イヤホンを装着した方が良いでしょう。

このメガネが重宝するのは、例えば作業用のBGMとして長時間音楽を聴きたいシーンや、注意の音や周りの人の声掛けに気を払いながら音楽を楽しみたいシーンです。クリアな音で録音できるマイクも備えているため、テレワーク中に装着するスピーカーとしても活用できるでしょう。

ちなみに視力矯正器具としての眼鏡ユーザーは気になるであろう「度付きレンズを入れることができるのか」という点ですが、レンズ部の構造は一般的なメガネと変わらないため、メガネ販売店に持ち込めばレンズを仕立てることは可能です。

ファーウェイの製品ページの注釈では、「視力を保護するために、処方された光学レンズへの交換を忘れないでください」とも記載されていることから、レンズ交換で製品保証が切れるという心配もなさそうです。