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6月13日、NASAのハッブル宇宙望遠鏡は誤動作を引き起こし、ペイロードコンピューターが自動的にシャットダウン、アイドルモードに陥っています。

NASAゴダード宇宙飛行センターの地上管制は14日月曜日、ハッブルの問題のシステムを再起動したものの、再び同じ不具合に見舞われました。管制チームはこの打ち上げ以来31年間使われ続けてきた宇宙の天文台の不具合原因がメモリー基板にあると推測し、今度はバックアップ用メモリー基板への切り替えを試みました。そして再びシステムを起動させようとしたものの、今度はバックアップモジュールの起動コマンドが完了する前にエラーで処理が停止してしまったとのこと。

18日、管制チームはシステム診断を試すため、メインとバックアップ両方のメモリーモジュールをオンラインにしようとしましたが、これもやはり失敗に終わっています。

ハッブルが搭載するコンピューターは、1980年代に製造されたNASA Standard Spacecraft Computer-1 (NSSC-1)システムと呼ばれるもの。科学機器を制御・調整するだけでなく、システム全体の健全性と安全性を監視します。このシステムは冗長化されており、どちらか片方に不具合が発生すればもう片方に切り替えられるようになっています。またシステムはそれぞれ64KのCMOSメモリーを搭載したメモリーモジュールを4つずつ持っており。そのうちの1つを使用、のこりはバックアップとして扱います。

ただ今年に入ってからというもの、ハッブルでは今回のような不具合が複数回発生しています。たとえば3月にはメインフライトコンピュータがエラーを吐き、正常に戻すのに何日も費やす事態になりました。また搭載する広視野角カメラに供給される電圧レベルが長期に渡ってじわじわ低下していたことも判明し、チームは再発防止のため、これらの電圧レベルを下げて運用する対応を施しています。

今回発生した問題も、カメラの電圧レベルの問題も、経年による劣化が影響している可能性が高いと考えられます。かつては宇宙飛行士による修理や部品交換が何度も行われたハッブルですが、それもスペースシャトルが現役だった2009年を最後に行われていません。なお、現在のコンピューターはその最後のメンテナンスの際に取り付けられたものです。

NASAは11月にジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を打ち上げる予定であり、ハッブルの不具合が解消できないとなれば、この最新の(しかし打ち上げ延期を重ねてきた)宇宙望遠鏡に期待するほかに選択肢はないかもしれません。

Source:NASA
via:AP