競技性とアビリティの虜になる、Riot Gamesの新作FPS「VALORANT」レビュー

eスポーツとしても注目のタイトル

堀江くらは
堀江くらは, @kuraharu
2020年07月18日, 午後 05:30 in games
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今最も注目されているシューターゲーム

Riot GamesによるPC向け新作FPS「VALORANT(ヴァロラント)」は、今最も話題になっている基本無料のFPSシューターゲームです。先月リリースされた本作ですが、ベータテストの時点でかなり話題になっていました。ベータの時点で毎日平均300万人のユーザーがプレイし、Twitchなどの動画配信サービスでの視聴時間も約4億7千万時間になったほど。現在もはプロシーンも開幕したことも相まってeスポーツ方面での注目度も高まっています。

本作は10人が2チームに分かれて戦う5vs5のチーム戦で、爆弾を設置する攻撃側と、それを阻止する防衛側に分かれます。2ラウンドを終えると攻守を入れ替えて、13ラウンド専守したチームが勝利となります。 

 1ラウンド中に敵に倒されると次のラウンドまで復活しないため、緊張感を持って毎ラウンドプレイすることが求められます。ラウンド開始時に購入した武器なども、倒されるとリセットされてしまうので尚更です。

攻撃側・守備側共に基本的には相手を全滅させればそのラウンドは勝利となりますが、「スパイク」と呼ばれる爆弾が絡んでくるとそうはいきません。攻撃側のチームが敵拠点にスパイクを設置、解除されなければ(=爆破すれば)勝利。防衛側は設置されたスパイクを解除できれば勝利となります。こうなると、例え敵を全滅させても勝敗は決せず、スパイクが爆発するかどうかで判定がされます。そのため、本作はスパイクを巡った両チームの戦略や読み合いが重要になる、シビアな展開となっています。

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▲スパイクが爆発すればその時点で勝ちとなります 

ここまで聞くと「CS:GO」のようなゲーム性だと感じる方もいるでしょう。実際、ルールだけ見れば昔ながらのFPSシューターですが、ここに固有のアビリティを持ったキャラクター、通称「エージェント」という要素を組み込むことで新しいプレイ感覚をもたらしているのが本作最大の特徴です。

「エージェント」はステータスこそ共通ですが、キャラクター毎に4種類のアビリティを保有しており、プレイヤーは複数の(記事執筆時点では11人)エージェントの中から1人を選択し、戦場に赴きます。

エージェントにはロール(役割)が割り当てられており、爆弾を投げたり、高速ダッシュしたりと攻撃性能に特化したアビリティを持つ「デュエリスト」や、煙幕などを活用し戦況を動かしていく「コントローラー」などが存在します。

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▲筆者のお気に入りエージェントは煙幕やテレポートなどで敵を攪乱できるコントローラー「オーメン」

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▲味方のライフを回復できる「セージ」はどの戦場でも人気。現在センチネルのロールを持つのはセージのみ

 

■「今までにもあった」のに「新しい」FPS

ここまで紹介してきたことを振り返ってみると、本作はこれまでにあったゲームの様々な要素の組み合わせでできており、斬新さや真新しさをパッと見で感じることは難しいゲームでしょう。それでも、実際にプレイすれば本作ならではの魅力をしっかりと感じることができるはずです。

本作の魅力は高い戦略性。全員で一か所を攻めラッシュしたり、裏どりを警戒して一人で行動したりと、従来のゲームでも存在したチーム戦ならではの立ち回りを、アビリティがより深いものにしています。例えば、相手の位置を把握するアビリティで敵が見えたらどう動くか、相手の煙幕や壁を貼るアビリティにどう対応するか、ワープできるアビリティを使用して相手の背後に回るか、など、実に多くの選択肢を考慮しながらプレイする必要があります。また、お互いのチーム構成は毎回違うため、どう動くかを構成から判断することも大切です。

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▲ラウンド開始前の買い物も戦略的に重要な要素。節約して安くて弱い武器にするか、高価だが強力な武器にかけるかなど戦闘前から考える必要があります

プレイしていて最も印象的だったのは、1ラウンドの展開が他のゲームと比べて早いことです。こうしたゲームでは、どうしてもマップによって強いポジションが存在し、防衛側がそこで敵を待つような戦術が強くなってしまいがちですが、本作はアビリティの存在により展開が早く、サクサク進んでいきます。ここ数年、シュータージャンルは展開の早いものが人気ということもあり好印象です。

本作にも確かに強いポジションは存在しているのですが、アビリティによってそこに煙幕がたかれたり、そこにいるのがバレていると爆弾や閃光弾の様なアビリティが飛んできたりと、その場所を潰すような選択肢をもったエージェントが多いため、単純に待つだけでは勝つのが困難になっています。

一方の防衛側はアビリティでワイヤーとラップを仕掛けたり、煙幕を用いて安全に防衛ラインを下げたりと、様々な行動がエージェントによって可能ですし、閃光弾系のアビリティを用いれば、カウンターの形で攻めに転じることも可能です。こんな風に、攻撃側・防衛側問わずアビリティが戦闘の「きっかけ」となることで、膠着した状況が崩れやすくなっています。

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▲味方の煙幕で敵スナイパーの目を潰し前進

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▲ジャンプするスキルを使用し高所を確保すれば相手の不意を突けるかもしれません

他のシューターゲームにも、こうしたキャラクター・アビリティの要素は存在しましたが、本作のアビリティは「戦場を動かす」ことに重きをおいていて、立ち回りや撃ち合いを有利にすることはできても、戦局をひっくり返すほどの強さや派手さは持っていません。あくまで主軸となるのは銃の撃ち合いで、それに伴う戦術の一つとしてアビリティが存在しているといった印象です。最後は自分の銃の腕次第というのが本作の魅力の1つであり、競技性の高さを決定づけているポイントではないでしょうか。

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▲最終的に頼りになるのは自分の銃の腕。FPSシューターの醍醐味もしっかり味わえます

因みに、本作はFPS初心者にお勧めしやすいゲームです。基本無料で、初期では解禁されていないエージェントも、プレイを続けていれば入手可能(課金でも可)。また、ランクシステムが実装されているので、自分と同じくらいの実力の相手とマッチングしやすくなっています。

また、例え撃ち合いが苦手でも、アビリティで有利な状況に持っていけることも少なくないため、エイム強者じゃなくともキルをとることができますし、撃ち合いで勝てなくともアビリティでチームに貢献することも可能。まずはスキルで味方に貢献しながら、銃の腕を磨くことができ、「何もしないまま死ぬ」みたいな初心者あるあるを回避できます。

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▲先ほど紹介した「セージ」は味方を回復するスキルを持っているため初心者にも人気です

さて、初心者・上級者問わず気になるのがチーター対策ではないでしょうか。シュータージャンル、特にPC向けの物はここ数年チーターの像かで人口が安定しない、新規が定着し辛い等の影響が出ていました。

本作はチーター対策にも力を入れているとのことです。Riot Gamesは本作の開発にあたり、独自のアンチチートシステム「Vanguard」を新規に開発、ゲームに組み込むことで、チートツールの検出とチートを使用したプレイヤー処分できるとしています。

このシステムには期待がかかりますが一方で、このシステムがカーネルモードで動作することに関して不安に思う声も一定数存在することや、Riot Gamesはそうした批判に対し「コンピュータに関する情報を収集・送信することはない」としていることは明記しておく必要があるでしょう。また、Riot Gamesは虚弱性の発見に対し多額の報奨金を支払うとしています。

Riot Gamesが世界で最も遊ばれているオンラインゲームであり、大規模なeスポーツタイトルでもある「League of Legends」の運営であることから、チーター対策だけでなく、頻繁なバランス調整やeスポーツシーンへの貢献など、様々な方面からも期待がかかる本作。その動向には今後も目が離せません。FPSに慣れている人も、初心者の方も、是非プレイして欲しいタイトルです。

関連リンク:VALORANT

 

 
 

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