Next Hack
Next Hack

昨年9月、いくつかのウェブサイトが、妊娠検査キットの小さなディスプレイでDoomを動作させたとするニュースが伝えられていました。しかし残念ながら、この妊娠検査キットは再プログラム可能なものではなく、現実にはディスプレイ部分を本来の液晶パーツからドットマトリクス型OLEDに置き換え、メイン基板も外部に用意したうえで、Doomに見立てたアニメーションを表示させたにすぎない代物でした。早い話がフェイクニュースだったわけです。

しかし、このフェイクニュースにインスピレーションを得たNext-Hack.comなるサイトは、自らもゲーム機や本来プログラミングを想定していない機器で「Doomを動かしてみた」をしたいと思い、レギュレーションを設定してその作業に臨みました。

独自ルールの概略は以下のとおり。

  1. 一般的にゲームをプレイするためでない既製デバイスを利用する

  2. 選んだデバイスにはオリジナルのDoomを実行できる処理能力を持つマイクロコントローラーが搭載されていること

  3. マイクロコントローラーの交換や追加は不可。ただし冷却が必要なければオーバークロックは可

  4. フラッシュメモリーを追加してWADファイルを保存しても良い

  5. カラーディスプレイがないデバイスには、Doomを適切に表示できるカラーディスプレイの追加を許可

  6. 入力デバイスは何でも良い

  7. 必要に応じ電源を変更しても良い

  8. 最低限、シェアウェアDoom(E1M1)のEp1 map1がプレイ可能

  9. オーディオの要件は無し。ただし効果音があればより良い。実装済みの音源は自由に使用して良い

  10. マルチプレイヤーは不要

Next-HackはIKEAのZigbee対応スマート照明 ” Trådfri ” の「スマートな部分」を担うロジックボードMGM210LがCortex M4ベースのRFモジュール(40MHz動作)を搭載するのに目を付け、これならオリジナルのDOS実行ファイル(Vanilla Doom)を動かせると考えました。そしてこのボードに160x128解像度のカラー液晶ディスプレイを追加し、108kBのRAMと1MBの内部ストレージにマップをロードするためのフラッシュメモリーを実装しました。

こうした改造を経て、Next-HackはIKEAスマート照明ベースのDoomコンソールの制作に成功しました。その動作は照明ベースとは思えないほどなめらかで、十分遊べそうに思えます。一方、コントローラーのほうは、かんたんな基板に330Ωの抵抗をつないだだけの簡素な出来映えなのが手作り感を高めています。

誰も予想しなかったデバイスでDoomを動かすというのは、ハッカーにとってはある意味ロマンとも言えるでしょう。これまでにはプリンターやトースター、MacBook Proのタッチバーなどで動作してきたDoomですが、ここにスマート照明が加わり、次はどんなデバイスに移植されるのかも気になるところです

かいつまんでの説明なので非常に簡単に実現できたように思えるかもしれないものの、実際の制作では細々とした調整や作業が必要でした。詳細を知りたい方は、元記事をごらんになってみることをおすすめします。

source:Next-Hack