▲M1搭載の新しいiMac。カラーはグリーン。

新iMacの実機をひと足先に試すことができた。製品は5月21日より順次購入者の元に届く予定だという。

性能なども重要なのだが、触ってみてよくわかったのは、「ああ、これ、まさに見た目で選ぶMacだなあ」ということだ。それはどういうことなのか、細かく見ていこう。

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使われているM1は「すべて同じ」か

先にもうぶっちゃけてしまうが、新iMacの性能は見事に「MacBook Proと同じ」だった。

今回試用したのは16GBのメモリーを搭載した上位モデルだったのだが、自分が日常的に使っている「MacBook Pro」も、M1・メモリー16GBのモデルなので、同じスペック。で、ベンチマークを取ってみると、まさに見事にほぼ同じだったのだ。

ようするに今の「M1搭載Mac」に使われているM1は、モデルによってGPUコア数が7なのか8なのか、メインメモリーが8GBなのか16GBなのか、というバリエーションはあるものの、クロック周波数やバス幅、ストレージインターフェースなど、細かい部分は本当にすべて同じようだ。

▲白が新iMac、黒がMacBook Proのベンチマーク結果。同等と言って差し支えない。

とすると、もうMacの選び方は、ソフトの互換性(開発環境などの関係ではまだIntel版の方が使いやすい)やインターフェースの仕様で選ぶのでない限り、「ほぼ見た目」ということになる。これはこれでわかりやすい戦略だ。改めて確かめてみて、「今までのMacやPCの常識とはだいぶ違うな」と改めて納得した。

箱から違う新iMac

さて、見た目で選ぶとして、iMacはどう違うのだろうか? いやもう、「箱」から違う。大きさはもちろんだが、本当に凝っている。

▲iMacの外箱。24インチディスプレイ搭載だけあって、流石に大きい。

従来、iMacは「箱を上に引き出して中から出す」構造だったが、今回は机や床などに寝かせて開くようになっている。開いてみると、ちょっと驚く。段ボールを使って見事にクッションが作られ、箱の中に収められているからだ。

▲箱を横に寝かせて取り出す。振動を防止するためか、段ボールで本体がうまく押さえられていて、左右に開いてから取り出す仕組みだ。

段ボールで梱包されている場合、中身がパズルのようになっていて、一度製品を外に出すとバラバラになって後から同じように詰め直すのが大変……という感じになることが多いのだが、iMacは違った。きれいに一体化されていて、シンプルに中に収納できる。

▲本体の下にキーボードなどが入っている。うまく「ツライチ」になるように収まっているあたり、芸が細かい。

本体は不織布のような素材で包まれている。そこから透けて見える「Hello」の文字。ディスプレイに貼られている保護シールにそう書いてあるのだ。

▲ようやく本体とご対面。ディスプレイには保護シールが貼られていて、そこには「Hello」の文字。

本体を出すと、キーボードやマウスなどが収納されている。今回はMagic MouseとMagic Touchpadの両方が収納されていた。

ここまで、ほとんどの部分の梱包にプラスチックは使われていない。箱を持つためのハンドルも、紙を細く撚り合わせて作られている。真面目に、久々にみた「かっこいいパッケージ」だ。それを捨てるなんてとんでもない。

ただ、本体が傷つかないようにカバーするシール群は、さすがに樹脂製だった。きれいな状態でユーザーの手元に届くように、という配慮なのはわかるが、ここまできたら、不織布カバーだけでも良かったのではないか、という気もする。

壁紙まで色を合わせるApple流

今回試用したのは、冒頭の写真でもお分かりのようにグリーンだ。どんな色かを簡単に言えば、「昔iPod nanoで見た、グリーンのアルミボディ」を思わせる色だ。

▲本体背面は濃いグリーン。スタンドは薄いグリーンと色味が違う。

といっても、本体部の裏は濃いグリーン、スタンドは淡いグリーンと色が異なる。本体正面のパネル部は、白に合わせたパステル調の色合いだ。

▲正面を拡大。白のガラスに合わせてか、正面の緑はパステル調。

キーボードやマウスなどの「差し色」は、本体の色に合わせて用意されている。これらのものは基本的にセットでのみ購入可能で、当面はバラ売りされないそうだ。だから、本体とマウスの色を変える……という買い方は難しいのである。購入時、英語キーボードやテンキー付きなどは選べるが、色は選べない。

▲本体付属のキーボードとMagic Mouse、それにMagic Touchpad。付属の場合には色味が本体のメインカラーと同じになる。

壁紙も本体色に合わせて設定されている。というか、最初に起動したときに出るメッセージ画面も、MacBook Proなどとは異なり、iMacのカラーリングに合わせたものになっている。この辺はいかにもAppleらしい。

▲本体の初回起動時のメッセージ。各国語で表示されるようになっていて、本体色に合わせたカラーになっている。

使い勝手は申し分ない。M1はモバイルで使われているプロセッサーとはいえ、デスクトップでも十分な性能を発揮する。24型・4.5Kのディスプレイパネルも、実用十分な画質だ。ただ、画面に近づきすぎると画面の端が変色して見える。おそらくは視野角の問題によるものだ。操作が快適にできる距離、すなわち、40cm〜90cm画面から離れた距離で使えば快適な画質が維持できるだろう。

マグネット採用の「新電源」に現れるiMacの思想

今回のiMacの新機構として、「ギガビット・イーサネット内蔵の電源」がある。

▲新しい電源。上位モデル向けはイーサネット端子がこちらに内蔵されている。サイズはかなり大きめ。コネクターはマグネットが入った独自形状のものだ。

今までのiMacとは異なり、本体の後ろにはイーサネットコネクタがない。USB Type-Aもない。USB Type-C(USB 3.1)とThunderbolt 3 / USB 4.0対応のコネクターが並んでいる、非常にシンプルな構造だ。インターフェースが足りないな……とは思う。

だが一方でAppleは、「iMacの後ろをとにかくスッキリさせたい」と思ったのだろう。ケーブルが多数這い回るのは、確かに美観的によろしくない。

▲インターフェースは「表から手を伸ばして本体の右側の裏」に4つある。下位モデルでは2つ。

その結果として、外付けの電源ユニットにイーサネットのポートがつけられることになった。電源ユニットはそれなりのサイズがあって邪魔ではあるが、「机の下などの見えないところに置く」ということだろうか。イーサネットも、まあ、取り外すことは少ない。

この電源兼イーサネットのケーブルは、iMac本体にマグネットでくっつくようになっている。と言っても、いわゆるMagSafeとは狙いがだいぶ違うようだ。なぜなら、つけるのは簡単だが、外すにはちょっと力が必要であり、ケーブルを引っ掛けた程度では抜けないようになっているからだ。

外すには、物理的に差しこむコネクターだった従来の電源ケーブルを引き抜くときと同じくらいの力がいる。マグネットになっているのは、表からでも簡単にケーブルをつけられるように……という配慮らしい。

正直、機能的に言えば、電源にここまでこだわる意味は薄い。だが、「イーサネットも電源ケーブルもシンプルにして本体の後ろをスッキリさせたい」という意図は叶う。Appleは、「せっかくきれいに作った背中だから、見えるようにおいても大丈夫」と言いたいのだろう。

そういうこだわりを「アリ」とするか「別に」と思うかで、iMacの評価は変わるかもしれない。

同じ性能で24インチ・4Kの画面が欲しいなら、外付けのディスプレイ+Mac miniの方が安くなる。そしてMacBook AirやProを使った方が自由度は上がるだろう。だが、デスクトップのMac、iMacの持つ「スッキリとしたデザイン」を得ることはできない。

箱からボディまで、「この見た目」こそがiMacの最大のウリであり、差別化ポイントなのだ。だから、iMacを選ぶかどうかは「見た目の好み」で選んでいいのだ。

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