Wistron

iPhoneの受託生産大手である台湾Wistronのインド工場で大規模な暴動が起き、最大で2億台湾ドル(約7億3500万円)の損害が生じたと発表されました。

米Reuters報道によると、インドのベンガルール郊外にあるWistron工場の敷地内に2000人以上の従業員が集まり、未払いの賃金と労働時間の改善を要求したのが始まりでした。警察が到着すると群衆は暴力的になり、棒などで武装した人々が生産施設や社用車を破壊したとのことです。

現地メディアのTimes of Indiaは「工学部の卒業生は月額2万1000ルピー(約3万円)を約束されていたが、その後1万6000ルピー、さらに1万2000ルピーにまで減らされた。工学部以外の卒業生は8000ルピーにされ、口座に入金される給与は減りつつある」との報告書や、一部従業員は月額わずか500ルピー(約700円)しかもらってないとの証言を伝えています。

当初Wistronは警察への報告で、6000万ドル(約62億円)相当の損害額を見積もっていたとのことです。しかし翌週に台湾証券取引所に対する声明のなかでは、主要な生産施設や倉庫の被害が地元メディアが報じたほど深刻ではないとして、1億~2億台湾ドルに修正したと報じられています。

かたやアップルは、Wistronがサプライヤーのガイドラインを破ったかどうかを調査中だとして、スタッフと監査人を現場に派遣して警察の捜査に協力していると発表しています。アップルは「誰もが尊重される安全な職場」などのサプライヤー責任を標榜しており、iPhoneの生産が止まる以上に従業員への未払い発生こそがゆゆしき事態のはずで、速やかな対応は当然でしょう。

アップルのサプライヤーが行動規範に違反し、現場の調査に入ることは今回が初めてではありません。今年11月にも、やはりiPhone組み立て大手の台湾Pegatronが学生労働者に夜勤や残業、専攻とは無関係な仕事を許可したとして、新規取引が一時停止されていました

またアップルを含む83社もの大手企業が、ウイグル人の「強制労働」から部品供給を受けているとの報告もありました。今後はサプライチェーンで働く従業員の人権が守られるよう、国際的に世論の圧力が強まっていきそうです。

Source:Reuters