Yulia Reznikov via Getty Images
Yulia Reznikov via Getty Images

アイオワ大学とジョージア大学の研究チームが、点鼻薬タイプの新型コロナウイルスワクチンを開発しています。マウスを使った実験では効果が確認されており、マウスからマウス間の感染も防止するとのこと。この研究は7月2日付けの”Science Advances”に掲載されています。

アイオワ大学の研究者Paul McCray氏は「すでに有効なワクチンが普及していますが、世界人口の大半はまだワクチン接種を受けることができず、より扱いやすく感染防止に効果的なワクチンがまだ必要とされている」と述べています。

McCray氏らがジョージア大学のチームと共に研究しているのは、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)からのスパイクタンパク質を発現するように最適化されたパラインフルエンザウイルス5(PIV5)を利用する点鼻薬タイプのワクチン。PIV5はヒトには無害で、過去にはMERSウイルスに関する動物実験でも効果を発揮していたとのこと。

今回研究されている点鼻薬タイプの新型コロナワクチンは、注射タイプとは異なり、通常の冷蔵庫で3か月は保存できるのが特徴。投与は1回で済み、注射が苦手な人にも投与しやすいものになっています。ワクチンは新型コロナウイルスの主な侵入経路である鼻腔や気道の粘膜細胞に働きかけて、その守りを固めます。鼻腔や気道の粘膜でウイルスが増殖すると、周囲の人を感染させてしまう可能性もあるため、それを防止するのにも役立つと考えられます。

研究では、マウスに与えたワクチンが抗体と免疫を含む局所的な反応を引き起こし、新型コロナウイルスから保護されるとの結果が示されたとのこと。また、このワクチンを投与したフェレットは感染が予防され、さらに、感染したフェレットと同じケージ内に置いたワクチンを与えていないフェレットへの感染も防止できたとのことです。

この研究のほかにも、現在7種類の点鼻薬タイプの新型コロナワクチンの研究が初期の臨床試験段階に入っています。たとえば、オックスフォード大学の研究者はアストラゼネカ型ワクチンの点鼻薬バージョンで第一段階の臨床試験を開始しています。

ただ、研究が進むにつれ効果が期待したほど得られないものも明らかになっている模様。このタイプの開発はなかなか難しい可能性も予想される中、来年以降に研究の結果がどう出ているかが気になるところです。

Source:Science Advances

via:University of Iowa