出版社がInternet Archiveを提訴。オープンライブラリーで「故意に大量の著作権侵害」と主張

図書館か否か

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年06月2日, 午後 01:00 in copyright
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Nutthaseth Vanchaichana via Getty Images

インターネットやマルチメディアの資料を収集・保存して公開する団体Internet Archive(IA)が、米国の複数の出版社から著作権違反で提訴されました。Internet Archiveはオープンライブラリーのリポジトリーで主にパブリックドメインからいまだ著作権を有する書籍までをスキャンして一般に無償公開しています。

アシェット、ハーパーコリンズ、ワイリー、ペンギン・ランダムハウスといった出版社は「オープンライブラリーと言うにもかかわらず、IAは”図書館”が提供するサービスを逸脱し、著作権法に対し暴力を振るい、産業規模で著作権を侵害している」と訴状に記しました。

オープンライブラリーは10年程前から一般的な図書館を模倣し「デジタル貸し出し」と呼ばれる概念に基づいて提供されています。ここではスキャンした書籍がプリントアウト可能な状態で閲覧可能です。書籍は図書館の蔵書程度の数が「貸し出し」状態になれば「返却待ち」の状態になるようになっています。

しかし新型コロナウイルスが世界に感染を拡大した3月、Internet ArchiveはNational Emergency Library、国立緊急図書館プログラムとしてその貸し出しの制限をなくし、たとえ物理コピー1冊分しか所有していなくとも無制限に貸し出し始めたことを発表しました。

しかしこのプログラムは出版社らが容認できるものはなかったようで、米国の多くの州がロックダウンを解除しはじめたことを受けて、IAを著作権侵害だと訴えるに至りIAに対して差止め命令を求めています。

IA創業者のBrewster Kahle氏は、訴訟に対して「Internet Archiveは図書館が昔から行ってきたように、本を取得して貸し出します。これは、出版と著者と読者をサポートすることです。出版社が図書館が本を貸し出すことを、この場合は保護されたデジタル版を貸し出すことを訴えるのは、学校や図書館が閉鎖されていた状況では誰の利益にもなりません。この件が速やかに解決されることを願います」とコメントしました。

IAは営利団体ではないため、その事業は海賊行為にはあたりません。ファクトチェックの動きを支援するために、トランプ大統領の発言映像をすべて記録する試みも行っています。Wikipediaの900万もの途切れたリンクを修正し、Google+のすべての投稿を保存し、インターネットの歴史を形作ってきたウェブサイトの数々を保存するウェイバックマシンといった活動も行っています。

ArsTechnicaは、出版社に対して国立緊急図書館プログラムがフェアユースであることを主張すべきだとの法律専門家の言葉を紹介しています。出版社による提訴が成功するかはわかりませんが、もしIAが敗けるならば、書籍をスキャンして貸し出すという、これまでのような活動は制限されることになりそうです。

source:CourtListener
via:ArsTechnica

 
 

 

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