iOS 14 はかゆいところに手が届く仕様になった。パブリックベータ版を試す(石野純也)

お作法が変わったホーム画面とは?

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2020年07月14日, 午後 12:30 in iOS
0シェア
FacebookTwitter
iOS 14

7月10日に、iOS 14のパブリックベータ版が公開されました。“パブリック”と銘打たれているだけに、一般のユーザーも簡単な登録とプロファイルのインストールをするだけで、自前の端末にインストール可能になります。一足先にiOS 14の世界を体験してみたい人にとっては、貴重な機会といえそうです。

ただし、位置づけはまだベータ版で、不具合等が残っていたり、重要なアプリが動作しなくなったりする可能性もあるため、クリティカルな用途で使っているメイン端末での使用は避けた方がいいでしょう。

iOS 14
iOS 14のパブリックベータ版を使ってみた

iOS 14をインストールすると、これまでのiOSとは大きく使い勝手が変わったことが分かります。もっとも利用頻度が高いといっても過言ではない、ホーム画面の“お作法”が変わったからです。ウィジェットの採用が注目を集めていますが、実際に使ってみると、そのコンセプトの変化の方が、ユーザーにとって影響が大きいことが分かります。

iOS 13までは、アプリをインストールすると、ホーム画面の空きスペースにアイコンが追加されてきました。ホーム画面のアイコンがアプリ本体だったというわけです。これに対し、iOS 14では、インストールしたアプリがいったん「Appライブラリー」に格納されます。Androidを使ったことがある人はご存知かと思いますが、同OSの標準的なユーザーインターフェイスは、ホーム画面とドロワーの二段構えになっています。

iOS 14
追加でインストールしたアプリは、まずAppライブラリーに格納される

アプリそのものはドロワーにあり、その中から必要なものだけを選んで、ホーム画面にショートカットを置く。Androidはもちろんですが、PCのデスクトップもそれに近い概念です。その意味で、iOS 14に採用されるホーム画面は、他のOSに近い役割になったといえそうです。もちろん、従来同様、ホーム画面にインストールしたアプリが並ぶようにすることもでき、「設定」に追加された「ホーム画面」で選択が可能。ただし、デフォルトでは、「Appライブラリのみ」にチェックがついた状態になっています。

iOS 14
アプリのインストール先をホーム画面に戻すことも可能だ

ホーム画面に置かれているのは、あくまでショートカットということで、アプリアイコンの削除時には、ホーム画面からアイコンを削除するのか、アプリそのものを削除するのかの選択肢が現れるようになりました。ホーム画面をよく使うアプリだけを並べたショートカット集であるということは、ここからも分かるはずです。ウィジェットへの対応以上に、これは大きな変化かもしれません。

iOS 14
アプリの削除も2パターンになり、ホーム画面からだけ削除できるようになった

ウィジェットは、やはり便利です。ベータ版が公開されたばかりのため、現時点ではまだ内蔵アプリぐらいしかウィジェットに対応していませんが、このバージョンを元に開発したアプリが今後増えてくる可能性は高く、期待ができます。中でも、ニュースや天気予報など、情報を定期的に更新して表示するアプリは、その使い勝手が大きく上がります。これまでは、アプリを開くか、ウィジェット専用の画面を一度開く必要がありましたが、ホーム画面にウィジェットが配置されていれば、ロックを解除するだけにその情報を閲覧できるからです。

iOS 14
ニュースや天気など、情報を一覧できるウィジェットは、配置しておく価値が高い

iOS 14
ウィジェット同士を重ねることで、「スタック」を作成可能。フリックで情報を切り替えられるようになる

カレンダーやリマインダーなど、常に目にしておきたい情報もホーム画面上に表示でき、うっかり見逃してしまうといったミスが減りそうです。細かなところですが、バッテリーウィジェットもあり、電池残量が一目で分かるのが◎。iPhone X以降のホームボタンがないiPhoneでは、バッテリー残量の細かな数値がコントロールセンターを開いたときにしか見られませんでしたが、これならすぐに何%のバッテリーがあるのかが一目瞭然です。

iOS 14
バッテリーウィジェットも、地味にうれしいウィジェットの1つだ

ウィジェット対応したことで、アイコンを画面下に並べられるようになった点も、評価しています。iPhone X以降、画面サイズがどんどん大きくなっているiPhoneですが、大きくなればなるほど、片手持ちした際に、画面上部を親指でタッチするのが難しくなります。右手で持ったとき、左上まで親指が届く人はどのぐらいいるのでしょうか……。特にiPhone 11 Pro Maxでは、相当手が大きくないと難しいと思います。

iOS 14
画面下にアイコンを集中させると、指が届きやすくなる

その点、ウィジェットを置いておけば、タッチが必要になるアプリのアイコンを画面下にまとめることが可能になります。見るだけでOKな情報は画面上部にウィジェットとしてまとめておき、起動がマストなアプリは画面下に置けば、ホーム画面のスペースを無駄なく活用できます。iPhone SEなど、コンパクトなiPhoneを持っていると話は違ってきますが、全画面のiPhoneを持っているユーザーにとっては、“神アプデ”ともいえそうです。

ウィジェットとAppライブラリーによって、ユーザーのアプリの選別はさらに進みそうです。アイコンを置くスペースが少なくなり、あまり起動しないものはAppライブラリー送りになってしまうため、ホーム画面の1画面、2画面目といった一等地を取るには、かなりの工夫が必要になってくるでしょう。きちんとウィジェットに対応したり、より使い勝手に磨きをかけるなどして、定番アプリの座についておくことが、今まで以上に重要になりそうです。

ユーザー目線では、細かなアップデートもうれしいポイントで、例えばボイスメモアプリに関しては、フォルダに対応したことで、よりファイルの整理がしやすくなりました。プライバシー対策も強化されていて、アプリがマイクを使っているときに、画面上部にオレンジ色の「●」が表示されるようになりました。ボイスメモなどのアプリでマイクが使われるのはある意味当然ですが、そうでないときにこのマークが出たら、怪しそうといえるかもしれません。明示的になったことで、アプリ側もむやみにマイクを使わないようになるといった効果もありそうです。

iOS 14
ボイスメモはフォルダの作成に対応

iOS 14
マイクが利用されると、画面右上に「●」が表示される

翻訳アプリも新たに加わりました。精度もまずまずで、口語の日本語もしっかり英訳してくれました。こちらも、プライバシー対策は十分で、あらかじめ言語セットをダウンロードしておけば、ネットワークにつなぐ必要なく翻訳ができます。ただし、画面内にも表示されているように、サーバを使う場合より、精度が落ちるケースもあるようです。

iOS 14
アップル純正の翻訳アプリも登場

iOS 14
プライバシー対策として言語セットをダウンロードしておくこともできる

iOS 14のアップデートは多岐に渡り、新機能はまだまだあります。ただし、現時点でそのすべてが実装されているわけではないようです。例えば、標準ブラウザやEメールアプリを変更する機能は、いくら設定項目を探しても見つかりませんでした。標準アプリの変更がどの程度の範囲でできるのかも不明です。とはいえ、まだパブリックベータ版は最初のバージョンがリリースされたばかり。秋の正式版に向け、徐々に機能が追加されていくことを期待して待ちたいと思います。


※パブリックベータ版iOS 14 / iPadOS 14の画面は、取材に基づく特別な許可を得たうえで掲載しています。


関連記事:

iOS 14をいち早く体験、パブリックベータのインストール方法


 
 

TechCrunch 注目記事新型コロナのソーシャルディスタンスを支援するビデオチャットアプリ8選

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]
関連キーワード: iOS, iOS 14, ios14, mobile, iphone, Apple, system, news, gear
0シェア
FacebookTwitter