ios14

アップルは次期iOS 14でさらにプライバシー保護を強化する一環として、「トラッキング要求を許可」を実装すると予告しています。これは、異なるWebサイトやアプリをまたいでユーザーを追跡したり、デバイス識別子にアクセスするためにはユーザーの明示的な許可を得なければならない、とする変更です。

iOS 14は今年秋に正式リリースとされていますが、このトラッキング制限については2021年初めまで実施を延期することが正式に発表されました。

アップルが3日(米現地時間)に発表した開発者向けリリースでは、「私たちはユーザーがアプリが追跡することを許可するかどうか、選べるようにコミットしています」として既定方針を再確認しつつ「開発者に必要な変更を行う時間を与えるため、来年からユーザーを追跡する許可を得ることが必要となります」として、iOS 14リリースと同時ではなく猶予期間を設ける趣旨を述べています。

本制限により主な打撃を受けるのは、Facebookの広告追跡ツールAudience Networkを使うアプリ開発者です。本ツールはIDFAと呼ばれる一意のデバイス番号を使用し、広告をより正確にターゲティングして、その効果の見積もりを立てることができるというもの。しかしiOS 14ではユーザーが明示的に同意しなければIDFAが取得できず、個人も識別できなくなります。

これを受けてFacebookは主要な広告主であるモバイルゲーム会社と協議しているとの噂が伝えられたあと、公に「iOSとFacebookのツールで収益を上げている開発者やパブリッシャーには深刻な影響を与える可能性があり、iOS 14に対してこのツールを提供することは無意味かもしれない」と警告を発していました

それが一転、アップル自らが数か月とはいえ実施を先延ばしすると公式に発表したかっこうです。

独自スクープに定評あるニュースメディアThe Informationによると、アップルはFacebookの主張に耳を傾けたというよりは、大手ゲーム会社や広告主に配慮したもようです。

App Storeチームは6月にIDFAの変更を発表して以降、アクティビジョン・ブリザードやテンセント傘下のスーパーセルなど一部の会社に、それがビジネスにどのような影響をおよぼすか知らせるよう依頼したとの事情通の話も伝えられています。

昨今モバイルアプリ広告には莫大な額が投じられていますが、その多くはApp Storeにある基本無料・アイテム課金型F2Pゲームアプリの販促を目的としています。つまりターゲティング広告の締め付けを強めればアプリ内購入から得られる30%の手数料収入も大きく減るおそれがあるため、アップルも猶予せざるを得なかったのかもしれません。

Source:Apple