TSMC

iPhone用のSoCであるAシリーズチップを独占的に製造する台湾TSMCは、年次技術シンポジウムにて今後のロードマップを発表しました。そのなかで今年のフラッグシップiPhone 12(仮)シリーズに搭載とみられるA14(仮)が、iPhone 11搭載のA13よりもどれほど処理能力や電力効率が改善している可能性があるかを示す資料を公開しました。

iPhone 12用のA14チップは、TSMCの5nmプロセス製造に基づくと予想されています。一方、iPhone 11用のA13は7nmプロセスルールを採用しています。すなわちTSMCが公開した一般的な7nmと5nmの性能比較は、どのチップかは特定はしていないものの「A14の性能がA13をどれほど凌いでいるか」を推測する手がかりとなるわけです。

ちなみに半導体製造における製造プロセスとは、回路線幅のこと。概して10nm、7nm、5nmと数字が小さくなるほど同じサイズのチップに含まれるトランジスタ数が多くなり、性能とエネルギー効率の両方が高まる傾向があります。

さてTSMCのロードマップ表に戻ると、7nmから5nmへの移行は最大30%もの消費電力削減、処理能力は最大15%増しといったところです。

TSMC

もちろん、これらがA14にそのまま反映されるとは限りません。2つの数値はどちらかを上げればもう一方が下がるトレードオフの関係にありますが、アップルは電力削減よりも性能向上を優先することがままあります。

TSMCは昨年、2020年iPhone向け受注を確保するために250億ドルを5nm製造プロセスのラインに投じたとも報じられていました。そして今年初めにもA14(仮)を4月から量産開始と噂され、今回のロードマップ発表にいたった格好です。この5nmプロセスは世界最先端に位置づけられますが、本技術はMac向けのアップル独自チップApple Siliconにも投入されると見られています。

またTSMCは、さらに先にある3nmプロセス計画も概説しています。こちらは2021年にリスク生産(特定の顧客からの受注なしに自己責任のもと試験的に行う生産)を開始すると公式に発表済みで、2022年のiPhoneおよびiPad用A16(仮)チップ生産に用いられると噂されているもの。その性能は、5nmプロセスよりも最大30%の電力削減および最大15%の処理能力アップと見積もられています。

iPhoneの性能はSoCのみに依存するのではなく、アップルのソフトウェア最適化によるところが大きいと言われています。そのためTSMCが公にした数値以上の処理能力が引き出される可能性もあるわけですが、iPhone 12は電力消費の多い5Gモデム搭載と予想されるため、もしかしたら「省電力を優先、処理能力アップは控えめ」が選ばれるのかもしれません。

Source:AnandTech

Via:MacRumors